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暮らしの工夫
津久井 玲子

夏は蚊の季節!蚊に刺されないための対策は?

夏になるとプーンという嫌な羽音とともに現れる蚊は、刺されればかゆく、運が悪いと伝染病まで移してきます。蚊に刺されないようにするためには、一体どのように対策すればよいのでしょうか?おすすめの対策方法をご紹介します。

病気も媒介する恐ろしい蚊!効果的な対策方法はある?

蚊に刺されるとかゆみに悩まされるだけでなく、ひどいときには病気も移される恐ろしい害虫です。そのため多くの人が蚊に刺されないために、いろいろと対策を考えることでしょう。

 

しかし実際に思い浮かぶ対策となると、蚊取り線香などの薬剤での駆除や、防虫スプレーのような忌避剤が主なものではないでしょうか?蚊に刺されないためには、蚊のことをよく知って発生させない工夫や、薬剤の特徴も知っておく必要があります。

 

蚊がどのような害虫でどのような人が刺されやすいのか、屋内と屋外でどのような対策方法があるのかを、薬剤の特徴とあわせてご紹介します。

 

蚊の生態

日本には実に130種類ほどの蚊がいますが、中でも身近な蚊はアカイエカ・ヒトスジシマカ(通称ヤブカ)・チカイエカです。これらの蚊は全て人の血を吸いますが、吸血行為をするのはメスだけで、オスは血を吸いません。つまりメスへの対策が必要な害虫です。

 

蚊は種類によって活動時間が異なり、アカイエカは夕方~夜、ヒトスジシマカは日中~夕方に主に活動します。活動時間同様に活動期間も異なり、アカイエカは3~11月、ヒトスジシマカは5~11月、チカイエカはほぼ1年中のため、対策もそれぞれの蚊にあったものが必要です。

 

蚊はオスとメスとで成虫になってからの生存日数が異なり、オスは成虫になってわずか数日で一生を終えるのに対し、メスは40日前後生き続けます。メスは吸血行為から3日ほどで産卵し、その後10~15日ほどで成虫になるため、条件がそろえば大繁殖する危険な害虫です。

 

蚊を繁殖させないためには、蚊が産卵できる水場を減らすことで対策できます。どぶ川や用水路の清掃や、バケツや鉢植えの水受けにたまった水の処分、空き缶などわずかな水たまりの元となるごみの清掃などで、蚊の発生を抑えることが可能です。

 

また、庭の雑草を抜き取って蚊の生活圏を奪うことも、蚊の駆除に役立ちます。蚊が嫌う臭いを放つ、ミントやバジル、タイムなどのハーブ類を植えるのもおすすめの対策です。蚊に刺されないためには、蚊が住みにくい環境を作り、幼虫のうちから駆除するようにしましょう。

 

蚊に刺されやすい人ってどんな人?

蚊に刺されやすい人とはどのような人なのでしょうか?いくつか傾向があるのでご紹介します。

 

体が大きい人

蚊は人間のだす二酸化炭素を感じ取ってよってきます。そのため二酸化炭素をより多く輩出する、体の大きい人が狙われやすいです。女性と男性のどちらが蚊に刺されやすいか実験したデータでも、男性の方が刺されやすかったのは二酸化炭素の排出量の差が原因とみられています。

 

汗をよくかく人

蚊は乳酸の臭いにも敏感に反応します。汗に含まれた乳酸は蚊を引きよせる原因の1つです。汗っかきの人や、普段汗をかきやすい環境にいる人は注意しましょう。

 

体温が高い人

蚊は獲物を探すときに温度も基準にしています。そのため体温の高い人は蚊に狙われやすいです。

 

このほかにも蚊は濃い色に寄ってくるため、濃い色の服や日焼けをした人は蚊に刺されやすいという意見もあります。なるべく白やパステルカラーの明るい色の服を選ぶとよいでしょう。

 

蚊に刺されないための対策・屋内編

屋内で蚊に刺されないためには、蚊を入れないようにすることが一番の対策です。網戸を設置したり、空調を利用して窓を開けないという手もあります。また、サッシがぴったりと閉まるように、必要ならば修理もしましょう。蚊はわずかなすき間からでも入ってきます。侵入経路を減らす対策が必要です。

 

蚊は二酸化炭素や熱に反応してよってきます。風通しをよくすることで蚊の認識力を下げることが可能です。また扇風機の風で押し流すことができます。蚊は風速2m以上の風に逆らって飛ぶことができないため、扇風機を効果的に使うとよいでしょう。

 

蚊帳の利用もおすすめの対策です。主に寝室に吊るテント状の蚊よけグッズで、麻や綿、化繊などで細かく織られた繊維で作られています。風通しもよく蚊が中に入ってこられないため、寝るときはもちろん、普段くつろぎたい時に利用してもよいでしょう。

 

もちろん室内にいるときも体を清潔に保つことが大切です。汗をかいたらこまめに拭き取り、特に足首から下はキレイに保つようにしましょう。

 

蚊は人の足の裏に住んでいる常在菌のだす臭いにひかれてよってくるため、足の裏を殺菌することでよってくる蚊の数を減らすことが可能です。廊下やスリッパなど、足の裏が直接触れる場所をキレイに保つことも、蚊がよりつくのを防ぐ効果が期待できます。

 

蚊取り線香や電気蚊取り、エアゾールなどの殺虫剤は、風上に置くなど上手に利用することが大切です。殺虫効果はもちろん、屋内に入ってこようとする蚊を追い払う忌避効果も期待できます。

 

蚊に刺されないための対策・屋外編

屋外に出るときは、できるだけ体全体を覆うように長袖・長ズボンを着用しましょう。靴下も清潔なものを着用し、こまめに足を除菌するとより効果的です。履物もサンダルは避け、露出を抑えて対策します。

 

虫よけを使うのも効果的です。虫よけはタイプによって使い方や効果時間が異なります。蚊が嫌う香りを利用する忌避剤タイプは、体への負担が少ない半面、効果時間が短いです。

 

それに対し、最も一般的な目隠しタイプは効果時間も長く、ディートと呼ばれる成分によって蚊の判断能力を狂わせます。しかし、塗り残しがあると刺されてしまうため、手ですき間なく塗り伸ばすなどの対策が必要です。

 

虫よけで注意したい点は、殺虫タイプの虫よけを直接体にかけてはいけません。衣服にかけるタイプなどを、誤って皮膚にかけてしまうケースが増えているといいます。薬剤は使用上の注意をよく読んで正しく使いましょう。

 

おわりに

蚊はその生態を知り、正しく対処することで被害を減らすことができる害虫です。普段から蚊が繁殖しにくい環境づくりを心掛けるだけでも被害は大きく減らせます。室内にいるときも外出するときも、蚊によりつかれないよう対策して、夏を快適に過ごしてください!