
- 岩本恵美
- フリーランサー(編集・執筆、たまに翻訳)。
東京・下町生まれの下町育ち。Webメディアや新聞記事の編集・執筆を経て、フリーランサーに。経済からエンタメまで、気になったら何でも手を出す雑食系。ここ数年は盆踊りにハマっています。
「子供の教育費のためにいくら貯金すればいいの?」と子育てデビュー前に不安をかかえている人も多いはず。そこで、FPの岡田直子先生に子供に必要な貯金額を教えてもらいました。幼稚園から大学までにいくらずつかかるのか詳しく紹介。
「家計の窓口」相談員。銀行、証券会社、保険会社勤務を経てファイナンシャル・プランナーに。相談業務やグループセミナーを通じ、就学支援金や高額療養費などさまざまな制度を活用して、お金に関する不安を解消する方法をわかりやすく伝えるのが得意。
家計の窓口
文部科学省等の調査(※)によると、子供が幼稚園から大学まで進学した場合にかかる教育費は、一人おおよそ1,000万円といわれています。
ただし、これは全て国公立の学校に通った場合。幼稚園から高校まで私立、私立理系大学に進学した場合は、トータルで約2,600万円にもなります。
総費用の半分~2/3を貯金できれば安心ですが、まずは家計だけで教育費のどこまでをカバーできるのかを把握しましょう。
例えば、高校までの教育費は家計でまかなえそうなら、大学費用分を貯金すればOKです。
幼稚園、小学校、中学校、高校、大学と、それぞれ教育費がいくらかかるのかを見ていきましょう。
※出典:
「平成26年度 子供の学習費調査」
「平成26年度 私立大学入学者に係る初年度学生納付金平均額調査結果」
日本学生支援機構「平成26年度学生生活調査結果 1-1表 1-3表」
国公立と私立で子供にかかる教育費を表にまとめました。以下は平均的な費用を算出したものです。子供のための貯金の参考にしてください。
学費以外にも、食費や被服費、レジャー費といった基本養育費も当然必要です。中学生にもなると、育ち盛りの男の子を抱える家庭ではエンゲル係数が上がる傾向に。また、中学・高校のあたりでスマートフォンを持ち始める子供も多いため、通信費もかさんできます。
子供のための貯金をしっかり貯めるためのツボを教えてもらいました。
学資保険は、親に万一のことがあった場合、その後の保険料の払い込みが免除となり、満期金が保障されます。ただし、元本割れのリスクもあるので、内容をよく確認して選びましょう。
銀行の普通預金と定期預金。ひと昔前なら、金利のいい定期預金の方がお金が貯まりやすいものでしたが、低金利の今は金利の差はほとんどなし。迷った場合は、普通預金の方がお金の出し入れがしやすい分、使い勝手がいいでしょう。
子供一人一人に給付される児童手当に手をつけず、しっかりと積み立てるのが有効です。子供が中学校を卒業するまでに約200万円を貯金でき、大学の学費に充てることができます。
一般的に、幼稚園や保育園は私立、小学校・中学校の義務教育は公立という家庭がほとんど。その場合、子供が小学校にあがると学費の負担が軽くなったと感じるはずです。
そこで家計がラクになったと気を緩めるのではなく、幼稚園や保育園に支払っていた金額を払った“つもり”になって、小中学校の学費との差額分を貯めていくのが「つもり貯金」です。
公立の小中学校なら、月々の支払いは給食費や修学旅行の積み立てなどの1万円程度。例えば、月3万円かかる私立幼稚園に通っていたなら、毎月3万円を払った“つもり”になることで、差額の2万円を貯金にまわすことができます。
この金額は、それまで家計でやり繰りしていた範囲なので、無理なく子供のために貯金することができるはずです。
子供の教育費は莫大な金額だけに、ついつい不安になってしまいますが、きちんと準備をすれば大丈夫。貯金の計画をしっかり立てて、子供が生まれた時からコツコツ貯める工夫をしていきましょう。