- 柴﨑 光一
- リゾートガーデンスタイル専属の庭師×Webコンテンツクリエイター。
カナダのトロントで造園士を、その後日本で花屋のバイヤー・鉢物の管理・アドバイザーを経験した後、ヤシの木を主体とするリゾート・ドライガーデンの造園士に。
現在は、リゾートガーデンスタイルの社会福祉施設・DOG CAFEの専属庭師に加え、畑の開拓・管理、SNSも兼務。
植物を専門とするWebコンテンツクリエイター、ガーデニング商品の監修者としても活躍中。
幼いころから生き物やもの作りが大好きで、庭木・草花・観葉植物を使ったガーデニングの世界を開拓しています。
日本とカナダでの造園・庭師の経験に加え、趣味の植物やコケの収集、植物アート作りを生かして、 みなさんに植物や庭の魅力をお届けします!
初心者でもプロのような庭に!ガーデニングデザインのコツを伝授
以前よりも家で仕事や用事を済ますことが多くなった現代、自宅の庭を眺めたり、過ごすことも多くなったのではないでしょうか?室内だけではなく庭も心地よい空間を作りたいはず。今回は素敵な庭づくりのためのガーデニングデザインのコツを伝授します!
ガーデニングデザインのコツはベースを整えること
ガーデニングデザインのコツを押さえる
自宅の庭を少しでも、心が落ち着くような、美しいガーデニングデザインをするには、作業を始める前にちょっとしたコツを押さえると、プロのような美しい庭を作ることができますよ。
職人さんやプロが現場で実践していることを、ガーデニングをしたことがない方でもできることがあります。ぜひ取り組んでもらいたい、おすすめのガーデニングデザインのコツを4つ紹介します。
- 庭の将来性を考えること/時間が経って風合いがある
- ベースをしっかりと作ること/地盤を平らにすることで安定する
- 三角形に構図を作ること/美しいプロポーションになる
- 三角形にモノを構築すること/おしゃれな印象になる
庭造りとはいっても、当然庭全体を造り変えるようなことは、造園業者に依頼することをおすすめします。あくまで庭の一部や小さな範囲をDIYするような作業を今回は紹介します。
庭の将来性を考えることがガーデニングデザインのコツに繋がる
モノは時間の経過とともに、色あせや壊れ、朽ちるなど起きます。特に外部である庭に設置されたモノは、雨風や紫外線によってより劣化しやすいということがわかると思います。
必ず劣化するということを踏まえなが、ガーデニングをデザインするとよいかもしれません。時間が経過にすることで、モノ自体がアンティークさやノスタルジックな風合いを出すので、それすらもデザインの一部として取り入れてみましょう。
劣化してもなお、雰囲気のある姿になるような「素材選び」にも気を配ることで、時間が経った後でも、素敵な庭を保つことができますよ。
例えば木材であれば、電車の線路の基板に使われている「枕木」を使って、施工直後との雰囲気を大きく変えないようにしたり、「レンガ」のようなチュラルガーデンのような雰囲気のある素材を使うと、景観も損なわれずに済みます。
アンティークさノスタルジックな雰囲気があまり好みではないのであれば、初めから耐久性のある自然素材のモノを使うと、丈夫で長い間使用できるでしょう。
施工後の庭が、どのようになっていくのかを考えて作ることがガーデニングデザインのコツになるので、作業に入る前に一度未来図をも作成してみてください。
ガーデニングデザインのコツはベースが作れないと始まらない
庭造りはどんなときでも、基板であるベースをきれいに均して作り上げることから施工は始まります。基盤がしっかりとしていなければ、後々に形崩れや寸法の不一致、デコボコした地盤などと起こりかねません。
庭という作品が歪な形にならないようにするためには、ベース造りをしっかりとすることで、二次災害も起きない、美しい仕上がりに。ガーデニングデザインの重要なポイントであり、仕上げのコツといえるでしょう。
どんな庭でも、ベース作りから始まるガーデニングデザイン。業界用語では基礎工事などといわれ、少し大掛かりな印象を持たれると思いますが、案外簡単に一般の方でもできますよ。
石やブロックタイル、木材などでパティオやステップ、アプローチを作る場合には、ただ土の上に置くだけでは、躓きやすかったり、見栄えが悪くなったりと起きる場合があります。そういった少し大きめな範囲で作る場合は、しっかりとしたベースを造りましょう。
設置する資材の厚みによって変わりますが、土を掘削した後は、砂利を満遍なく敷き詰め、平らになるように上から圧力をかけるタンパーを使って均していきます。重くて真っ平らなものであればタンパーでもなくても大丈夫。隙間ができないように強く押し固めましょう。
その後は砂を敷き詰めて、もう一度タンパーで押しかためていけばベースの完成です。ポイントとしては、人が歩くような場所であれば、”砂利の厚みは3〜5cm””砂の厚みは2cm程度”にすること。
上に乗るモノの重さで厚みは変わるので、用途場所ごとに決められた厚みを設けることです。車が出入りするような場所では7cm以上必要になるので注意してください。
三角形にガーデニングの構図を作ることが美しいデザインのコツ
庭にモニュメントや植木などを設ける場合は、設置するそれぞれの位置を離して、三角形に結べるような3点作りがきれいなプロポーションになります。
具体的に説明すると、庭を上から見たときに、点であるモニュメントや植木、池、ベンチテーブルなどを、複数の三角形になるように庭に配置していきます。点を一直線に並べたり、一箇所にまとめてしまうと、庭は平坦な印象のないデザインになってしまいます。
前後左右ずらすことで、横から見たときにモノの高さが一緒になりません。遠近法により立体感が生まれ、また3点の中心には間も生まれるのでスペースも取られずに済みますよ。
すこしでも立体感のある庭にするには、それぞれを位置を前後左右ずらして配置することがガーデニングデザインのコツ。
三角形にモノを構築することがおしゃれなガーデニングデザインのコツ
前後左右にずらしたモノですが、そのモノを構築するときも、背の高さが一緒にならないように立体三角形に並べるとおしゃれな雰囲気を作れます。
例えば対象となるモノが植物なら、背の高い木を中心にして、背の一番低いモノをグラインドカバーになるような草花、その中間の大きさのモノを低木樹といったような立体の三角形を構築してください。
これは部屋のインテリアでも同じことで、モノを1箇所に並べる際は、1列に並べずに、大中小となるような高さ違いのモノを並べると、躍動感のある美しい印象に。
一つ補足としては、3つ以上であり、なお奇数で固めるとモノは美しく見えます。また植物にとってはどれも陰にならずに光合成ができ、生育もよくなりますよ。
おわりに
ガーデニングのデザインは、造園業者に頼んでしまえば、簡単に楽にできてしまいますが、その分お金も多くかかりますよね。少しでも安く押さえるにはDIYの方がよく、体を動かせ健康にもよくおすすめ。デザインのコツやポイントを押さえることで、自分でもプロのような美しい庭を作れます。重労働作業などもあるので、無理せずに楽しくガーデニングを楽しみましょう。