- 木津 イチロウ
- Gatos Apartment代表・猫コンサルタント。レコード会社でディレクターとして12年間従事したのち、KDDI(株)ヘ転職、LISMO立ち上げに関わる。無類の猫好きが高じて保護した野良猫たちのために家を建てることを決意し、2011年、世界初の猫専用デザイナーズ・アパートメント Gatos Apartmentを東京・杉並区に竣工。
Gatos Aptを通じて知り合ったネコ好きな人々の声を聞くうち、人と猫が快適に過ごす社会を作りたいと、猫専用物件に関するコンサル業務のほか、猫に関するWebサービス、商品を構築/開発中。
意外なアイテムで作る「猫用爪とぎ」【お猫様に奉納DIYグッズ】
猫を愛しすぎて専用アパートまで建ててしまった大家が、我が家のお猫様にもっと喜んでもらうため、今度は猫グッズをDIY! 第1回目は、ホームセンターで意外と安く手に入るあのアイテムで「猫用爪とぎ」を手作りします。
目次
猫大家による、お猫様のための、猫グッズDIY企画
はじめまして! 東京・杉並区にある、デザイナーズ猫専用賃貸「Gatos Apartment」の大家、木津と申します。野良猫チーとその子ウーと出会ってしまったがために、「建物という名の猫のオモチャ」を作ってしまった虚け者でございます。(この辺のストーリーはぜひGatos AptのHPをご参照のほど)
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チー(母)
MIX・8歳。生粋のノラ。目の見えないわが子ウーを連れてきたことがきっかけで飼うことに。人見知りの激しいツンデレ猫。
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ウー(娘)
MIX・5歳。物怖じしない人懐っこさでGatos Aptの広報を担当。おっとりした甘えん坊猫。本企画の主役。
「三度の飯より猫に夢中」の猫大家。生活の中心はもちろんお猫様です。あまりに溺愛しすぎたお猫様たちのために、これまで買い漁った猫グッズは数知れず。
だけど、もっともっと、お猫様が気に入ってくれるようなグッズを手に入れたい!!
……てわけで! 今回から、猫大家による、お猫様のための猫グッズDIY企画、その名もずばり「お猫様に奉納DIY」がスタートします!
とはいうものの、全くのDIY初心者である私。我が家のお猫様たちに喜んでもらえるアイテムを奉納できるよう、死力を尽くしてまいります!!!
「ウチのお父さん、不器用なのよね……。心配にゃ」
第1回目は、人目につきやすいあのアイテムをDIY
猫が爪とぎをするのは、DNAレベルで刷り込まれた習性だそう。そのため、人間の都合で「壁をガリガリしちゃダメ!」などと叱ると、猫はストレスが溜まってしまいます。だけど、家具や壁にできるだけ傷はつけたくないし、こまめに爪を切るのも大変だし……。そんなときに役立つのが「猫用爪とぎ」です。
市販の「爪とぎ」は数あれど、愛猫家としては、やっぱり我が家の猫様だけに、愛情をいっぱい込めた「特別な爪とぎ」を用意してあげたい!!
そこで、記念すべき第1回目は、「こんな爪とぎ欲しかった!」と猫様も思わず唸ってしまう、オシャレな「猫爪とぎ」をDIYしちゃいます!
今回使用した材料はこちら
<材料>
- 三角コーン(高さ45cm)
- 綿ロープ(太さ1.2cm×12m)
- キャンバス布(50cm×1m)
- 毛糸(お好きなもの2種)
<道具>
- 強力接着剤
- はさみ
- 定規
工事現場や道端で見かける、「三角コーン」が本日の主役!! 大きめのホームセンターなら、意外と簡単に手に入ります(今回はなんと525円!)。土台部分に段差があるものとないものがありますが、ないほうがきれいに制作できます。
そして肝心の「研ぐ部分」には、麻縄より若干お値段がするものの、耐久性が高い「綿ロープ」を使用します(麻縄でもOK!)。
それでは早速、制作開始!
布に、三角コーン土台部分の円のサイズを転写する
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この布は三角コーンの土台表面部分を覆う布になります。真っ赤のままでは、お部屋に置いたときに浮いてしまいますからね。ちょっと手間がかかるので、面倒な方はお好きな色のスプレー缶で直接塗ってしまってもいいでしょう。簡単に色を変えることができます。
娘の真帆も興味深々。
コーンを裏返し、そこに布を当てて、円の部分を鉛筆でなぞっていきます(線が書けるものならなんでもOK)。
三角コーンの段差部分の高さを測る
この作業は、段差のあるコーンのみに発生します。段差があると土台の布がヨレる原因になるので、できれば段差がないコーンを選んだほうがいいです。
今回は段差なしのコーンが入手できなかったので、この部分にも布を巻くため、高さを測ります。
先ほど布に描いた円の内側に、段差分の余白を作る
この作業も、段差があるコーンのみに発生します。
先ほど測った段差の高さは4cmでしたが、1cmほど余裕を持たせて、円の内側5cmのところに鉛筆で点を付けます。
点の数は8個もあれば十分。点と点を結んで、円を描きます。もしコンパスをお持ちでしたら、そっちの方が早いしキレイです。
内側の円をハサミで切る
先ほど描いた内側の円を、ハサミで切ります。
くり抜けました! この内側の円から、外側の円に向かって5〜6箇所、縦に切り込みを入れます。
「ん? なぁにそれ? 楽しいヤツ?」
布を三角コーンに通す
線を引いた部分を裏にして、布を三角コーンに通します。
接着剤で布を土台部分に貼る
強力接着剤を使って、布を土台部分に貼ります。まずは段差のところから。
それから土台部分を貼っていきます。
「ワタシ、どちらかって言うと青いシートが気になるのよね。カサカサって言うし」
接着した布の上から接着剤を塗る
コーンの胴体にロープを巻くための準備です。ロープに布を噛み込ませるため、布の上からぐるっと一周、接着剤を塗っていきます。
綿ロープを接着剤の上に巻く
ひたすらグルグルと、隙間がないようにしっかりと巻きます。
接着剤を塗り、ロープを巻き……、のくり返し。
「ホントにオシャレになるの?」
巻き上がり!
上まで巻き上がりました!
のちほど頂点の部分を布で覆うので、一番上のひと巻きだけ接着しないでおきます(ほかの作業している間、洗濯バサミなどで一番上を固定しておくとはがれずに済みます)。
ボンボンを作る
大抵の女子はコレが作れるらしいですね! Pacoma編集部女史も、ウチの嫁も口を揃えて「作れる」とドヤ顔。
ザッと説明すると、手に毛糸を巻き付けていき、巻き上がった真ん中をギュッと縛り、毛糸の輪の部分を切るだけです。
このポンポンを、一番上のロープのひと巻きの間に挟み込みます。
「なんだか眠くなってきちゃった……。出来たら起こしてにゃ」
三角コーンの頂点に貼る布を作り、切った布を三角コーンの頂点に接着
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さて、頂点部分を隠すための布を作ります。
まずは三角コーンの頂点の大きさを測り、そのサイズより1cm大きい円形に切ります。1cmほど内側に向かって切り込みを入れます。
接着剤を塗り、
布を貼ります! 切り込みを入れた部分をコーンに接着し、その上からロープを巻きつけましょう。
三角コーンの台座に布を固定
三角コーンの台座裏側に接着剤を塗り、キャンバス布を折り込みながら貼ります。
完成!!!
やった! できました!! ちょっと布がヨタったのはご愛嬌です、ご愛嬌(笑)。普通は部屋に三角コーンがあったら、「どんなセンスの人なの? パンク??」ってなりますけど、これならオシャレ女子もオシャレお猫様も納得の一品じゃないですか?!
どうですか!? ウーさま!!!
ウーさまに気に入られたくて、
ウーさまのために、丹精込めて、ひらすらせっせと、ここまで作りあげましたよ……!!
…
…
…
「今は爪をとぐ気分じゃないのよねぇ〜。ふわぁ〜〜」
そ、そんな……! ガリガリしない……。
ま、まぁ、ウチの子たちは普段、ダンボール製の爪とぎを使っていて縄製は初めてなので、「コレは何?」と思っているだけのはず。しばらく、ちょっと、様子を見てみましょうかね。
と、強がってみたところで、
「次回は必ずや、お猫様たちに興味を持たれまくって、夢中で遊んでくれるような猫グッズを作るぞ!!」
と、闘志をメラメラ燃やすのでした。
くそう…! 次こそは、お猫様をメロメロにさせてやるーー!!!
「期待してるにゃ、お父さん」