![](https://pacoma.jp/wp-content/uploads/2018/11/32c8d04468a49be15b4c5d72f36314fe-e1542778502948.jpg)
- 河村ゆかり
- 広島県出身、巳年、乙女座、O型。 1夫2娘1孫ありのフリーランス編集&ライター。
これまで携わった企画は、育児、インテリア、インド、占い、ガーデニング、敬語、コミックエッセイ、クラフト、クリーニング、辞典、図鑑、スノーボード、ダイエット、ペット、マナー、マネー、メンタルトレーニング・・・以下割愛。
嫌いなもの「波風と熱帯夜」。人生の目標は「平々凡々」。
結婚祝い、出産祝い、入学祝いなど、シーンごとに適した内祝いについてマナー講師・古岡さんが徹底解説。のしの選び方や内祝いの相場がわからないと悩んでいる方はぜひチェックしてくださいね!内祝いにありがちな疑問を集めたQ&Aコーナーもあり。
「内祝いとは、そもそも何なのか・・・」という疑問を抱えている方は、ぜひこの章からチェックしてくださいね。
「内祝い」というと「お祝いをいただいた返礼」のように思われがちですが、本来は「身内にお祝い事があったので、皆様へ喜びのお裾分け」することをいいました。
また結婚なら新郎新婦の、出産なら赤ちゃんのお披露目もかねています。
ですから、お祝いをいただく・いただかないに関わらず、お赤飯を配ったり、宴会を催すことが多かったのだとか。
しかし現在は、お祝いをいただいた方へ、返礼的にお贈りする場合がほとんどになりました。
身内の喜びにお祝いをいただいたお気遣いに心から感謝し、「今後とも末永くお付き合いください」という気持ちを込めてお贈りするもので、ただの「お返し」とは異なります。
内祝いで使うのし紙の表書きやメッセージカードに「お返し」と書くのはマナー違反。
「お祝いをいただいたからお返し」と事務的な印象が強くなってしまい、「末永くお付き合いください」という気持ちが伝わりにくくなるためです。
長くよいお付き合いが続くよう願いを込めて、「内祝い」と表現しましょう!
結婚祝い、出産祝い、入学祝い、新築祝い、お見舞い。5つのシーンごとの内祝いマナーをご紹介。正しい内祝いのマナーで、喜びの気持ちを伝えましょう!
新郎新婦の門出を祝ってくださった方へ、お披露目を兼ねてお贈りするのが「結婚祝いの内祝い」です。
披露宴にお招きした方は、引き出物が内祝いに相当するので、原則内祝いは無用です。
ただし、高額のお祝いをいただいた方や、披露宴でいただくお祝いだけでなく別にプレゼントをくださった方には、披露宴出席者であっても内祝いをお贈りするとよいでしょう。
また結婚式や入籍の前に、お祝い金やプレゼントの品をいただいた際には、すぐに電話やメールなどでお礼の言葉をお伝えして、内祝いはその後にお贈りします。
贈るタイミングは、挙式や入籍から1カ月後までを目安に、できれば手渡し、遠方で難しければ郵送を。
お贈りする相手と親しく、喜んでいただけそうなものが分かっているならその品物を選んで。
趣味嗜好がわからない場合は「自分で買うには少し高価なもの」、例えば上質なタオル、有名店のお菓子、カタログギフトなどが喜ばれます。
また親戚やご近所の方への内祝いの品選びは、地方の慣習を熟知し、冠婚葬祭に慣れているご両親や年長者に相談すると間違いないでしょう。
職場の有志一同などグループでいただいた場合には、入浴剤やミニタオル、数個のお菓子セットなどの小分けにできるギフトを内祝いに。
親しい間柄なら新婚旅行のお土産でもOKです。
なお、結婚祝いの内祝いを郵送するときは、親しい方へはメッセージカード、目上の方にはお礼状を同封します。
結婚式や新婚旅行での2ショットの写真を印刷したポストカードも良いですが、感謝の気持ちを手書きで添えるのもお忘れなく。
新しい家族が増えたことを喜んでお祝いをくださった方へ、お礼の気持ちを込めてお贈りするのが「出産祝いの内祝い」です。
「子供を迎えてうれしい気持ちをお裾分け」という意味から、お祝いをいただいていない方に贈るという場合も。
そのため、お祝いをいただいていないけど、出産報告をしたいという方がいる場合は、内祝いを贈っても問題ありません。
赤ちゃんの誕生後、プレゼントやお祝い金をお贈りいただいた際には、届いたことのお知らせも兼ねて、すぐに電話やメールなどでお礼の言葉をお伝えするのがマナー。
その後、赤ちゃん誕生から1~3カ月の間に内祝いを贈ります。
手渡しできればいちばんですが、遠い方などへは郵送でも失礼には当たりません。
出産の内祝いの品は相手の趣味嗜好にあったもの、もしくはタオルやお菓子、カタログギフトなどが無難でしょう。
また両親や年長者に相談して、地方の慣習に即した品物を選んでもらうのも賢い方法です。
グループからいただいたプレゼントに対する内祝いは、ミニタオルや入浴剤など数百円のプチギフトを人数分用意するといいでしょう。
なお、命名札を付けるかどうかは地方によって慣習が違うので、ご両親や年長者、内祝いを買ったショップなどで相談するとよいでしょう。
郵送するときは、親しい方へは感謝の言葉とともに、赤ちゃんの名前や生まれた日などを記したメッセージカード、目上の方にはお礼状を同封します。
赤ちゃんの写真を印刷したポストカードは喜ばれますが、不妊等で悩んでおられる方へは避けた方がいいでしょう。
出産の内祝いに喜ばれるメッセージの例文はこちらの記事を参考にしてみてくださいね。
新入学のお祝いの品に対する内祝いは、いただいた本人は子供のため自分自身で内祝いを用意できないことから、「内祝いはしなくてもよい」といわれてきました。
しかし、「内祝い」が「お返し」「返礼」の意味合いが強くなった現代は、親が内祝いを用意してお贈りすることも増えてきました。
地方の慣習や家族の考え方をベースにして、入学祝いの内祝いをする・しないを判断するとよいでしょう。
内祝いを贈るタイミングは、入学式が終わったあと1カ月以内に手渡しするか、ひと言お礼のメッセージを同封して郵送を。もし入学式以降にいただいた場合も1カ月以内にお渡ししましょう。
ただ、内祝いを贈る・贈らないに関係なく、入学祝いをいただいたら速やかに子供本人からお礼の電話をさせたり、お礼状を書かせるのがマナーです。
そのほか、商品券やギフトカードも失礼には当たらないというのが現代の考え方ですが、礼儀に厳しい年長者に贈ると無礼に思われる場合もあるので気をつけて。
本来の新築祝いの内祝いは、親戚・友人・ご近所への新居のお披露目を兼ねて、お食事やお酒でおもてなしすることでした。
今でもこのお披露目会はよく催され、新居に暮らし始めてから1~2カ月くらいに行います。
もし事前に家電やインテリア品などのプレゼントをいただいた場合は、よく見える場所に飾っておくのがポイント。
現在、多くの新築祝いに対する内祝いは、お披露目会のゲストがお帰りの際に渡す手土産をさすようになりました。
もちろん、お披露目会に出られない遠方の方には、新居に越してから1~2カ月以内に内祝いの品を郵送しても問題ありません。
遠方の方には、新築祝いが届いたときにすぐ電話やメールでお礼をお伝えし、いただいたお祝いの1/3~1/2程度の金額の内祝いを郵送します。お礼状やメッセージカードを同封するのをお忘れなく。
なお、ご両親から十万円以上の高額な新築祝いをもらった場合は、ほかの方からのお祝いと異なり「新生活のための援助金」の意味を含んでいます。
家に招いて心のこもったおもてなしをすると同時に、お祝いの1割程度を目安にし、喜んでいただけそうな内祝いを厳選してお渡しするとGOOD。旅好きのご両親なら旅行券もいいでしょう。
「お見舞いの品」は入院中にいただくことが多く、「お見舞いの品への内祝い」は退院後に「おかげさまでここまで快復いたしました」というご報告を兼ねてお贈りするものです。
かつてはお祝い事として、お見舞いの品をいただいた・いただかないに関係なく、お赤飯や紅白餅を配ったそうですが、現在では「お見舞いの品をいただいた方への返礼」の意味合いが濃くなりました。
お見舞いをいただいたなら、まずそのタイミングでお礼状をお出しするのが大人のマナーですが、本人が書けない場合には家族の代筆でも大丈夫です。
その後、退院から1~2週間、もしくは職場復帰のタイミングで、お見舞いの品への内祝いをお贈りします。
食べてなくなることから「お菓子・飲み物・食用油」、使ってなくなる&病やケガを水に流すことから「入浴剤・せっけん・洗剤」などが定番。
なお、お見舞いの品をもらった方が残念ながら亡くなった場合、遺族が「御見舞御礼」を返す必要はないとされます。
「御見舞御礼」は、あくまでも回復していることをご報告し、お見舞いのお礼の品を贈ること。
御見舞いくださるほど親しい方ならお葬式に参列なさるので、「香典返し」のとき「御見舞御礼」の気持ちも含めてお返しを。
内祝いとして、“よくない意味合い”を持つものは避けましょう。
「関係を断ち切る」刃物、「勉強を促す」筆記用具などは避けたほうが無難です。
またハンカチは「手布」と書き、「手の布切れ」すなわち「手切れ」につながるとして、贈答品にふさわしくないとの考え方もあるので要注意。
緑茶や海苔などもお悔やみ事や法事の返礼品で用いられる印象が強く、あえて内祝いには選ばないことが多いようです。 紅茶やコーヒーは問題ありません。
ただし、いずれの品も相手の方が「欲しい!」とおっしゃるなら問題ありません。
内祝いを贈る相手が礼を重んじる年長者でしたら、商品券やギフトカードなど金額があらわになるものは失礼に当たる場合もあるので避けたほうが無難です。
また、お見舞いの品への内祝いは、寝付くことをイメージするシーツなどの寝具や、入院生活をほうふつとさせるパジャマなどがNGですよ。
内祝いの「?」に古岡先生が答えてくれました!
ごく親しい間柄の本音で語り合える方に「内祝いは無用」と言われたなら、きちんとお礼の気持ちをお伝えした上で、お言葉に甘えて内祝いは贈らなくても大丈夫。
しかし、謙遜の気持ちから「内祝いはいりませんよ」とおっしゃっる方もいます。
少しでも「謙遜かも?」と思える場合には、内祝いをお返ししたほうが無難です。
とはいえ、一般的なお祝いの1/3~1/2の価格の内祝いでは、「いらないと言ったのに・・・」と思われるかもしれないので、千円程度のコーヒーや紅茶、お菓子、ハンカチなどのプチギフトを「ほんの気持ちですが・・・」と言って、お渡しするのがGood。
また、ていねいな手書きのお礼状をお送りすると、内祝いの品を贈るのと同等か、それ以上の「心からのお礼」の気持ちが伝わりますよ。
5万円いただいた場合、半返しするとなると2万5千円・・・とても高価な内祝いになり、先方が恐縮してしまいそうですね。
ならば、3分の1程度ということで1万5千円程度のお品物を手渡しして改めてお礼を申し上げるか、1~1万5千円程度の新婚旅行のお土産をもってごあいさつに伺うなど、「内祝いを送って終わり」ではない対応がおすすめ。
ただし、地域の慣習もあるので、どのような形がもっともよいか、ご両親に相談してみると安心です。
内祝いは、いただいたお祝いの1/3~1/2が相場と広く知られているので、その金額の商品券やギフトカードは失礼に当たらないというのが、昨今の考え方です。
しかしマナーに厳しい年長者には「価格があからさまにわかるものを内祝いにするなんて!」と心外に思う方もいるので、お品物のほうが無難とされます。
また現金は「贈ったお金の一部がそのまま返ってきた」となってしまい、マナー違反に。
「相手のお好みのものを購入して欲しい」 という意味で内祝いを選ぶなら、商品券、ギフトカード、カタログギフトなどにしましょう。
いかがでしたか? マナーにのっとり、心を込めて内祝いをお贈りすれば、相手の方も喜んでくださるはずですよ。