- 菅原さくら
- 1987年の早生まれ。ライター、編集、雑誌『走るひと』副編集長など。人となりに焦点を当てたインタビューや対談が得意。雑誌やWebメディア、広告・採用、コピー、パンフレットなどさまざまなものを書きます。
http://www.sugawara-sakura.com/
お酢と出汁でさっぱり食べられる、夏のパーティーレシピ【#cali飯オモテナシvol.2】
ガールズヒップホップユニット・HALCALIとして、2000年代に一世を風靡したYUCALIさん。現在は栄養士の資格を取り、自身の名前を冠したケータリングブランド『#cali飯』を展開しています。そんな『#cali飯』の季節のレシピとテーブルコーディネート術をご紹介。
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YUCALI(ゆかり)/栄養士、ケータリングプランナー
1987年7月18日東京都生まれ。目黒区出身のHALCAとYUCALIの2人組ガールズヒップホップユニットHALCALIのメンバー。小学生のころから都内のダンススクールに通い、「FEMALE RAPPERオーディション」で見事グランプリに輝き、2003年にO.T.Fの全面プロデュースのもと『タンデム』でデビュー。
2013年より、かねてから興味のあった食の分野を学び栄養士の資格を取得。現在ケータリングブランド『#cali飯』の活動を展開中。
@yucali_halcali
熱い日差しは、すっかり夏本番。『#cali飯オモテナシ』第2回のテーマは、涼しいお部屋で食べたい“夏のさっぱりレシピ”です。
メニューは、3種のさっぱり手まり寿司・カラフルトマトのお浸しゼリー寄せ・ホタテとマスカットのカルパッチョ。
「食べ物もテーブルコーディネートも、全部まーるいシルエットでまとめた今回。きびしい暑さで食欲がなくても、さっぱりおいしく食べられるメニューです。
手まり寿司はかわいいだけでなく、乗せる具を変えるだけでバラエティ豊かな味わいに。酢飯に混ぜた牛肉の必須アミノ酸が、エネルギーも充電してくれます。
湯むきしたトマトのお浸しは、あっさりしたお出汁が夏にぴったり。ゼリー寄せにしたことで、きらきら涼しげな見た目になりました。
フルーツと相性がいいホタテは、マスカットと合わせてカルパッチョにしています」(YUCALI)
どんどん箸が進んじゃう、まるくてかわいい夏ごはん
●3種のさっぱり手まり寿司
お米……2合
すし酢……大さじ5
白ごま……適量
牛肉(切り落とし)……200g
☆砂糖……大さじ3
☆酒……大さじ3
☆しょうゆ……大さじ3
☆みりん……大さじ2
☆しょうが……ひとかけ
たくわん……適量(千切りにしておく)
みょうがのピクルス……8枚
紫蘇……8枚(ごま油・醤油を各大さじ1で半日以上漬けておく)
- ごはんを少し硬めに炊き、熱いうちにお好みのすし酢を混ぜ合わせる。
- あら熱が取れるまで切るように混ぜたら、寿司桶に濡らした手ぬぐいをかけて、乾かないように冷ましておく。
- 牛肉を細かく切る。
- ☆をフライパンに入れ、沸騰したら牛肉を加えて、水分がなくなるまで煮詰める。
- 1の酢飯に、冷ました牛肉と白ごまをくわえる。
- ラップの上にみょうが、しそ、たくわんをそれぞれ敷き、そのうえに一口大の5を置く。
- 具とごはんをそのまま包み込み、くるくるとねじるように丸め、手まり寿司の形に整える。
- <POINT>
- 寿司ネタとなる具は、しそのしょうゆ漬け・千切りたくわん・みょうがのピクルス。緑黄赤のカラフルな色合いも、食欲をそそります。
黄色は錦糸卵などでもいいけれど、すっきり食べたいときには今回のようにたくわんがおすすめです。
みょうがのピクルスは、「#cali飯オモテナシ」第1回(七夕レシピ/初鰹のレアカツ×みょうがのピクルス×お星さまパンナコッタ【#cali飯オモテナシ】)でレシピを公開中。
「お寿司をまるめるときは、ラップを使うと手が汚れなくて便利。ごはんを真ん中に置いて、具を乗せて、ねじってまるめれば完成です。
ただし『一口大』は意外と小さいから、想像するよりも一回り小さく作るのがポイント。ごはんは25~30gが目安です。
酢飯の乾燥を防ぐために、寿司桶には半分てぬぐいをかけたまま作業しましょう」(YUCALI)
●カラフルトマトのお浸しゼリー寄せ
トマト(湯むき)……1パック
【出汁】
白だし……大さじ2
水……250cc
薄口しょうゆ……小さじ2/3
みりん……小さじ1
塩……少々
粉ゼラチン……5g
- 出汁の材料を火にかけてひと煮立ちさせ、冷ます。
- トマトに、つまようじで3~4個穴を開ける。
- 沸騰した湯に入れ、10~20秒で取り出し、すぐに氷水につける。
- 2の皮をむき、保存容器に入れ、冷ました出汁をくわえてひと晩寝かす。
- トマトと出汁を分け、トマトはそのまま冷蔵庫へ。出汁は鍋に入れて沸騰直前で火を止め、粉ゼラチンをくわえてよく混ぜる。
- ゼラチンを混ぜた出汁を、タッパーに移し、粗熱をとったら冷蔵庫で1時間以上冷やす。
- トマトを盛りつけ、ゼリー状になった出汁をくずしながらかければ完成。
- <POINT>
- 湯むきしたトマトを冷やすとき、出汁にうまく浸らなければ、またまたラップの出番。落としぶたのように密着させてかけると、味がしみやすくなります。
「せっかくおいしいお浸しの出汁は、捨てるのがもったいないですよね。かためのジュレにすれば、かけて残さず食べられます。
前回(七夕レシピ/初鰹のレアカツ×みょうがのピクルス×お星さまパンナコッタ【#cali飯オモテナシ】)紹介したパンナコッタを作ってくれた人は、きっと粉ゼラチンが余っていると思うので、ふたたび使えるレシピにしてみました」(YUCALI)
●ホタテとマスカットのカルパッチョ
ホタテ(刺身用)……8個
マスカット……8個
塩……少々
粗挽き黒こしょう……少々
バルサミコ酢……大さじ1
ピュアオリーブオイル……適量
エディブルフラワー……適量
- ホタテは水で洗い、キッチンペーパーなどでしっかりと水気を拭き取る。
- フライパンにピュアオリーブオイルを熱し、強火でホタテをさっと焼く。
- 焼き色がついたホタテを、半分の厚さに切る。
- 洗って水気を拭き取ったマスカットも、半分に切る。
- 器にホタテを並べて、塩、粗挽き黒こしょう、バルサミコ酢、ピュアオリーブオイルをかける。最後にマスカットとエディブルフラワーを散らして完成。
- <POINT>
- 「弱火で熱すると中まで火がとおって、ただの焼きホタテに!(笑)レアの食感を楽しむためには、強火でさっと焼き目をつけましょう。
季節によっては、金柑などと合わせるのもおいしいですよ」(YUCALI)
ビタミンイエローとシックなグレーで、大人の夏コーデ
紙ナプキン/「Søstrene Grene(ソストレーネ グレーネ)」
花瓶(左から)/CHAN LUU、益子の陶器市で購入した斉藤ダイスケさんのもの、「KIKOF(キコフ)」、「Søstrene Grene(ソストレーネ グレーネ)」
水差し/「HARIO(ハリオ)」
夏の日差しを思わせるビタミンイエローと、落ち着いたグレーが今回のテーマカラー。中央が茶色ではなく黄色のヒマワリを選べば、さわやかさがぐっと増します。
お料理や器のシルエットに合わせて、まるさがかわいい千日紅もプラスしました。
「お花をたくさん買ったら、いくつかの花瓶に分けて飾るのがおすすめ。テーブルのさみしいところにさっと置けるし、同じお花でも花瓶で印象が変わります」(YUCALI)
いいお皿とリーズナブルなお皿を混ぜるのがYUCALI流
タンバリンプレート(ライトグレー)/「minä perhonen(ミナ ペルホネン)」
ガラスプレート/「iittala(イッタラ)」
温度の低そうな色合いやガラスのプレートでまとめれば、テーブルの上も涼しげに。
「ソストレーネ グレーネのプレートは、なんと1枚500円!
だけど、ミナ ペルホネンやイッタラなどのいいお皿と混ぜて使えば、全然リーズナブルには見えません(笑)」(YUCALI)
「今回のメニューに、難しい手順は一切なし。特にお寿司は、好きな具を乗せたり、みんなで一緒にお寿司をまるめたり、自由に遊んでみてください。
テーブルの上にまるいお料理が並んでいくと、だんだん楽しくなってきちゃうはず。ちなみに、エプロンも青いドットにしてみました♪」(YUCALI)
撮影:石野千尋