- 佐藤 恵子
- 4匹の犬たちと、里山暮らしを楽しんでいます。趣味は一人旅、温泉、読書、お菓子作り、籠編みなど多岐に渡ります。自分の好奇心をエネルギーに、皆さんのお役に立てる記事をお届けしたいと思います。
知らないと恥かき認定?大人なら知っておきたい日本酒のマナー
日本酒の飲み方にも、マナーがあることを知っていますか?親しい友人や家族との飲み会なら、特にマナーを意識する必要はありません。しかし、社会人の常識として、どこで誰と酒を酌み交わすことになっても良いように、日本酒の飲み方のマナーをしっかり覚えておきましょう。
日本酒の正しい飲み方マナー
日本酒を手酌で楽しむ人もいるでしょうが、今回は2人以上で日本酒を楽しむ「宴」を想定して、日本酒のマナーを紹介します。その場合、お酒を注ぐ人と、受ける人がいるわけですから、それぞれのシチュエーションに合わせた日本酒のマナーを解説します。
日本酒を注ぐ人のマナー
冷酒も熱燗も、それぞれ徳利で用意されることが多いかと思います。そこで、徳利を持って、相手の盃に日本酒を注ぐときのマナーです。
徳利は、真ん中の腹の部分を右手で持ちます。左手は、下から軽く添えましょう。盃には、最初は細く、そして太く、最後は細くなるように注ぐのが美しい注ぎ方です。
最後は、徳利の注ぎ口を気持ち回すか、押し上げるような気持ちで盃から離すと、日本酒をキレイに切ることができます。盃に注ぐ日本酒は、相手がこぼさず口元に持って行きやすい量で、少ないと感じさせない量として、八分目が適当です。
また、注ぎ口がある徳利は、注ぎ口から注ぐと、思わぬところにこぼれてしまうといった失敗が防げます。
以前、注ぎ口を上にして注ぐのが、日本酒のマナーだと話題になった時期がありました。それは、戦国時代の毒殺の方法として、注ぎ口に毒が塗られるということがあったからだそうです。
また、最近では、丸い徳利の一部だけが注ぎ口として作られ、円の形を壊しているので、円(縁)の切れ目とされ、嫌われたのが始まりです。しかし、実際には注ぎ口を上にして日本酒を注ぐといったマナーはありません。
日本酒を受ける人のマナー
日本酒を受けるときは、盃やグラスを手で持って注いでもらいましょう。テーブルに置いたままというのは、失礼にあたります。また、注いでもらった日本酒は、少しだけでも口をつけてから、テーブルの置くのがマナーです。
日本では、日本酒に限らず、注いでもらうときはグラスを持ち、互いに挨拶を交わし、一口飲んでからテーブルに置くということが、普通の事として行わているのをよく見かけます。
日頃からそうしているという人、自然とそうなるという人は、日本酒の受け方のマナーは、心配しなくても大丈夫そうですね。
日本酒のNGマナー6つ
日本酒のマナーに正しいマナーがあるように、やってはいけないマナーもあります。他の人がみて「見苦しい」と思われてしまうような内容もありますから、注意してください。
日本酒のマナーやってはいけないNG6つを紹介します。
- 覗き徳利
- 振り徳利
- 合わせ徳利
- 逆手注ぎ
- 逆さ盃
- 盃やおちょこ、グラスに満タンに注ぐ
1.覗き徳利
覗き徳利とは、徳利に中身が残っていなか、のぞき込んで確認するしぐさです。
2.振り徳利
覗き徳利と同じように、中身を確認しようと、徳利を振って音で確かめようとするのが振り徳利です。どちらも、あまりカッコいいとはいえない動作ではないでしょうか。
3.合わせ徳利
合わせ徳利は、2本以上の徳利に残った酒を、1本の徳利にまとめることをいいます。
4.逆手注ぎ
逆手注ぎは、先ほどの正しいマナーで紹介した日本酒の注ぎ方の逆バージョンです。手のひらや手首の内側を相手に見せるような所作は、NGマナーです。
5.逆さ盃
逆さ盃は、もう飲めませんという意思表示でする人がいますが、これも、マナー違反です。不衛生ですし、テーブルを汚してしまいます。断るのであれば、もう少しスマートな方法を考えたほうが良さそうです。
6.満タンに注ぐ
日本酒の正しいマナーでは、注ぐ量は八分目とお伝えしました。良かれと思って並々と注いだ日本酒が、ズボンを汚してしまったり、テーブルにこぼれてしまったりしては本末転倒です。
日本酒は、今や世界的にの人気が高いブランドになりました。日本人だからこそ、マナーを守って、美しい飲み方をするよう気を付けたいものです。
「もっきり」や「枡酒」のお酒の飲み方マナー
もしかしたら、もっきりって何?という人もいるかもしれません。そこで、もっきりとは何かから解説したいと思います。
もっきりとは
もっきりの語源は、盛り切です。今でこそ瓶で売られている日本酒ですが、昔は徳利や枡を使った量り売りでした。この販売方法を「盛り切」といったのです。
一方で、もっきりは盛りこぼしの意味だともいわれていますが、これは最近のことのようです。
居酒屋などで、枡や皿などの器の上に、あるいは中にグラスをおき、こぼれるほどの日本酒を注ぐスタイルが定着しました。このスタイルを今では、もっきりといっています。これは、店側のサービス精神とパフォーマンスを客に見せるためのイベント的な効果をもたらしました。
もっきりの飲み方マナー
日本酒を、もっきりスタイルで提供されたとき、どういう飲み方をするのがマナーなのでしょうか?実は、飲み方スタイルは自由です。しかし、ここでは、スマートなもっきりの飲み方を紹介します。
まずは、グラスの中の日本酒を先にある程度飲みましょう。この時、グラスをおいたまま口をつけても問題ありません。グラスの日本酒がある程度減ったら、グラスを持ち上げ周りの汚れを拭きます。そのあと、枡や皿に入った日本酒をグラスに入れて飲んでください。
枡酒の飲み方マナー
人生に何度もあることではありませんが、祝い事で枡酒が振舞われることがあります。そんな時は、どんな飲み方をしたら良いのかしらべてみました。
枡酒の飲み方にも、これといったマナーはありません。そこで、飲みやすさという点から、枡酒の飲み方を紹介します。
枡は本来何かを計量するためのもので、日本酒を飲むための器として適しているわけではありません。そのため、日本酒を飲むにしても、決して飲みやすいわけではありません。
四角い枡の角に口をあてて、日本酒を飲んでしまいがちですが、実は平たい部分に口を当てた方が断然飲みやすいのが枡酒です。グイグイと飲むものではありませんので、四角の辺の部分から、少しずつ飲むのが美しいマナーともいえます。
角に塩を乗せて、それを舐めながら枡酒を楽しむというのも、粋な飲み方として知られています。
おわりに
日本酒のマナーを紹介しました。特に難しいものではありませんが、知らないと知っているとでは、大違いのマナーです。米の国、日本だからこそ生まれた日本酒を、美しくスマートに味わえるよう、マナーをチェックしておきましょう。