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暮らしの工夫
佐藤 恵子

今さら人に聞けない!中秋の名月とは?由来や風習を紹介

中秋の名月を愛でる行事は、日本だけではありません。日本の中秋の名月の由来や風習とは?世界は中秋の名月を、どんな風に楽しんでいる?そんな中秋の名月にまつわる色々を紹介します。中秋の名月とは?のウンチクを、一緒に楽しんでみてくださいね。

中秋の名月とは

 

中秋の名月は、必ず満月だと思っていませんか?実は、完全な満月ではないことが、時々あるのです。中秋の名月の意味や由来、十五夜と中秋の名月の違いなどを解説します。

 

中秋の名月とは

中秋の名月とは、月の満ち欠けで作っていた太陰歴で、秋の真ん中に空に登る月を指します。昔の暦では、8月、9月、10月を秋としていて、真ん中の9月の、そのまた真ん中の15日が中秋の名月だったのです。

 

2021年の中秋の名月はいつ?

2021年の中秋の名月は、9月21日です。太陰暦と太陽暦には、1ヶ月から2ヶ月弱の誤差があるため、中秋の名月が9月だったり、10月だったりします。

 

太陰暦では、毎月1日を朔日といいますが、この日は月のない新月の日です。ここから、月が空にある日数は、ほぼ29日なのが、太陰暦と太陽暦の誤差が生じる理由です。

 

中秋の名月の由来

中秋の名月を愛でる習慣は、平安時代に始まったと伝わっています。中国には望月(満月)を楽しむ催しがあり、それを遣唐使が持ち帰ったのが最初とされています。

 

何でも愛でることが大好きだった平安貴族たちが楽しんだそれが、庶民の間にあった秋の収穫祭と合わさって、今の形になったようです。

 

中秋の名月は必ずしも満月ではない理由

中秋の名月は、ほぼ満月に近い形ですが、満月では無いということが起こります。なぜでしょうか?

 

新月から満月になるまでの日数が影響します。月の満ち欠けは、太陽、地球、月の位置に起因します。また、月の軌道が楕円形であることも影響して、新月から満月になるまで13.9日から15.6日と、大きな差があるためです。

 

十五夜と中秋の名月は別物

十五夜の月は、太陰暦で毎月の十五日に観られる月全てを指しますが、中秋の名月は、太陰暦9月の15日の月を指します。

 

中秋の名月を、なんとなく習慣で十五夜と呼んでしまうますが、実は少しだけ間違っているよというウンチクでした。

 

世界の中秋の名月とは

 

女性は月光浴をすると良いという話、聞いたことはありませんか?あのクレオパトラも、入浴後、全身に月の光を浴びて美しさを保っていたという伝説があるとか…

 

そんな月を楽しむ習慣が、世界にもあるのでしょうか?

 

中国の中秋の名月とは

まずは望月の宴の元になった、中国はどうでしょう。中国には中秋節があります。民族大移動で知られる春節の次に大きな祝日です。

 

この日は、家族団らんの日ともいわれていて、月餅を食べたり、月を愛でたりして楽しみます。

 

地方によって少し違いがあるようです。香港は、ファイヤードラゴンダンスなどのイベントが大々的に行われます。また、少数民族には、それぞれの伝統的な催しがあるようです。

 

ベトナムの中秋の名月とは

ベトナムにも、中秋節があります。ベトナム語で、テット・チュン・トゥーといい、日本でいう子供の日のような様相です。

 

元々は月を愛でる日でしたが、現在は、子供が親に買ってもらった獅子舞で友達と遊んだり、鯉の提灯をもって出かけたりする日になっているようです。

 

アメリカの中秋の名月とは

アメリカでは9月の満月をハーベストムーンといいます。元々ネイティブアメリカンの人たちが、毎月の満月に名前を着けていたそうですが、9月の満月もその1つです。

 

9月の満月は明るくて、夜でも収穫作業ができて助かるという意味だそうで、特に満月を楽しむといった風習とは関係ありませんでした。

 

ヨーロッパの中秋の名月とは

ヨーロッパの国々は、満月を愛でる習慣こそないものの、月の持つ力のようなものを身体で感じながら生活しているようです。

 

例えば、「満月の夜は良く眠れない」「満月だったから事故や事件が多かったね」という会話が、日常的に交わされます。

 

ヨーロッパの人々は、満月に対して、ネガティブな印象を持っているように感じませんか?狼男や吸血鬼など、全て満月に関係しています。

 

中秋の名月に欠かせない食べ物とお供え物とは

 

中秋の名月を愛でる行事には、次のようなお供え物をするのが一般的です。

 

  • 月見団子
  • 里芋・サツマイモ
  • ススキ

 

月見団子

もちろん、月に見立てた団子です。米粉を丸めて団子にしたものを、月にお供えするものです。これは、月信仰の一環であり、神道の流れを汲んだものでもあります。

 

この月見団子が、地方によって形も数も違っていることを知っていますか?

 

一番多いのが、丸い団子を15個積み重ねてお供えするものです。15個も作るのは大変だというときは、5個でも良いそうです。ただし、15個も5個も、一番上は1個にするのがポイントです。

 

この団子の数が12個や13個の場合があります。これは、その年に見られる満月の数を表しています。太陰暦では閏月があるため、13個の年があるのです。

 

月見団子が丸い地方や、少し楕円の地方など、形にも違いがあるようですから、一口に月見団子といっても奥が深いことに驚きます。

 

里芋・サツマイモ・旬の野菜

中秋の名月は、別名芋月ともいわれます。丁度芋類の収穫時期にあたるためです。中秋の名月は収穫祭でもあるので、こうした芋類や旬の野菜をお供えします。

 

栗や柿、キノコ、などの実物や、秋に収穫される果物などがおすすめです。また、ブドウなどのツル性の食べ物ををお供えすると、月との関りがより深くなるとされています。

 

ススキ

中秋の名月に付き物のススキは、稲の代用品だったとされる説が有力です。中秋の名月の時期は、まだ稲刈り前の時期にあたります。だからこそ、農家の人たちも手を開けることができて、中秋の名月を楽しむ時間的な余裕があったともいえます。

 

ススキを稲穂に見立てて、米の豊作を祈願したのでしょう。

 

この時期になると、スーパーでススキが売られたりします。それを購入しても良いですし、ススキの代わりに秋の七草のどれか1つを供えるのも良いでしょう。

 

秋の七草とは、ススキ、クズ、キキョウ、ナデシコ、フジバカマ、ハギ、オミナエシです。

 

おわりに

中秋の名月とはというテーマで、色々紹介してきました。やはり中国から伝来した行事でしたが、それに願いや思いを重ねて今にいたります。今年の中秋の名月は、晴れるでしょうか?凛とした月光を浴びながら、月見を楽しみたいものですね。