- 佐藤 恵子
- 4匹の犬たちと、里山暮らしを楽しんでいます。趣味は一人旅、温泉、読書、お菓子作り、籠編みなど多岐に渡ります。自分の好奇心をエネルギーに、皆さんのお役に立てる記事をお届けしたいと思います。
愛犬を災害からまもるために準備しておきたい防災グッズ
万が一の場合、ペットとの同行避難は、環境省でも推奨しています。しかし、愛犬との避難の際には、飼い主が全ての責任を持つことが大前提です。そこで、愛犬と避難するときに必要な防災グッズを紹介します。防災グッズだけではなく、日頃からの心構えも解説しますので、参考にしてください。
愛犬と一緒に避難するために準備しておくべき防災グッズとは
愛犬と避難するための防災グッズは、犬の健康状態や、犬の大きさによっても内容や量が違ってきます。ここでは、一般的な内容をお伝えするに留めますが、愛犬に合わせた防災グッズを準備しておきましょう。
- ドッグフード・水・オヤツ
- 避難先で使うケージやクレート・避難するときに使うキャリーバッグ
- トイレシート
- ビニール袋
- 愛犬が常用している薬
- 段ボールや新聞紙・タオルなど
- 愛犬が好きなオモチャ
ドッグフード、水、オヤツ
同行避難が推奨されているとは言っても、犬のための食料や水の準備は無いと思ったほうが良いでしょう。そのため、普段食べているドッグフードや水を、最低でも1週間分は、防災グッズとして準備しておきましょう。
環境の変化で、食欲を無くしてしまう犬もいます。特に、小型犬にそうした傾向が見られることが多いので、食事代わりにもなるようなオヤツの準備もおすすめです。
また、犬は思いのほか水を飲みます。人間用の水を回すことは控えたほうが良いので、やはり犬専用の水を、予め準備した方が良いでしょう。
ケージ、クレート
避難するときや避難先で使うケージやクレートは、大型犬用だと、かなりの重量になります。折り畳み式などの、できるだけ軽いものがおすすめです。
小型犬はキャリーバッグなどに入れて避難することになるかと思います。小型犬の体重と、キャリーバッグの重さを合わせてみて、持ち運びができるかどうか、事前に検討してください。
持ち運びが難しいようであれば、リュックタイプで背負えるものがあります。ホームセンターでも、ペットコーナーで実際の物を見ることができるかと思いますので、一度じっくり覗いてみましょう。
トイレシート、ビニール袋
排泄のために、頻繁に連れ出してあげられるか、そうでないかによって、トイレシートの量も変わってきます。トイレシートのサイズは、いつもより大きめのものを準備しておくと良いでしょう。
回数を多く使えるシートだったり、消臭効果があるトイレシートがあると、頻繁に交換する必要がなく便利です。
排泄物を処理したり、トイレシートの臭いが漏れるのを防ぐために、ビニール袋は必須です。できるだけ、抗菌、消臭効果が高い袋がおすすめです。
愛犬の薬など
愛犬が常用している薬があれば、それも持っていきます。避難用として、余分な薬は貰えませんから、日頃から持ち出す安い場所に保管しておくことをおすすめします。
薬だけではなく、掛かりつけ獣医の診察券なども、準備しておくようにしてください。
段ボール、新聞紙、タオル
段ボールや新聞紙は寒さ対策などに便利です。ゆったり過ごせるよう、周りを囲んであげると、ストレスが軽減されることがあります。
多くの場合、避難所では、犬や猫などのペットと一緒に室内に入ることができません。同行避難をしても、外の仮小屋のような場所で、別々に過ごすことになるかと思います。
穴倉のような場所を作ってあげると、本能的に落ち着く犬が多いため、そうした場所を確保できるような段ボールは、大変便利です。
愛犬のオモチャ
お気に入りのオモチャや毛布などがあれば、可能な範囲で一緒に持っていってあげましょう。それでスキンシップをとってあげたり、お気に入りの臭いがついた毛布やタオルがあったりするだけで、落ち着く可能性があります。
犬は、状況が分からないだけに、過敏に反応し大きなショックを受けているかもしれない可能性があります。できるだけ傍にいてあげられるよう、意識してください。
愛犬と一緒に避難するために準備するのは防災グッズだけではダメ!
同行避難であれ、同伴避難であれ、愛犬と一緒に避難したからといって、個室で一緒に過ごせるわけではありません。
愛犬の健康状態は元より、同じように避難をしてきた人達とのトラブルも、基本的には飼い主さんの責任となります。
まずは、愛犬を守るために、最低限の躾をしておきましょう。「マテ」「コイ」「スワレ」「ノー(ダメ)」「フセ」などは、日常の愛犬との暮らしにも必要な躾です。
各種予防注射やノミ、ダニの駆除。被毛を清潔に保ち、臭いが出ないように注意することなども、普段からしっかり実行しておきたいことです。
マイクロチップを付けるか、または首輪などに飼い主に情報を下げておきましょう。迷子になったときなど、誰かが気づいて連絡をくれる可能性が高くなります。
愛犬の防災グッズを準備したら、それを全て使ってみてください。使い方や組み立て方などを、事前に覚えておくことで、いざという時に慌てなくて済みます。
飼い主の動揺に、ペットの犬はすぐ気づきます。そして、自分のストレスを増大させてしまうのです。飼い主が出来るだけ平常心でいられるよう、前もって確認しておくことは大切なことです。また、犬の防災グッズだけではなく、避難ルーとも確かめておきましょう。
そして、自分たちが避難する場所で、犬の同行避難を受け入れができるのかも、事前確認が必要です。
愛犬と一緒に避難したら注意したいこと
愛犬家にとって、犬は大切な家族です。しかし、そうでない人にとって、犬は脅威かもしれないことを忘れないでください。
犬の毛がアレルゲンになってしまったり、怖くて犬を見るのもイヤという人もいます。避難先でストレスを感じている人と、争いごとが起きてしまうのは、何としても避けたいところです。
同伴避難の場合は、同じスペースに飼い主と愛犬が一緒に避難し、生活することになります。同伴避難は、一緒に避難はしますが、居住スペースは別というものです。
日本では、まだまだ同伴避難がやっとという状況ですが、どちらの場合も、避難をした他の人や犬との摩擦をできるだけ軽減するよう注意しましょう。
こうしたストレスは、飼い主にとっても大変なものです。可能であれば、愛犬を預かってくれる友人知人を頼ったり、親戚にお願いしてみるのも良いかもしれません。
また、一時預かりのボランティアに手をあげてくれる団体や個人がいます。そうした人たちを、有事が起きる前にチェックしておくのもおすすめです。
避難をしたら、自分や愛犬、その周りの人々のストレスを増やさないことが、一番大切なことになります。
おわりに
犬の防災グッズと、避難先での注意点、避難する前に日常的に行うべき訓練などを紹介しました。昔よりは犬を連れて避難しやすくはなりましたが、まだまだ難しいことが沢山あります。せめて愛犬の防災グッズは、飼い主がしっかりと準備しておきましょう。