
- 柴﨑 光一
- 建築・インテリア学科卒の元造園士。植物が大好き過ぎて、大自然のカナダで植物と戯れながら、 観葉植物・庭木・草花を使ったガーデニングの世界を開拓しています。日本での建築とカナダでの造園の経験に加え、趣味のさまざまな植物やコケの収集、植物アート作りを生かして、 みなさんにガーデニングの魅力をお届けします!
近年SDGsに向けて、オフィスグリーンを目指す企業が増えています。植物にはストレスを軽減する作用や癒し効果があり、オフィスでは欠かせない存在に。今回はオフィスだけではなく、室内のインテリアとしてもおすすめのグリーンの選び方や種類をご紹介します。
「オフィスグリーン」という言葉を聞いたことがあるけど、グリーンとは何か、実際にはどんな効果が期待できるのか、疑問に思う方もいると思います。グリーンとはすなわち植物を指しますが、どうして植物を置くのか、その植物がもつ癒し効果など種類を詳しく紹介します。
植物は葉の裏から空気中の汚染物質を吸収し、きれいな酸素を出すため、天然の空気清浄と呼ばれています。スパティフィラムやサンスベリアなど種類によっては有害物質を多く吸収し、清潔な空気に代えてくれるものも。
また、昼間は常に光合成をしているため、温度や湿度の調整を行い、肌の乾燥や、ドライアイの解消効果が期待できます。
植物の葉の緑色は、昔から目にやさしい色といわれていますよね。学校にあった黒板は正にその効果が使われいて、目の疲れを癒してくれます。
また観葉植物を置くことで、視覚的効果によって、心拍数を抑え、精神的なストレスを軽減させる効果がありますよ。
タイピングや執筆、記憶作業など、オフィスや勉強するときは必要な作業ですよね。しかし、集中力は長く持たず、作業の生産性は落ちやすいです。こんなときに、視界にグリーンがあると、目の疲れの癒し、精神的なストレスの軽減により作業効率が上がります。
植物にはさまざまなグリーン効果がありますが、それには「緑視率」といわれる、比率が関係し、とても大事です。視界に入っているグリーン(植物)の割合のことを「緑視率」とよび、オフィスやまちづくりにおいて、たびたび採用されています。
最もグリーン効果のある緑視率は、10〜15%がよいとされていて、植物に対する精神的な拒絶反応がなく、コストパフォーマンスに繋がるようです。
置く観葉植物が少な過ぎても、多過ぎても、期待できる効果は得られないので、インテリアとして配置するときは、ソファーやテレビの横などにワンポイントになるように置くのが大事ですよ!
グリーンの効果がしっかりと得られるように、観葉植物を選ぶときは、葉の数や大きさ、生長の仕方などポイントをみるのがよいです。どんな植物が、オフィスや部屋のインテリアにおすすめなのか紹介します!
つるがよく伸びて生長するポトスやアイビーは観葉植物の定番であり、高い緑視率を得られます。背の高い棚や窓枠、天井からハンギングをして、つるを垂らしてあげることがポイント。
床や平らな面にそのまま直に置くよりも、グリーンの割合が高く、効率よく効果が得られますよ。
葉が小さくて細かく展開すような、フィカス・ベンジャミンやパキラは、葉も薄いため、光が差し込んだときは、木漏れ日のような心地よい空間をつくりやすいです。まるで森の中にいるような、明るい印象があり、リラックス効果も得られるでしょう。
背が高くなる樹木タイプの観葉植物は、窓辺やデスクとデスクの間に置くことで、騒音を吸収しつつ、外からの視界を遮る機能があります。
フィカス・リラータやドラセナ・ユッカ などといった植物は、インテリアとしても見栄えがよく、おしゃれなコーディネートができますよ!
ゴールデン・ポトスは、観葉植物の中でも育て方が簡単で、水やりだけしっかりとすればぐんぐんと生長します。つるがよく伸びるので、棚から垂らしたり、壁に張り付けたりして、コーディネートすると、かわいくておしゃれですよ!
窓からの光が差し込みにくく、日当たりの悪い場所でも生長するザミオクルカス・ザミフォーリア。スタイリッシュでクールな葉や茎には、たくさんの水分が含まれているため、水やりは数ヶ月に1度だけ!観葉植物を育てたことがない初心者の方におすすめです。
サンスベリア・ゼラニカは、多肉植物の仲間で、直射日光に強く、日光が遮断しにくい窓辺に置けるほか、日陰にも強いため、陰になるような場所でも育ちます。水やりや植え替えもほぼする必要がないので、管理が楽です!
葉がカシワの葉に似たフィカス・リラータは、生長すると鉢植えでも樹高が3mほどになり、室内のシンボルツリーになります。葉が手のひらサイズよりも大きいため、外からの気になる視線を遮ってくれるでしょう。
フィカス・ベンジャミンは、葉が細かく分かれ、風が吹くと、そよそよと音が鳴り、心地よい空間をつくります。鉢の中の土が乾いたら水を与えるだけなので、育て方もシンプルです。品種によっては葉が斑入りのものもあり、見ていても心地よいですね。
葉の縁がペンキで塗ったかのような赤さで、鮮やかなグリーンになるアグラオネマ ・レッドゴールド。葉がとても美しく、目をひくような色味なので、視界にあると脳にインスピレーションとなり、創造性にプラスしてくれる植物です。
マランタ・レウコネウラは、薄暗い場所でよく育ち、湿度が高いと元気です。手のひらサイズの葉には、赤や紫、黄色といったユニークな模様が入り、たくさん芽吹きます。こんもりとした姿になるので、ハンギングなどで吊すのがおしゃれですよ!
植物にはリラックスやストレス低減などといったグリーン効果があり、オフィスや室内のインテリアには欠かせないグリーンアメニティです。観葉植物を選ぶときは、葉の形や色、樹形姿などたくさんの魅力や種類を見て、室内を楽しみながらコーディネートしてみてくださいね!