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家事
Pacoma編集部

ラク掃除!畳のカビを除去&予防するコツから徹底解説

畳に生えてしまったカビを取り除く、掃除方法やカビを防ぐ対策をご紹介します。畳の香りに癒されるのは、日本人の持つDNAのせいでしょうか。清潔な畳で、ゴロンとできる至福の時間を楽しむためにも、畳のカビ掃除をしっかりとしておきたいものです。では、畳のカビを掃除する方法とコツを紹介します。

知っておきたい!畳の歴史や種類

 

様々なものが中国から伝来している日本ですが、畳は日本独自の文化です。畳も、地域や時代に合わせて進化しており、それぞれ個性を持っています。生粋の日本文化である畳の歴史と、現代の畳の種類を紹介しましょう。

 

畳の歴史

テレビドラマなどで良く見る時代劇の1シーンで、家来は板の間、殿様だけが畳が敷かれた上座に座る様子を観たことはありませんか?畳が、そうした権力の象徴だった時代があります。

 

平安時代の畳がまさにそうで、敷き詰めるというよりは、必要な場所にのみ敷くというのが畳でした。

 

鎌倉時代に書院造が建物の様式になったころ、畳は部屋一面に敷き詰められるようになってきたのです。ただし、書院造そのものが、高級建築様式だっため、一般的にはなっていません。

 

部屋一面の敷く畳という作り方は、室町時代になってさらに加速しました。正座という座り方も、この畳の影響で生まれたものらしいです。

 

織田信長を代表とする安土桃山時代になると、茶道に関心を寄せる人が増え、畳は徐々に一般人の間にも広まっていきました。

 

しかし、町民の間に畳が一般的になったのは、江戸時代中期だったといわれています。農村まで畳が普及したのは、明治に入ってからのことでした。

 

畳の材料であるイグサの栽培も、江戸時代に町民にまで畳が使われるようになってから始まっています。それまでは天然のものを使っていましたが、畳の普及に伴い、材料が不足してきたことが考えられます。

 

このころから、畳の掃除の方法も工夫され、長く使い続けられるよう対策され始めました。

 

明治に入ると、畳はどこの家にもあって当たり前という状態にまで浸透しました。カビの防止はもちろんのこと、天日干しや裏表を入れ替えて使ったり、表面だけ張り替えたりといった知恵が普通になってきました。

 

昭和時代、戦後になると、カーペットなどの普及が見られますが、それでも畳の部屋は、住宅の根幹として存在しました。

 

現代では、フローリングの部屋が主流になりました。しかし、いぐさのさっぱりした風合いが好まれたり、防音作用にも優れていることから、平安時代のように、必要な場所に置くだけの畳という形で使われることが多くなったようです。

 

畳の種類

現在流通している畳の種類を紹介します。

 

  • 縁付き畳
  • 縁なし畳
  • 床の間畳
  • 和紙畳
  • フローリング用畳
  • カラー畳

 

それぞれどんな畳なのか、簡単に説明しましょう。

 

縁付き畳

畳縁(たたみべり)のついた、よく目にする一般的な畳です。畳の長辺に、つけられた布のことをいいます。昔は、この柄によって身分が分かれていた時代もありました。また作法として、ここを踏んではいけないといったこともありました。

 

現代では、自由に縁を選ぶことができますから、部屋の雰囲気づくりにも効果的です。

 

縁無し畳

琉球畳のような、畳縁がないものをいいます。実際の琉球畳は、表に沖縄でしかとれない琉球表や琉球ゴザを使っていますが、見た目は縁なし畳といわれるものと同じです。

 

縁の線が無い分、部屋を広く見せることができます。

 

床の間畳

床の間とは、お客様をもてなすための最上の部屋とされていた日本では、畳の敷き方にも、床の間特有の決まりがありました。

 

畳の縁が、床の間に対し、直角にあたってはいけないというものです。ですから、畳職人は、臨機応変に畳のサイズを変えたり、置き方を工夫したりして、この決まりを守ってきました。

 

そのた床の間畳自体にも色々な決まりごとがありますが、サイズなどの調整が効くという点では便利な畳です。

 

和紙畳

イグサの風合いに似せて、和紙を紡いで作ったものが和紙畳です。カラーも豊富で、色褪せも少なく、ダニやカビも寄せ付けにくいなど、現代のテクノロジーが産んだ最先端の畳です。

 

撥水加工がされているので、水がこぼれてもしみ込む心配はありません。耐久性もイグサの畳より優れていますので、今の住宅事情に最適な畳といえるでしょう。

 

フローリング用畳

フローリング用畳とは、まさに、フローリングに置くだけの畳ですが、洋室の模様替えや防音効果に優れている点などがメリットとしてあげられます。

 

底の部分に滑り止め加工がされています。和紙畳や縁無し畳なども、同様の加工がされてフローリング用畳として販売されています。

 

カラー畳

縁無し畳、和紙畳に、様々な着色をしたものをカラー畳といいます。フローリング用畳でもカラー畳を用いることが多く、部屋の雰囲気を壊さないという利点がありますが、逆に思い切ったイメージチェンジなどにもおすすめです。

 

ポップな色あいのものから、シックなものまで、バリエーションが豊富ですから、従来の畳のイメージを大きく変えてくれる田畳です。

 

畳にカビが生える原因

 

カビが生えるのはなんといっても湿気が主な原因です。畳は湿気を吸いやすいという特性がありますから、畳にカビが発生するのは当たり前と考えておく必要があります。

 

原因1 部屋の換気が不十分

畳に限らず、換気が十分に行われていない部屋では、カビの発育に必要な湿気がこもりがちになってしまいます。畳は吸湿性が高いので、和室は通常の部屋よりも換気に気を使う必要があるのです。

 

 畳の上にカーペットを敷いたり、布団を敷きっぱなしにするなどは、通気という点から最も避けたいことです。また畳の部屋で部屋干しをしたり、大型の家具を置いたりするもの避けましょう。

原因2 新品の畳を使用している

天然い草の畳表はもともと、空気の吸放湿を行う性質があり、空気中のホコリを吸収付着・湿気を調節する力を持っています。新しい畳表ほどこの吸収する能力が高いのですが、梅雨の季節など湿度が高い状態が続いている場合は、どんどん湿気を吸収してしまうのです。

 

原因3 カーテンのカビの胞子が畳に飛んでいる

窓に結露ができ、カーテンがその水分を吸収することで、カーテンの下部にカビが発生することがあります。それを放置しておくと、やがてはカビの胞子が畳に飛び、畳のカビの発生原因となってしまいます。

 

畳にに生えたカビを取る掃除に必要な道具とは

 

畳にカビを発見したら、すぐにでも掃除をすることが大切です。家の中に畳の部屋があるならば、カビ掃除用の道具を日頃から準備をしておきたいものです。

 

  • 消毒用エタノール
  • スプレーボトル
  • 小分け容器
  • アルコールが含まれた除菌シート
  • ゴム手袋
  • マスク
  • 床掃除用ドライシート
  • ブラシ

 

掃除の方法は、下記に詳しく解説しますので、準備しておきたい道具の注意点だけ、紹介しましょう。

 

コロナの影響で、消毒用エタノールも手に入りやすくなりました。カビ菌を殺菌するためですから、アルコール濃度は70%以上のものが必要です。

 

局部的なカビであれば、アルコールを含んだ除菌シートでも代用ができます。この場合も、アルコール70%以上のものを使ってください。

 

ブラシはカビ菌を描き出すために使います。歯ブラシで大丈夫ですが、できればブラシのコシが強い新品のものを使いましょう。使い捨て歯ブラシを使う場合は、傷んだ毛先をカットして使うことをおすすめします。

 

フローリング用に販売されているドライシートを使って、カビや埃を取り除きます。ウェットシートの方が効果が高いように思われるかもしれませんが、畳に水分を与えてしまうため、必ずドライシートを使うようにしましょう。

 

酢にもカビ菌を殺菌する力があります。そのまま使うことは避けて、水で10倍ほどに薄めたものを使うようにしてください。

 

畳に生えたカビを取る方法

© PIXTA

畳に発生したカビの種類によって、その掃除の方法が変わります。それぞれの掃除方法を紹介しますので、参考にしてください。 

 

畳に発生した白カビや緑カビをエタノールを使って掃除する方法

カビの中でも白いカビや緑のカビは、比較的取りやすい軽度のカビといえます。

【用意するもの】

  • 消毒用エタノール・・・適量
  • スプレーボトル・・・1本
  • 紙コップ・・・1個
  • 歯ブラシ・・・1本
  • 布(清潔なタオルや雑巾など)・・・1枚
  • マスク・・・1枚
  • ゴム手袋・・・1組

 

【畳に生えたカビの取り方】

  1. 最初に畳のある部屋の窓を開けて、風通しを良くしておきましょう。マスクとゴム手袋を付けたら準備OKです。
  2. 消毒用エタノールを紙コップに分けて、歯ブラシを浸しておきます。新しい消毒用エタノールをスプレーボトルに入れ替えて、カビ部分にスプレーしていきましょう。スプレー後は15分ほど放置してください。
  3. 15分経ったら、消毒用エタノールに浸しておいた歯ブラシを使って、畳の目に沿ってカビを取っていきます。
  4. 取ったカビをすくって、紙コップに入れた消毒用エタノールの中で洗います。紙コップの消毒用エタノールが汚れてきたら、新しい消毒用エタノールに交換してください。
  5. 畳に生えたカビがなくなるまで、34のプロセスを繰り返します。カビが取れたら消毒用エタノールを再度スプレーして、畳の目に沿って雑巾で乾拭きしていきましょう。
  6. 最後に、扇風機などを使ってよく乾燥させればお掃除完了です。

 

 

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畳に発生した重篤な黒カビを掃除する方法

畳に黒カビが発生したら、単純な掃除で取ることは難しいというのが本当のところです。家でできる掃除方法として、試す価値のある方法を紹介します。

 

重曹と酸素系漂白剤を混ぜ、水を加えてペースト状にしたものを用意します。それを、カビに塗布し5分ほど放置してください。

 

5分ほど放置したら、固く絞った雑巾で畳の目に沿って、たたくように拭き取ります。畳をこするように拭き取ってしまうと、畳を傷めてしまうことがあります。

 

さらに乾いた雑巾で空拭きをします。ドライヤーなどをあてて、完全に水分を取り除きましょう。できれば天日干しなどをして乾燥させるのが理想です。

 

重曹は強アルカリのため、畳が変色してしまうことがあります。先に目立たない場所で試してみることをおすすめします。

 

【黒いポツポツを消す方法】

カビ菌は死滅させても、黒カビの跡は残ってしまうことがあります。畳に残った黒いポツポツが気になる時は、紹介した重曹ペーストを綿棒や爪楊枝で、ピンポイントに乗せ漂白してみましょう。

 

この場合も、長時間は危険です。様子をみながら、できるだけ早く拭き取るようにしてください。

 

やってはいけない畳のカビの掃除方法

水拭き

畳のカビを取ろうとするとき、絶対にやってはいけないのが水拭きです。

 

水拭きしたときはキレイにカビが取れたように見えるかもしれませんが、実際にはカビの栄養源である水分を与えてしまっているだけです。カビ以外にも黒ズミを発生させてしまったり、畳を傷めてしまうことになるので、水拭きは絶対におこなわないようにしましょう。

 

掃除機をかける

目に見えるカビを掃除機で吸い取っても、掃除機の排気口から目に見えないカビの菌を撒き散らすだけになってしまいます。

カビを掃除しているように見えて、実はカビの繁殖を手助けしているようなものなので、掃除機の使用は控えるようにしましょう。

 

畳に生えたカビをすぐに掃除できない時の対処法

 

畳の部屋がかび臭いことに気が付いても、直ぐには掃除ができない場合もありますよね。また、カビ菌の根絶は難しいものですから、専門家に任せたいという人もいるでしょう。

 

カビは放置しておくと、アレルギーの発症を招くなどの健康被害も懸念されます。自力で対策することが難しいときは、2つの選択肢があります。

 

  • 町の畳屋さんに相談する
  • お掃除のプロに依頼する

 

近隣の町で暮らし同時に畳店を営んでいるような、町の畳屋さんに相談してみましょう。個人店は地域に根ざしてこそ商売が成り立つ分けですから、多くの畳屋さんが親身に相談にのってくれるはずです。

 

取り替えなければいけないほどカビが酷い畳であれば、防カビ処理が施された畳や、畳の下に敷くと防カビ効果があるシートなどを紹介してくれるかもしれません。

 

カビの度合いによって、的確な対策を施してくれたり、より良い業者を紹介してくれるかもしれません。まずは、相談をしてみましょう。

 

お掃除専門の業者に依頼するという方法もあります。畳屋さんは、経験値に基づく対策を施してくれるかもしれませんが、掃除の専門業者であれば、カビや菌のことを専門知識として熟知し、カビ根絶の方法を知り尽くしているでしょう。

 

もし数社に見積もりが可能であれば、それぞれから見積もりをとって、金額と畳のカビに対する対策などを比較検討することを、おすすめします。

畳に生えるカビを防止する、4つの対策法

畳に生えるカビは、次の4つの方法で防ぐことができます。

 

カビ予防1 畳のお部屋は素足で歩く

© PIXTA

畳の場合、実は素足で歩くだけでも、カビの予防に繋がります。

 

足の脂が自然に畳表をコーティングしていくため、カビが発生しにくくなるのです。他にもい草には、水虫菌に強いという研究結果もあるのだとか。

 

また裸足の足の裏が、畳の状態を感知しやすいという利点があります。畳特有のサラサラ感がなく、べたべたしていると感じたり、じっとりしていると感じたときは、畳が水分をかなり吸収しているという証拠です。

 

早めの除湿対策を行うためにも、畳の部屋で過ごす際には、なるべく裸足で歩くようにしましょう。

 

カビ予防2 畳を上げて風を通してやる

天気の良い日は窓を開けて、畳にまんべんなく風を当てておきたいところですが、畳が多い場合はちょっと大変です。そんなときは畳の片側を上げて、缶などを挟んでおきましょう。あまりスペースを取らずに、畳と床の間に風を通すことができますよ。

 

ただし雨の日の風通しは湿気を吸ってしまって逆効果になるので、注意してくださいね。

 

カビ予防3 お部屋の湿度を低く保つ

© PIXTA

除湿機やエアコンの除湿機能を使って、畳のあるお部屋の湿度を低く保ちましょう。また、そのためにも畳のお部屋での部屋干しはしないようにしましょう。

部屋干しをするとそのぶん畳が湿気を吸収してしまうほか、特に新しい畳ほど空気を吸収する能力が高いため、新品の畳のお部屋での部屋干しは厳禁です。

 

カビ予防4 畳の上にカーペットや絨毯を敷かない

もともと湿気を吸いやすい畳にカーペットでフタをしてしまうことで、畳とカーペットの間が蒸れやすくなり、カビが発生しやすくなってしまいます。

 

また隙間にたまったホコリはカビだけでなくダニの発生原因にもなってしまうので、カーペットや絨毯を畳の上に敷くのは避けたほうが良いでしょう。

 

おわりに

畳にできてしまったカビを掃除する方法や、カビを発生させない対策などを紹介しました。畳は湿度に弱くカビが生えやすいものだということを忘れずに、しっかりと換気や湿度の管理をしたいものです。