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やりくり
岩本恵美

間違いやすい!貯金の目標の決め方【プロ監修】

上手に貯金をしたいなら、まずは目標を立てるのが大事! FPの中垣香代子先生に、適切な目標の立て方を教えてもらいました。しっかり計画を立てて、節約に挑めば、老後のお金の心配も少なくなるはずですよ。

中垣香代子「家計の窓口」相談員。大手損害保険会社に約10年勤めたのち、結婚を機に退職。子供が大学受験で頑張っている姿を見てファイナンシャル・プランナーを目指す。
CFP®、1級FP技能士の資格を取得し、教育費や住宅ローン、両親の老後・退職後の生活のことなど、相談者が抱える不安を安心に変えるお手伝いをしている。

家計の窓口

【年齢別リスト】目標貯金額

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「私の年齢なら、いくらくらいを目標にすればいいの?」と悩んでいる方は、まずこちらの表をチェックしてみて。

平均的な給与の男性をモデルケースに、各ライフイベントや老後に必要な平均額から逆算して算出したものです。
30歳で結婚、32歳で子供が一人生まれ、40歳でマイホームを購入すると仮定しています。
35歳から40歳の間に貯蓄が減っているのは、マイホーム購入の頭金用に貯蓄していた約600万円を消費しているため。
また、45歳から50歳までの間に貯蓄が減っているのは、教育資金用に貯蓄した約860万円を消費しているためです。
住宅購入の時期や金額、お子さんの年齢や人数等によって目標となる金額は変わってきます。

さらに、「緊急予備資金」、「老後資金」、「教育資金」、「住宅購入資金」など貯金の目的別の内訳が次の表です。
住宅購入資金は40歳、教育資金は50歳と、貯まった歳で消化され、それ以降は貯金として計上されない設定です。

【20代】目標の貯金額について
25歳までに少なくとも100万円は貯めたいもの。社会人となって最初に貯金すべきは、緊急予備資金です。病気や失業などの事情で働けなくなってしまう場合に備えて、生活費の6ヶ月分の貯金を20代のうちにキープできるようにしておくと安心です。
結婚したい人は、これとは別に結婚資金の貯金を。挙式プランや親からの援助の有無などでも変わってきますが、一人200万円を目指してみるとよいでしょう。
また、老後資金の貯金も家計に無理のない範囲で始められそうであれば、20代半ばごろから始めるのがおすすめです。老後までの時間がある分、月々の負担を軽くすることができます。投資信託やiDeCo(イデコ)など、長期運用で増やしていくのも手です。

 

【30代】目標の貯金額について
子供が生まれると、教育資金の貯金が必要になってきます。今回のケースでは、子供が自宅通学で私立理系大学に進学する場合に必要な費用として受験費用も含めて860万円を目標額に設定。生まれた時から子供が18歳になるまでに目標額を達成できるように逆算して月々の貯金額を決めていきます。ただし、30代は住宅購入資金や老後資金といった教育資金以外の貯金も必要な年代なので、トータルの貯金額が家計を圧迫しないように調整を。
教育資金は専用の普通預金口座をつくって地道に貯金するのもいいですが、生命保険やジュニアNISA(ニーサ)を組み合わせて貯金を増やしていくのもよいでしょう。

 

【40代】目標の貯金額について
40代になると、貯金の柱は子供の教育資金と老後資金になってきます。マイホーム購入後は、住宅購入資金として貯めていた金額を教育資金と老後資金の貯蓄にまわして。間近に迫った子供の大学入学費用を優先に、老後の生活についても射程圏内に見据えていきましょう。一般に、老後資金には夫婦で合わせて3,000万円が必要といわれています。管理・事務・技術職の退職金の平均が高卒で1,600万円、大卒で1,900万円。退職金を少なく見積もって1,500万円とすると、65歳までに1,500万円貯蓄できていれば安心です。40代のうちに約400万円を目指しましょう。

 

手遅れだと思ってあきらめないで!

ここで紹介した貯金額はあくまでも目安。それぞれのライフプランによって必要なお金は変わってくるので、まずは自分がどんな人生を送りたいかを思い描いてみましょう。そのうえで、いくらお金が必要なのか、目標から逆算していくのが基本です。

 

貯金の目標を達成するためのコツ

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貯金の目標額が決まったら、それに向かうための“考え方”を理解しておきましょう。
お金と上手な付き合い方をすれば、ストレスなく、楽しく貯金ライフが過ごせるはずですよ!

 

コツ1 絶対貯めるという決意が大事

どんな目標にもいえますが、「できたらいいな」ではいつまでたってもできないもの。「お金を貯めたい!」と思ったら、「絶対貯める!」という強い決意をすることが肝心です。ダイエットのように、人に宣言してもいいでしょう。

 

コツ2 毎月の貯金額を決めて着実に目標に向かっていることを意識

将来の大きな目標を掲げるのも大事ですが、毎月の貯金額を設定するとゴールに向かって一歩ずつ前進していることが実感できます。家計簿をつけるようにすると、家計を把握できるだけでなく、貯金額も数字となって見えるのでモチベーションも維持できますよ。

 

コツ3 給料が入ったら、まずは貯金

毎月の貯金額を決めたら、先取り貯金をしましょう。先に貯金をしておけば、しっかりお金を貯めることもできるうえ、残ったお金は使っていいお金と認識できて、お金を使うときも気持ちよく使えますよ。

 

同年代の人がどれくらい貯金をしているのかは気になるところですが、気にしすぎも禁物です。「みんなこれくらいの金額を貯めているから」と、やみくもに目標額を設定して貯金を始めても長続きしないもの。ライフプランは人それぞれです。まわりに振り回されずに、自分の人生設計を組み立てた上で、はっきりした目的意識をもって貯金に取り組んで。きっと貯金が楽しくなるはずですよ。