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ガーデニング
藤屋翔子

ローズマリーの鉢での育て方【ハーブ・家庭菜園初心者ガイド】

一年を通して葉をつける人気ハーブ・ローズマリー。ベランダや玄関前でもできる、鉢やプランターでの育て方を紹介します。 土の選び方、水やり、剪定などの基本から、「花が咲かない」「枯れた」「根腐れした」などのトラブル解決策まで、初心者に必要な情報ばかり。<人気グリーンショップ「ブリキのジョーロ」オーナー・勝地末子さん監修>

ローズマリーの育て方

ローズマリーの育て方は、実はとても簡単。水やりと置き場所に気をつけて栽培しましょう。

水やり
ローズマリーは、やや乾燥を好むハーブ。
そのため水やりのタイミングは土の表面の様子を観察しておこないましょう。
目安は、土の表面が乾いたら。葉に水がかからないよう、土にやります。
水の与えすぎや葉に水をかけるような水やりは、ローズマリーが苦手な蒸れの原因になるので気をつけて。

 

土の選び方・肥料
ローズマリーはあまり土を選びませんが、湿った環境を好まないので水はけのよい土がいいでしょう。
初めての方は、園芸店でハーブ用の土を選んでください。ハーブが元気に育つよう配合された土で、肥料が含まれているものがほとんど。
ローズマリーは丈夫なハーブなので、肥料入りの土で植えれば、基本的に追加の肥料は必要ありません。

 

置き場所
屋外の日当たりと風通しのよい場所がローズマリーにとってベストの置き場所。
午前中だけ日光が当たる半日陰の環境でも栽培可能です。
室内での栽培も、日当たりと風通しがよい場所ならOK。キッチンの窓際でキッチンハーブとして育てるとすぐに料理に使えて便利です。
また、ローズマリーはもともと地中海沿岸が原産なので、霜が降りるような厳しい寒さは苦手。
東北地方などの寒冷地では、冬場ローズマリーの鉢を室内に移動してあげましょう。

 

剪定
ローズマリーは育つにつれて、脇芽が茂って株の内側が混み合ってきます。
蒸れを予防するための剪定を兼ねて、どんどん収穫しましょう。
カットしたいのは、内側で重なっている茎から。梅雨前には多めにカットして、多湿に備えましょう。
暑い夏の間は株が弱るので、剪定は控えめにします。

 

植え替えの時期
ローズマリーを育てて1〜2年たったら、ひとまわり大きな鉢に植え替えましょう。
鉢の底穴を見て、根が見えるかどうかをチェック。出ていたら鉢の中で根がまわって窮屈になっているサインです。
株が弱っている夏場と冬場を避けて植え替えを行います。

 

挿し木
ローズマリーは、挿し木という方法で簡単に増やせます。
挿し木の適期は、寒さがゆるむ3月。新しめの枝を先端から5cmのところでカットし、下のほうの葉を落として30分ほど水につけてから、挿し木用に用意した清潔な土にさします。
直射日光が当たらない場所で管理し、土の表面が乾いたらそっと水やり。
1ヶ月ほどして芽が伸びはじめたら根が出たサインなので、栽培用の鉢に植え替えましょう。

 

病害虫
ローズマリーは、病害虫の被害が少ない植物。特に害虫の心配はほとんどいりませんが、鉢植えでは生長期の葉につきやすいアブラムシに注意。
見つけたら、指でつぶしたり歯ブラシでこすり落としてそれ以上増えないようにします。
アブラムシは風通しが悪い環境を好むので、置き場所を見直して再発しないようにしてあげましょう。

 

ローズマリー・トラブル解決策


ローズマリーを育てるうえで起こりがちなトラブルや、園芸初心者にありがちな悩みにお答えします。

 

Q.ローズマリーの花が咲かない! どうして!?

© PIXTA

ローズマリーは初夏ごろに淡いブルーの花を咲かせますが、花が咲かない場合は肥料をやってみるといいでしょう。
リン酸とカリが多めの化成肥料がおすすめで、適した時期は秋ごろ。
ローズマリーは品種によって花つきがよいものとそうでないものがあるので、まずは栽培している品種について調べてみるのもおすすめです。

 

Q.ローズマリーが枯れてしまった。原因は何だったの?

丈夫なはずのローズマリーが枯れてしまう原因は、根腐れがほとんど。
ローズマリーは乾燥には強いのですが多湿には弱く、雨や水のやりすぎが原因で根が腐ってしまいます。
根腐れは水やりのタイミングに注意することや雨を避けることで防げますが、すでに枯れてしまった場合は一度鉢から根を出して根腐れを起こした部分を切り落として植え替えましょう。

 

Q.葉が黄色くなったり、黒くなって落葉します。枯れちゃった!?

葉が黄色くなったり落ちてしまうのは、根からの栄養が足りていないサイン。もしかしたら、鉢の中で根がまわりすぎて根詰まりを起こしているのかもしれません。
一度鉢から根を取り出し、ひとまわり大きな鉢に植え替えるといいでしょう。放っておくと枯れる原因になるので早めの対処がおすすめです。

 

ローズマリーの育て方、いかがでしたか? 料理にも役立つハーブだから、上手に育てて収穫を楽しんでみてください。

(写真 森 勇馬)

 

グリーンショップ「ブリキのジョーロ」


今回監修いただいた勝地末子さんのグリーンショップ「ブリキのジョーロ」。
1階では観葉植物や切り花、鉢、ジョーロなどを販売。
テラリウムのための容器や材料などもあるから、ぜひそろえてみては?
階段をあがって2階へあがると、植物といっしょに飾りたくなるヴィンテージ雑貨も。

 

多肉植物コーナーもあり。レアな品種など幅広いラインナップが魅力です。
高低差をつけたディスプレイも参考になります。

グリーンショップ「ブリキのジョーロ」

 

 

勝地末子さんグリーンショップ「ブリキのジョーロ」(東京・自由が丘)オーナー。グリーンスタイリストとして、アレンジ制作やディスプレイ提案、庭のプランニングなどを手がける。著書に『多肉植物、エアプランツ、苔、蘭でつくる はじめてのテラリウム』(エクスナレッジ)など。

ブリキのジョーロ