
- 河村ゆかり
- 広島県出身、巳年、乙女座、O型。 1夫2娘1孫ありのフリーランス編集&ライター。
これまで携わった企画は、育児、インテリア、インド、占い、ガーデニング、敬語、コミックエッセイ、クラフト、クリーニング、辞典、図鑑、スノーボード、ダイエット、ペット、マナー、マネー、メンタルトレーニング・・・以下割愛。
嫌いなもの「波風と熱帯夜」。人生の目標は「平々凡々」。
キンギョソウ(金魚草)の育て方を園芸のプロが徹底解説です。上手な種まき方法から、水やり、病害虫対策まで、キンギョソウをきれいに咲かすためのコツが盛りだくさん。キンギョソウを育てる前にぜひチェックしてくださいね!【花の育て方シリーズ】
目次
愛らしい花姿が人気のキンギョソウ(金魚草)。育て方に入る前に、特徴や品種をご紹介します。
キンギョソウ(オオバコ科キンギョソウ属)は、地中海沿岸が原産の多年草。
しかし、日本では多湿の梅雨・夏を越すことが難しいと言われています。
ふっくらと可愛い花姿は、日本で「金魚草」と名づけられましたが、英名は竜の口を連想して「スナップドラゴン」と呼ばれていますよ。
キンギョソウは、花色が豊富にあるのが魅力の一つ。
白、ピンク、黄色、オレンジなど従来の明るいカ色に加え、ダークカラーもあります。
葉の色もグリーンに加え、シルバーやブロンズ、斑入りなどの品種もあるため、カラーリーフとしても活用できます。
姿かたちもさまざまで、寄せ植え向きの草丈20㎝程度の矮性種から、草丈が1mも成長する高性種、横に広がるように育つ這性のものまであります。
咲き方はメジャーな一重咲き、八重咲き、上向きにカップ状に咲くペンステモン咲きなどがあり。
ちなみに、「ヒメキンギョソウ」と呼ばれる「リナリア」は、キンギョソウと同じオオバコ科ですが、キンギョソウ属ではなくウンラン属に分類される別の植物です。
※この記事のカレンダー・育て方は、中間地で育てた場合のものです。
【寒冷地】
種まき 3月中旬~4月中旬
挿し芽 7月
植え付け 5月~6月中旬
肥料 6月下旬~10月
切り戻し 5月
開花 6月下旬~10月
【暖地】
種まき 2月中旬~4月中旬、10~11月
挿し芽 6月、10月
植え付け 5月、11~12月
肥料 3~7月、9~11月
切り戻し 4月下旬~5月
開花 3~7月、9~11月
寒冷地=北海道、東北、新潟県、富山県、石川県、高冷地。
中間地=福井県、関東甲信、東海、近畿、中国、九州北部。
暖地=四国、九州南部、沖縄県
キンギョソウ(金魚草)は、園芸初心者でも育てやすい花。キンギョソウの育て方の基本を解説します。
キンギョソウは日当たりがよく、乾燥気味の場所が大好き。
ロックガーデンや高台、傾斜地、石垣の間など、かなり乾燥する場所でも、日当たりがよければすくすくと生長します。
逆に、日陰やコケが生えるような多湿の環境下では、生育不良となり花も咲きづらくなるので注意。
キンギョソウは種まきで容易に発芽するので、ぜひチャレンジしてみて。適期は、2月中旬~4月中旬と9月~10月中旬です。
キンギョソウの植え付けは、4~5月、10月下旬~11月上旬が適期。
過湿に弱いので、地植えする際は地表から10㎝程度土を高く寄せて植え付ける「高植え」にしてください。
繊細な根を傷つけないように、根鉢を崩さず植えるのもポイントです。
また、高性種のキンギョソウの場合は、植え付けと同時に支柱を立てることもお忘れなく。
キンギョソウは市販の園芸用土か、赤玉土7と腐葉土3をブレンドした土で育てます。
酸性土壌を嫌うため、庭植えの際は苦土石灰を1平米あたり100gほどすき込んでおくと安心。
肥料は元肥のほか、開花期に月一回程度の置き肥、または1週間~10日に1回の液肥を追肥として与えます。
多肥になると、成長が早まり過ぎて徒長しやすくなるので注意して。
キンギョソウは乾燥気味のほうがよく育つため、水やりのし過ぎはNG。
庭植えのキンギョソウは水やり不要ですが、雨が降らない日が続き、葉がしおれるようなら与えて。
鉢植えのキンギョソウは表土が白く乾いたら、鉢底穴からあふれるほどたっぷりと与えます。
なお、上から水をかけてしまうと繊細な花が傷むので、株元に与えるのがコツ。
シーン・トラブル別にキンギョソウ(金魚草)の育て方をご紹介。
園芸初心者だけでなく、上級者も要チェックです。
キンギョソウは過湿が苦手で、梅雨から夏にかけて枯れ込んでしまうことが多々あります。
秋もしっかり花をつけたいなら、梅雨入り前の4月下旬~5月に草丈の1/3くらいまで切り戻すのがポイント。
これで、風通しが格段によくなると同時に、脇芽がたくさん育って、秋の開花が期待できます。
切り戻しの際には、生長がとまらないように、下葉は残しておくのがコツです。
種まきだけでなく、6月もしくは10月に挿し芽をすると増やせます。
【挿し芽の方法】
キンギョソウは3~7月と9~11月に、次々と花をつけます。
しおれた花を放置すると種がついたり、湿気がたまって病気になったりしてしまうため、こまめに花がら摘みをしてください。
また、マイナス5度以下になる地域の場合は、マルチングなど防寒対策が必須。
キンギョソウは、湿気が原因で灰カビ病にかかることがあります。
湿気をため込まないよう、花がら摘みや枯れた枝の間引きなどで通風を確保しましょう。
害虫では、花や葉に取りつくアブラムシに要注意。
キンギョソウの生育期間全般で発生が見られるので、早期に専用薬剤で駆除するか、事前に浸透性殺虫剤を用いて。
キンギョソウ(金魚草)の育て方にまつわる疑問に、遠藤さんがズバッと回答してくれました!
キンギョソウの高性種は1mもの草丈に達するので、植え付け時に支柱を立てて。
また、たくさん発生する枝を野放しにしないのもポイント。
本葉5枚を目安に摘心すれば、脇芽が育ち、枝数が増えて花がたくさんつきます。
いかにも日に焼けそうな印象ですが、葉色が傷む心配はありません。
逆に日当たりが悪い場所で育てると、株全体が生育不良になり、葉色もさえなくなりますよ。
キンギョソウの育て方はいかがでしたか?
正しい育て方をマスターして、きれいな花を咲かせてくださいね。