- 河村ゆかり
- 広島県出身、巳年、乙女座、O型。 1夫2娘1孫ありのフリーランス編集&ライター。
これまで携わった企画は、育児、インテリア、インド、占い、ガーデニング、敬語、コミックエッセイ、クラフト、クリーニング、辞典、図鑑、スノーボード、ダイエット、ペット、マナー、マネー、メンタルトレーニング・・・以下割愛。
嫌いなもの「波風と熱帯夜」。人生の目標は「平々凡々」。
秋から春までツボミと花を楽しめる!シキミアの育て方
寒さで庭やベランダガーデンが色を失いがちな冬。耐寒性に優れ、愛らしいツボミを付けた姿で冬を越し、葉も豊かなグリーンを保つシキミア。寂しい冬の庭にうるおいをもたらしてくれる花木なのです。
日陰に強い! 海外でも人気の花木「シキミア」を育てるコツ
シキミアは冬の花壇に向いているだけでなく、耐陰性があり、日陰の庭(シェードガーデン)にも最適。「日当たりが悪くて植物選びが大変」というガーデナーにもおすすめのシキミアの育て方を解説します。
シキミアって?
現在、流通しているシキミア(ミカン科)は、もともと日本原産の「ミヤマシキミ」がヨーロッパで品種改良された常緑低木。「スキミア」とも呼ばれます。
シキミアは肌寒さが増す晩秋にピンクや白色のツボミが膨らみ、まるでたくさんの小さな実がついたような姿に…。この状態で冬を越し、春になると開花します。つややかな葉は冬の間も緑色を保ち、ツボミとともに観賞価値抜群です。
シキミアは、寒冷地でも地植えのまま越冬できるほどの耐寒性があります。耐寒性とともに特筆すべきなのが、シキミアの耐陰性。軒下や高木の株元、北向きの庭や玄関などでも充分育ちます。
樹高は80㎝程度でコンパクトにおさまり、手入れしやすいのも利点。さらに、成長速度がゆるやかなので、植え付けてから3年くらいは剪定も無用です。花は咲き終わると茎から自然に落花するため、花がらを取り除く手間もいりません。
なお、名前のよく似た「シキミ」と混同されがちですが、シキミはシキミ科の樹木で、まったくの別種です。
シキミアの栽培場所
シキミアの苗は10月ごろから出回りますので、本格的な冬に入る前に植え付けるのがおすすめです。シキミアは、うっそうとした森の中で育つ「ミヤマシキミア」から生まれた植物のため、日陰を好む性質です。
特に夏場、直射日光にさらされるような日向は、日差しと暑さで弱ってしまうため、栽培場所には適しません。移動できる鉢植えにするか、風がよく通る半日陰に地植えしましょう。
また、冬の寒さには強いものの、北風が吹きつけるような場所は避けてください。ツボミや葉にダメージを与えてしまいますので、要注意です。
なお、シキミアを植え付けするときには、根鉢を崩さないのがポイント。ゆっくり成長するシキミアは、根が傷つくとダメージが長引いてしまうのです。
シキミアの水やり&肥料
シキミアは過湿で根腐れを起こしやすいので、過度な水やりには注意して。地植えしたシキミアには、定期的な水やりは不要です。ただし、あまりに雨が降らず乾燥した日が続くときには、水やりをしてください。
鉢植えのシキミアは、表土が乾いた段階で、鉢底穴から水が染み出るくらい、たっぷりと水やりをします。
また、シキミアは多肥が苦手。肥料を与えすぎると花が咲きにくくなるだけでなく、肥料焼けで枯死してしまうこともあります肥料は控えめに、春か秋に規定量の肥料を与えるだけで充分です。
シキミアの育て方のコツ
シキミアを育てるとき、最も注意しなくてはいけないのが「夏越し」です。夏の直射日光と高温で弱ることが多いため、鉢植えのシキミアは日陰に移動させます。地植えのシキミアの場合、暑さ除けに腐葉土やバークチップを用い、株元をマルチングして。
またシキミアは、浅いところに根を張るのが特徴です。そのうえ成長がゆっくりなので、根を大切にするのが栽培のポイント。いったん地植えして根付いたスキミアを移植するのは、できるだけ避けてください。
鉢植えのスキミアが大きく育ち、根詰まりしているようなら植え替えを。植え替えするときには、根鉢をいじって傷めないよう注意しましょう。
シキミアの花が咲かない!
冬の間、愛らしいツボミを楽しめるシキミア。しかし、そのツボミが少なく、その結果、春になっても開花が少ないというケースが…。その原因は、日照不足かもしれません。
シキミアはもともと耐陰性に富み、日陰でも十分育てられる性質ではあります。しかし、あまりに日が差さない場所で栽培すると、花芽が育たなくなるのです。
特に春先から生育する新枝には、ある程度の日照が必要。鉢植えのシキミアならば、春先から梅雨前くらいの間は、少し日の当たる場所に移動させるとよいでしょう。
逆に、冬にツボミの付いたシキミアの鉢植えを、室内に取り入れてしまうと開花してしまうことがあります。これは暖かな室温を春と誤認して、花が咲いてしまう現象。シキミアの花は、1週間ほどで終わってしまいます。
つまり、観賞価値のあるツボミの時期が短くなるうえ、春の開花も望めなくなるのです。冬の間は、戸外でシキミアのツボミを楽しむことをおすすめします。
おわりに
いかがでしたか? シキミアは冬の庭やシェードガーデンの主役になる貴重な花木ですよ!