- 薮田朋子
- おしゃれライター、編集者。雑誌やWebメディアなどで“女子がかわいく生きること”をモットーにどんよくに活動中。若手有名人インタビューから恋愛記事までおてのもの。インテリアなら老若男女問わず幅広いジャンルで得意。
twitter:@tokyo_neet
棚も窓枠もすべて手作り。DIYアドバイザー末永京さんのご自慢部屋【リビング&ダイニング編】
DIYアドバイザーの末永京さん。こだわりのご自宅インテリアを見せていただく連載2回目はリビング&ダイニングスペース。家族がくつろぐお部屋の作り方を学びましょう。
学生時代に見た東南アジアの建物が自宅インテリアのテイストの原点
――末永さんの好みのインテリアのテイストはなんでしょうか。
「特に決めているわけでもなく、なりゆきですね。だから場所によって大人っぽかったりポップだったりするんですよ。原点をたどると学生のときにバックパッカーで、東南アジアでのひとり旅が好きだったんです。
そこで見たベトナムの建物は、昔フランス領だったこともあってフランスとアジアが融合しているもので、その雰囲気に惹かれたんです。だからいろんなこだわりがMIXされたものが好きなのかな。年齢を重ねるごとに好みも変わっていくし、自然とMIXになっているのかも(笑)」
――ご自宅作りで旦那さんと意見が割れたりしないんですか?
「主人はあまりインテリアにこだわりがないので任せてくれるんです。それで、思い立って『床を変えるか!』なんて、ひとりで作業を始めちゃうこともよくありますよ」
――思い立ってすぐに作れる環境なんですね。それにしても、リビングになかなかこんなに大きな棚をDIYする方はいらっしゃらないですよ。
「これは『シェルフをつくろう!はじめてのDIY(レッスンシリーズ)』(パッチワーク通信社)の出版のために作ったんです。でも企画が決まった3日後に妊娠が発覚して、妊娠期間中に作業したんですよね。子どもがいるとあまりDIYができなくなるから、逆にやる気が出ていたかも(笑)」
――そんな時期にこんな大きな家具を作っていたなんてパワフルすぎます(笑)。それではリビングとダイニングの、棚以外のインテリアもご紹介をお願いします!
木の家具や味のある小物で海外のお家のような温もりを演出
「窓は木で窓枠を作り、色を塗ってかわいくDIYしました。作り方はPacomaの記事で紹介していますよ。今はフェイクグリーンを飾って大人シンプルに見せています」
「ダイニングテーブルも手作り。海外の一般家庭にあったテーブルが素敵だなって思い、ワンバイエイト(幅184mm)の板を5枚使って丸く切って再現しました。脚にも曲線の飾りを。曲線があるだけでおしゃれさがアップします」
「テーブルの上のランプは100円ショップの瓶をリメイク。ガラスに糊スプレーを塗ってくもらせています。コードはレザーで巻いて、生活感をなくすようにひと工夫!」
「こっちのランプは工事現場用のものですが、ペンキでシェードをゴールドに塗ってお家使いにしました」
「アンティーク風のウォールフックは、いただきものの窓枠の古材に、ネットで見つけたフックを取り付けただけ」
「入口のドアには同じ大きさのベニヤ板を貼り、モールディングで枠を作りました。海外風のドアのできあがりです」
「スイッチはアメリカのもので、ネットで買いました。これは電気屋さんにつなげてもらっています。壁は取り寄せたブリックタイルを貼っていますが、ホームセンターにも本物のレンガっぽいブリックタイルがあるから、それでも雰囲気が出ると思いますよ」
「このゴミ箱は、主催のワークショップでも人気! ゴミ箱を板で目隠しできるんです。周りは黒板塗料を塗っているので文字も書けますよ。サイドテーブルとしても使えます」
「リビングのお気に入り雑貨も紹介。蚤の市のイベントなどで気に入ったものがあると、特別なごほうびで1つだけ買って帰ることがあるんです。こういう海外の味のあるおもちゃが大好きで、飾って眺めるのが癒し」
家族みんなが暮らしやすい空間に、改良し続けていきたい
――薄いブルーの壁紙もきれい。気持ちのいいリビングですね。
「日当たりいいところが気に入って選んだ家なので、日中はとても家の中が明るいです。壁は奥だけバイカラーになっていますよ。でもこのスペース、すごく変えたい場所でもあるんです」
――えっ、どこを変えたいんですか?
「家族も増えたし大きなダイニングテーブルが欲しくて。いろいろとお店にも見に行くのですが、理想とお値段が合わないから作ろうかなと思ったり。大きな家具を取り入れるとお部屋の印象がガラリと変わるから、変えるのも慎重になりますね。それに、リビングは今まで自分の好みで作っていたから、もっと家族のことを考えて作ろうとも思っています」
――テーブルの大きさ以外にも不満なことが?
「ダイニングテーブルでも子どもは宿題をするのですが、板のつぎ目に鉛筆が引っかかって書きづらいみたいで。照明も私は暗めが落ち着くから好きなんですけど、子どものことを思えば明るいほうがいいのかなとか。ソファもなくしたいけど、子どもたちに反対されていたり。自分の好みだけじゃダメだなって反省しています」
――お子さんの成長とともに、リビングもこれから変わっていきそうですね。でも、ほとんどの家具をDIYされていますが失敗することはないんですか?
「もちろんたくさんありますよ(笑)。設計図を描いて作るんですけど、ミスも多いですし。でも失敗したら組み立て直せばいいし塗り直せばいい。性格が大雑把だからあまり気にしないのかも」
――そうやって心を込めて作る家具には、とびきりの思いが詰まっていきますね。
「そうですね。ひとりで無心で作って、イメージ通りのものが形になって、それを家族が喜んで使ってくれて。最高に楽しいし、ストレス発散になっています! 今後2階のアトリエの道具を自分の工房へ移すので、ひと部屋空くんです。そこを息子の部屋にしようかなと思っていて。その部屋を1から作るのも楽しみ!」
――また、リビングの棚のような大きな家具も手作りするんですか!?
「うーんまだ考えてないのですが、カラーボックスで簡単DIYだけかもしれないし、がんばって作っちゃうかもしれません(笑)」
楽しそうに今後のDIYの構想も語ってくれた末永さん。次回はラスト、子ども部屋編。そのほかにもおまけで洗面台や玄関まわりもお見せする予定です!
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末永京
DIYアドバイザー。
自らの子育て経験を生かした『子供に優しくママに嬉しいDIY』を提案している。現在ホームセンターなどで木工教室やおやこワークショップを開催。
DIYで作る こどもと過ごすおうち時間
撮影:牛島康介