- 津久井 玲子
- 自分が仕事の中で勉強したことを、わかりやすさ、伝わりやすさに気をつけて書いています。読んでくださった方にとっても、読んでよかった、勉強になったと思える記事を目指しています。
カニが美味しい季節到来!おすすめの種類を紹介
寒い季節になると美味しくなるのがカニです。日本にはなんと1,000種類以上のカニがいるといわれています。しかし食用として全国的に出回っているカニは少なく、3種類だけといわれているのです。この冬に食べたいおすすめのカニをご紹介します!
カニの季節到来!種類ごとの特徴は?
冬に美味しくなる食材は多いですが、カニもその1つで不動の人気を誇ります。カニすきやカニしゃぶ、カニ鍋など、その料理も多彩で、この季節を待っていたという方も多いのではないでしょうか?
しかし市場をよく見ると出回っているカニの種類は決まっていて、一般には知られていないカニの中にはその地方ならではの美味しいカニもいるのです。実際全国どこでも出回っているカニというと、ズワイガニやタラバガニ、毛ガニとまさに定番のわずか3種類とも。
本記事ではそんなカニについて、定番の3種類はもちろん、見かけたらぜひ味わってみたいおすすめの種類のカニについても調査してみました。
ズワイガニ
カニそのものの味を味わいたいという人にぴったりの種類のカニが、このズワイガニです。10本の細長い脚をもったカニで、塩ゆでから蒸し、焼きと、どんな調理法ともよくあいます。その味は繊細でありながら強い甘味を持ち、生のまま食べても絶品です。
カニで味が絶品な部分といえばカニ味噌ですが、味わいは濃厚でそのまま食べるだけでなく、ソースのように身にからめても旨味が増します。カニ味噌はカニを丸ごと買う必要がありますが、それだけの価値のある味を楽しめるのは間違いありません。
そんなカニ味噌を諦めても食べやすさを重視して買いたいという人には、ポーション買いがお得です。ポーションとはカニの部位を分けて売る方法の1つで、脚だけの部分を殻をむいた状態で買えます。食べるのに手間もかからず、カニしゃぶなどにもおすすめです。
ズワイガニはブランドの種類も豊富
「越前ガニ」や「松葉ガニ」と呼ばれるカニがあることは、多くの人がご存じでしょう。これらのカニもズワイガニと同じ種類のカニです。ではなぜ同じ種類でありながら呼び名が違うのでしょうか?理由は水揚げされた漁港によって、それぞれブランド名が付けられているからです。
和牛が産地でさまざまなブランドがあるように、ズワイガニも同じ種類のカニでありながらブランドがいくつもあるのです。中でも松葉ガニは山陰地方のブランド名ですが、水揚げ先によってさらに複数のブランドがあります。
ブランドガニにはそれぞれブランド名を表すタグがつけられているので、購入の際にはこのタグを確認して購入するとよいでしょう。特にブランドとしての格が高いのは越前ガニで、福井県越前漁港で水揚げされたズワイガニのうち、厳しい審査を通ったカニのみが認められます。
セイコガニ
ズワイガニにはもう1つ、セイコガニと呼ばれる同じ種類のカニがいます。セイコガニとはズワイガニのメスのことで、未成熟な卵である内子や、産卵直前の成熟した卵である外子が楽しめるだけでなく、味噌の入りもよいことから小ぶりながらも人気が高いです。
ただし資源保護の観点から漁期が11~12月のわずか2か月間のため、楽しめる期間は非常に限られています。まさに期間限定の貴重なカニです。
美味しいズワイガニの見分け方は?
ズワイガニは脱皮してから時間がたっている方が、身のつまりがよい美味しいカニとされています。ではどうしたら見分けられるのでしょうか?ズワイガニの甲羅には、時々黒くて丸いものがついています。それこそがよいズワイガニの証なのです。
丸いものの正体は「カニビル」という種類のヒルの卵で、カニの甲羅に卵を産み付ける習性があります。ヒルは岩場の代わりにカニの甲羅に産卵しているだけなので、カニや人には害がありません。美味しいカニの見分け方として覚えておくとよいでしょう。
タラバガニ
名前にはカニと付いていますが、生物学的にはヤドカリの仲間です。そのためカニの足は10本ですが、タラバガニには8本しかありません。生息域は広いものの、国産の漁獲量は年々減っているのが現状です。そのため90%以上がロシア産を輸入しています。
身がしっかりとつまるのは冬の11~3月で、甘味が増すのは旬でもある春先の4~5月です。ボリュームを求めるなら冬に、旬の味を満喫したい時には春先に購入するとよいでしょう。あっさりとしていながら上品な味わいをしていて、カニ鍋にピッタリのカニです。
注意したいのはカニ味噌は基本的に食べられません。味は油っぽくて美味しくないといいます。売られているものも通常は味噌が抜かれているので、カニ味噌好きな人には物足らないかもしれません。
毛ガニ
東北地方以北の海水温が低い地域に広い生息域をもつ種類のカニで、名前のままに全身にびっしりと細かい毛が生えています。ズワイガニやタラバガニと比べて小ぶりですが、1年を通して水揚げされていることから認知度は高く、広く流通しているのが特徴です。
小ぶりな見た目でもわかるように、可食部に当たる身の量は、さして多いわけではありません。しかし強い甘味が感じられるだけでなく、繊細で上品な味わいが特徴です。
さらにカニ味噌の味も絶品で、ほかの種類のカニよりも濃厚でコクがあるとされています。甲羅の大きさと味噌の量は比例せず、小さい毛ガニでも味噌のつまりがよいカニです。カニ味噌が目当てという人は、あえて小ぶりのカニを選ぶのがお得に買うコツといえます。
こんな種類のカニもおすすめ
一般に広く出回ることはありませんが、その地方の定番といえるカニがいることは、決して珍しくありません。そんなカニの中からいくつかご紹介しましょう。
花咲ガニ
タラバガニに近い種類の生物で、ヤドカリの仲間です。タラバガニをやや小さくした感じですが、甲羅のトゲは長さと鋭さがあり、同じようにトゲだらけの脚は、短いものの太さがあります。
タラバガニの生息域が広いのに対して、この種類では最も限られた地域にしか生息していません。そのため納沙布岬(のさっぷみさき)周辺でしか獲れない希少種で、北海道以外ではなかなかお目にかかれないカニです。
旬はほかのカニと違って夏で、濃厚な味わいをした食べ応えのある身をしています。メスの持つ外子と内子も美味しいカニです。ただし、カニ味噌はその独特のクセのある風味から、人によって好き嫌いが分かれるといいます。殻からも濃厚なダシが出るので、鉄砲汁が人気です。
ワタリガニ
地方によっては「ガザミ」として親しまれている種類のカニで、日本近海に広く分布しています。ワタリガニは海外ではカニといったらこれというほど定番のカニで、中華料理やスパゲッティの具など、見かけたことがあるという人は多いことでしょう。
秋から冬にかけて旬を迎え、日本では特に沿岸沿いの地方で、古くから味噌汁などの具材にされてきました。身は強い甘味と上品な味わいをしていますが、それ以上に濃厚で強い旨味のカニ味噌や、メスならではの味である内子は、味を知ったらやめられないほど絶品といいます。
おわりに
カニにはいろいろな種類がありますが、それぞれに特徴のある美味しい食材です。値段は漁獲量やブランド、大きさなどによっても異なりますが、旬にはぜひ楽しみたい味であることは間違いありません。これからの寒い季節、カニを囲んで家族団らんのひと時を楽しんでみませんか?