- 河村ゆかり
- 広島県出身、巳年、乙女座、O型。 1夫2娘1孫ありのフリーランス編集&ライター。
これまで携わった企画は、育児、インテリア、インド、占い、ガーデニング、敬語、コミックエッセイ、クラフト、クリーニング、辞典、図鑑、スノーボード、ダイエット、ペット、マナー、マネー、メンタルトレーニング・・・以下割愛。
嫌いなもの「波風と熱帯夜」。人生の目標は「平々凡々」。
冬枯れした庭で凛と咲く!冬に花期を迎える花木5選
雪や霜にさらされ、寒風吹きすさぶ冬は、植物にとって過酷なシーズンです。冬場に咲く花は限られており、花木となるとさらに少なくなります。寒さに負けず、冬に花を咲かせる花木とその管理方法を紹介します。
冬になると愛らしい花をつける花木をガーデンに!
冬の庭は、「冬枯れ」と呼ばれるほど、色をなくして寂しいもの。そんな季節に花を咲かせる花木は、貴重な冬の彩りです。栽培のコツをマスターして、毎年きちんと花を咲かせるように育てましょう。
ジャノメエリカ
ジャノメエリカ(ツツジ科)は、細い枝にびっしりと小さなツボ状の花をつける花木。花期は1~4月です。
寒さにそれほど強くはありませんが、寒冷地以外ならば庭に地植えが可能。大きく育てれば樹高2mに達し、シンボルツリーにもなります。常緑樹なので、花のない時期にも緑の葉を楽しむことができるのも長所。
ジャノメエリカは南アフリカ原産。夏の高温には耐性がありますが、多湿は厳禁。風通しがよく、湿気がこもらない日向を選んで植えてください。庭に根付いたエリカには、よほど乾燥した日が続かない限り、特別な水やりは不要です。
また、ジャノメエリカは多肥を嫌がる性質のため、やせ地を好みます。肥料の与えすぎに注意。春と秋に置き肥をすれば充分です。
サザンカ
サザンカ(ツバキ科)は、童謡「たきび」の中で歌われているように、木枯らしの吹きすさぶシーズンに花期を迎える、日本原産の花木です。
同時期に咲くツバキとよく混同されますが、ツバキが花丸ごと落花するのに比べ、サザンカは花びらを1枚ずつ散らせるのが特徴です。
サザンカは大きく3グループに分けられ、それぞれ花期が異なります。日本に自生するサザンカに性質が近い「サザンカ系」は10~121月、サザンカとツバキの交雑種とされる「カンツバキ系」は11~3月、サザンカとヤブツバキが自然に交雑して生まれた「ハルサザンカ系」は、12~4月に咲きます。
サザンカはシンボルツリーにはもちろん、小さく仕立てて盆栽に、庭のボーダーでは生垣にと、さまざまな育て方ができる花木です。一年じゅうつややかな緑の葉を付け、マイナス5℃の寒さにも耐えます。
サザンカは日向はもちろん、明るい日陰でも栽培ができます。放っておくと樹高2~5mに育ちますが、刈り込みによってコンパクトにもできるうえ、放任しても樹形がまとまるのもよいところ。
庭植えのサザンカは、根付いてしまえば特別な水やりは不要です。植えてから2年未満の木は、庭土が乾いたらたっぷりと水を与えましょう。また、2月に株の周囲に寒肥をすき込んでおくと枝がよく育ち、たくさんの花付きが期待できます。
イチゴノキ
イチゴノキ(ツツジ科)は、英名も「ストロベリーツリー」と言い、「イチゴ」と深い縁のあるように思えますが、バラ科のイチゴとはまったく無縁な花木です。
11~12月にベル状の小花を付け、翌年の9月下旬から11月にかけてつく実がイチゴに似ていることから名づけられたそう。ちなみに、美味しそうに見えるイチゴノキの実は、食べられますが美味とはいえません。生食はおすすめできませんが、ジャムや果実酒にどうぞ。
イチゴノキは、成木になると樹高2~3mにまで達します。ある程度の耐寒性はあるので、寒冷地以外ならば、庭植えで育てることも可能です。
イチゴノキの植え場所は、日当たりのよいところだけでなく、半日蔭でも大丈夫。冬の乾燥した北風は苦手なので、風の通り道は避けたほうが無難です。
庭植えのイチゴノキの場合、乾く真夏には、朝もしくは夕方に水やりしておくと安心です。土に水が深く浸透するまで、しっかり水をまきましょう。また、果実が落ちる3月に乱れた枝を剪定をしておくと、美しい樹形をキープできます。
ウメ
ウメ(バラ科 )は、日本ならではの花木と誤解しがちですが、実は中国原産。奈良時代には渡来し、栽培がはじまっていたのだとか。香りよく、雪の季節に咲くウメは、『万葉集』にも多く詠まれています。
ウメの花期は1~3月。花を観賞するために品種改良された「花ウメ」と、実の収穫を目的とした「実ウメ」に大別されます。ウメは冬の花木であると同時に、無農薬でも育てやすい優秀な果樹です。
ウメの花も楽しみたい、実も収穫したいと欲張りたい方は、「実ウメ」を選んで。さまざまな品種があり、花の美しさも充分楽しめます。鉢植えで育てても、よく花を咲かせ、充分に実が得られます。
ウメは日当たりを好みますので、植え場所・鉢の置き場所は充分な日照を得られる所を厳選するのが栽培のコツです。ただし、湿気がこもる場所は避けてください。
水やりは、庭植えのウメの場合、よほど夏場に乾燥しなければ不要です。鉢植えは土が乾いたら、鉢底穴から水があふれるくらいにたっぷりと与えます。
肥料は、12月に寒肥を、ウメの花が終わった4月にお礼肥を。肥料を与えすぎると花が咲きにくくなるので、控えめにするとよいでしょう。
ツバキ
ツバキ(ツバキ科)は、冬の木の花の代表格。品種によっても異なり、秋小口から花を咲かせるものもありますが、冬に咲くものがメジャーです。
ツバキの魅力の一つが、たくさんの色とパターンの花。赤だけでなく、白にピンク、黒に見まがう暗褐色、さらに絞り模様など、文字通り多彩です。
ツバキは日陰でよく育つため、日陰の庭「シェードガーデン」のシンボルツリーにピッタリ。ただ、北風は苦手なので、風が通り抜ける場所は避けてください。
ツバキの水やりは、植え付けて2年に見たいない木や鉢植えの場合、土の表面が乾いたタイミングで、たっぷりと与えて。また、花が咲いているときは、水切れに要注意。花びらを広げるためには、水分が不可欠なのです。肥料は、寒肥を2月に施しましょう。
おわりに
冬の庭やベランダガーデンに華やかさをもたらす花木の数々。栽培のぽ委員とを抑えて、毎年冬の「花見」を楽しんでくださいね。