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ガーデニング
河村ゆかり

グランドカバーにおすすめの植物7選~植えて後悔する前に知っておきたいポイント

自宅の庭にグランドカバーとして植物を植えたけど、実際に植えたら、予想以上に広がりすぎてしまい、植えなければよかったと後悔することも。 グランドカバーを植える前には、その特徴と対処法を知っておくことが大切です。 本記事では、グランドカバーとは何か、植えて後悔しがちなグランドカバーにはどういうものがあるのか、ご紹介します。 また、グランドカバーを植える際に注意したいことをあわせて解説するので、ぜひ参考にしてください。

グランドカバーとは

グランドカバーとは、地面に広がって庭のスペースを埋めてくれる植物のこと。

土を覆うようにひろがっていくため、庭の見栄えがよくなるのはもちろん、風で土埃が舞うのを防いでくれる効果が期待できます。

また、グランドカバーを植えることによって泥はねを防ぐことができるため、野菜の葉に泥がついて病害虫が発生するリスクを減らすことも可能。

花を咲かせるものや冬でも鮮やかな彩を保つものなどさまざまな種類があり、庭の趣を変えたい、というときにも役立ちます。

このように紹介すると、植えることでメリットが大きいと感じるグランドカバーですが、生長が早く、繁殖力が強いために植えてから後悔する種類も。

繁殖力が強すぎて他の植物に悪影響を与える場合もあるので、「どの種類を植えるのか」「お手入れがきちんとできるか」を植える前に考えるようにしましょう。

地植えして後悔しがちなグランドカバー7選

前述した通り、グランドカバーの中には繁殖力が強すぎて、地植えした後に後悔する種類も少なくありません。

 

ここでは、地植えして後悔しがちなグランドカバーを7種、紹介します。

 

育てる際のポイントについてもあわせて解説するので、ぜひ参考にしてください。

 

グレコマ

グレコマ(シソ科)は、別名「垣通し(カキドオシ)」。お隣との境界の垣根を通り越して、ぐんぐん伸びていくことから名づけられたのだとか。この名の通り、茎を長くのばして地をはって、どんどん勢力範囲を広げます。

白い縁取りの愛らしい葉で、グランドカバー植物としてよく紹介されていますが、グレコマの成長に任せていると、「そこまで伸びなくてもいいのに!」という場所まで広がるのは必至です。

鉢植えにしても、鉢からあふれて地面に到達した茎が、やはり広がってしまいます。植える際には、土のないベランダで鉢植えにしたり、小まめに伸びた茎を取り除くようにするといいでしょう

 

ワイヤープランツ

ハンギングに、寄せ植えに、と人気のワイヤープランツ(タデ科 )。針金のような細い茎と、小さな丸い葉が繊細な印象ですが、あっというまに広がる植物の1つです

日向はもちろん日陰でもよく育ち、長い茎は5mになることも! 広範囲に増えるだけでなく、こんもりと立体的にも茂るので、お好みのボリュームに育った段階で、どんどん茎をカットしましょう。

地植えする場合、広がってから根を完全に抜くの大変なので、よくよく考えて。小まめなカットを怠ると、一面ワイヤープランツのガーデン、なんてことにもなりかねません。地植えするときには、手入れが不可欠と覚悟してください。

 

ミント

ミント(シソ科 )といえば、ハーブの代表格。ひと口にミントといっても「ペパーミント」「アップルミント」「スペアミント」など多種にわたりますが、いずれも地植えする前に知っておきたいのが、地下茎でどこまででも広がる性質があるということ

ミントでいっぱいのガーデンにしたい! どこまでも広がるミント畑を作りたい!…という希望がないなら、ミントを直接地植えするのは考え物です。

なにしろミントは、摘んだ枝を水にさしておくだけでも発根するほど生命力旺盛。空き缶など、ミントの地下茎が突き破らない固い容器に苗を植えて、その容器ごと地面に植えたり、割り切って、鉢植えのみで楽しむのもおすすめです。

ただし、前年のこぼれ種があちこちで発芽し、気が付けばあちこちミントだらけになることもあります。生やしたくない場所でミントの新芽を見つけたら、すぐ抜き去ってください。

 

ハツユキカズラ

濃いグリーンの葉に混じって、ピンクの新芽や白い葉が美しいハツユキカズラ(キョウチクトウ科)。しかし、地植えしたことを後悔するガーデナーが多い植物のひとつでもあります。

常緑なうえ旺盛な生育力を買われて、グランドカバーに利用されることが多いハツユキカズラは、地面を這うだけでなく、つるをのばして上にも伸びます。

耐暑性が強く、そして、耐寒性もそこそこあり、日陰でも元気いっぱい成長するハツユキカズラ

「ここまでで結構!」という所まで育ったら、どんどん剪定するのが、はびこらせないコツです。

 

ラズベリー

ラズベリー(バラ科)は、「可愛い白い小花が咲いた後には、小さな赤い実収穫でき、初心者でも十分育てられますよ!」という紹介文を読んで、「ぜひわが家の庭に!」と庭の片隅に植えてみたら地下茎をどんどん伸ばし、「なぜこんな場所に?」と驚くような場所に発芽して困惑すること必至の植物です。

しかも、ラズベリーにはトゲがあり引っこ抜くのも一苦労どうしても地植えで育てたいのか、増えることを前提によく検討するといいでしょう。鉢植えにして、トレリスに絡ませるなど、工夫次第でコンパクトに育てることもできますよ。

 

ツルニチニチソウ

斑入りの葉に青花の品種が人気のツルニチニチソウ(キョウチクトウ科)は、日陰でもよく育ち、冬の寒さにも耐えるため、ビギナーにも育てやすい植物の1つです。

公園など公共施設でもよく見かけますが、グラウンドカバーにと地植えにすると、短期間に驚くほど広がります。

ツルニチニチソウを地植えする際は、広がり過ぎた枝どんどん切り戻して、枝数が多くなったら、根元から間引きしましょう。

 鉢植えにしてハンギングしたり、寄せ植えの端に植えるのもおすすめです。

 

スズラン

まだ肌寒い春先に、可憐なベル型の花を咲かせるスズラン(キジカクシ科)。その姿に魅了されて、「ぜひ植えたい!」と願うガーデナーも多いですが、スズランもはびこる植物の1つです。

植えて1~2年はまだよいとしても、数年経過すると、こぼれ種と地下茎で爆発的に増えてしまい、庭のあちこちにスズランの姿が…ということになりかねません

いったん増えてしまうと、地上部を刈り取って除去を試みても、地下茎生きているため完全駆除は困難。なお、スズランは花・茎・葉など全草に毒性があるので、取り扱いには注意が必要です

グランドカバーを庭に植える際は「ルートコントロール」を

地植えすると地中に根を張ったり種が散らばることではびこる特徴をもつ植物は数多くありますが、その特性があっても庭で楽しみたい、という方もいるでしょう。

 

そんな方におすすめなのが、ルートコントロールをすること。

 

ルートコントロールとは、根っこが伸びる範囲を制限する、という方法ですが、ルートコントロールの方法には「樹脂成型品などの専用容器を利用する」「地中に不織布の防根シートで枠を作る」「防草シートを土の上に被せる」などがあります。

 

「樹脂成型品などの専用容器を利用する」方法は、持ち運びができるため、庭の模様替えが簡単です。

 

また、地中に不織布の防根シートで枠を作ったり、防草シートを土の上に被せる、という方法は手間がかかりますが、生える場所を限定することが可能。

 

防草シートには合繊不織製のもの、合繊折込製のもの、そして、天然原料のものなどがありますが、天然原料のものを使用すれば、時間がたつと自然に土に還るため、環境にも配慮することができます。

 

どの方法を選んだ場合でも、地上に芽が出てこない仕組みが作り出せるので、グランドカバーを植える際には試してみる価値がありますよ。

おわりに

つるや茎をのばして・地下茎で広がって・こぼれ種でと、さまざまな方法で繁殖する植物の数々。地植え以外の楽しみ方を検討するのも手ですよ。