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暮らしの工夫
岩本恵美

安心!子猫用ミルクの基本|与え方から飲ませ方【獣医師監修】

「何歳の子猫までミルクを飲ませるべき?」「哺乳瓶は必要?」。子猫にミルクを飲ませる時に気をつけたいことを東京猫医療センター院長・服部幸さんに教えてもらいました。子猫にとってミルクは大事な栄養素なので、基礎知識を知っておきましょう。成猫へのミルクの与え方も収録。【獣医師監修】

目次

服部幸(はっとり・ゆき)

東京猫医療センター院長。JSFM(ねこ医学会)CFC理事。北里大獣医学部卒。2005年から猫専門病院長を務め、2012年に東京猫医療センターを開院。2013年には国際猫医学会からアジアで2件目となる「キャット・フレンドリー・クリニック」のゴールドレベルに認定される。著書に『猫を極める本』(インターズー)、『もっと!ネコにウケる』(ワニブックス)、『イラストでわかる ネコ学大図鑑』(宝島社)など。
東京猫医療センター

子猫にとってミルクとは

© PIXTA

子猫になぜミルクが必要か、市販ミルクの選び方まで・・・。まず知っておきたい、猫のミルクにまつわる基礎知識をご紹介。

 

子猫は生後3〜4週間までミルクで育てて!

母猫がいれば母乳がベストですが、母猫がいなかったり、母乳がでなかったりする場合は、生後3〜4週間(体重およそ400g)までは子猫専用のミルクを与えます。

この期間の食事は、母猫の母乳の成分に近い子猫専用ミルクだけでOK。
消化機能が未発達だから、他の食べ物は消化できないので、与えないようにしてください。

 

子猫用ミルクの選び方

「子猫用ミルクの代わりに牛乳でもいいのではないか」と思われがちですが、人間が飲む牛乳は成分が違うため、おすすめできません。

牛の母乳に比べて猫の母乳は高タンパク・高脂肪。
そのため、牛乳だけでは必要な栄養を補うことができず、栄養不足になってしまいます。
また、牛乳には乳糖が多く含まれていますが、乳糖を分解する酵素が少ない猫は消化しきれずに下痢になってしまうことも。
これらの理由から、子猫には母乳か子猫専用ミルクがベストです。

猫用の市販ミルクには液体タイプと粉末タイプがあります。
液体タイプは作る手間が省けますが、一度開封したら使い切らなければなりません。

一方、粉末タイプはお湯に溶かして作る手間がかかるものの、子猫の週齢や体重に合わせて作る量の微調整が可能です。
日持ちもするので、特にこだわりがなければ粉末タイプのミルクがおすすめです。

 

子猫へのミルクの飲ませ方

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ミルクの温度から、1日に与える回数・量、ミルクを飲まない時の対処法まで・・・。
子猫へのミルクの飲ませ方を徹底レクチャーしましょう!

 

子猫にはこまめにミルクを与えて

生後日数1日のミルクの量/1回あたりのミルクの量1日の授乳回数
1〜10日40~80ml/1回5~8ml8~12回
11〜20日60~80ml/1回8~12ml4~8回
21〜30日80~100ml/1回10~20ml4~6回

子猫の週齢や体重、健康状態などによって1日に飲むべきミルクの量は変わってきます。獣医さんと相談して決めるといいでしょう。

目安としては上の表のとおり。生まれたばかりなら2〜3時間おきに、4〜6時間おきに分けてミルクをあげます。

あくまでも目安なので、飲む量が少なくても体重が少しずつでも増えていれば問題ありません。
また、お腹が空いたら子猫は鳴くので、ミルクをあげるタイミングもあまり縛られ過ぎずに柔軟に対応しましょう。

 

ミルクの飲ませ方

ミルクを飲ませる前に排泄をさせると、ミルクの飲みがよいのでおすすめです。

ミルクは、基本的には哺乳瓶で与えます。
人間の赤ちゃんのように仰向けにしてミルクをあげるのではなく、腹ばいにしてあげるのがポイントです。

子猫の吸いつく力が弱かったり、吸いつけなかったりする場合は、スポイトやシリンジで数滴ずつ舌に垂らしてあげましょう。

また、濃いと消化できないこともあるので、生まれたてや保護したてでミルクを与え始めのころはパッケージに規定されている濃度よりも薄めに作り、下痢や便秘の症状がないようなら少しずつ規定の濃度に近づけていくのがおすすめです。
作り置きはせず、授乳の度に新しいミルクを作るようにしてくださいね。

ここでは、市販の粉ミルクの飲ませ方を解説します。
詳しい分量等はミルクのパッケージ裏にある注意書きをチェックしてください。

【用意するもの】

  • 子猫用の粉ミルク
  • 子猫用哺乳瓶
  • 38℃くらいのお湯(猫の母乳に近い温度)
【ミルクの飲ませ方】

  1. 哺乳瓶を煮沸消毒しておく。
  2. 哺乳瓶に規定の分量の粉ミルクと38℃くらいのお湯を入れて、よくシェイクする。
  3. 子猫を腹ばいにして頭を少し上に向けるようにしてミルクを飲ませる。
  4. 子猫が飲み終わったら口の周りをきれいに拭く。
  5. 使い終わった哺乳瓶はきれいに洗う。

 

子猫がミルクを飲まない時の原因と対策

健康状態に問題がなければ空腹でないだけですが、ミルクを飲まない状態が続いた場合は要注意です。

何かしらの病気が潜んでいたり、栄養不足から吸う力が弱くなっている可能性が高いので、すみやかにかかりつけの獣医さんに診てもらい、指示に従いましょう!

 

離乳食〜離乳後の食事について

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ミルクを飲む週齢が過ぎ、だいたい生後1ヵ月になると固形物も食べられるようになります。

ただし、急に食事を切り替えるのは禁物! ここで紹介する食事について注意することをしっかり把握してください。

 

【生後4〜8週間】猫の食事

乳歯が生え始め、体重が400gくらいになってきたら、ミルクから徐々に離乳食に切り替えます。
離乳食は、子猫用のドライフードをミルクでふやかしたものか、市販の子猫用離乳食を使います。

市販の離乳食にも最初のうちはミルクを多めに混ぜて与え、少しずつ離乳食の割合を増やしていくのがポイント。
急に切り替えずに、1〜2週間をかけてゆっくり進めていきましょう。

 

【生後9週間〜】猫の食事

乳歯が生えそろったら、離乳食から子猫用のキャットフードと水に切り替えていきます。

成長期なだけに成猫の約3倍のカロリーを必要とするので、必ず高タンパク・高カロリーの「子猫用」の総合栄養食を選ぶようにしましょう。

離乳食同様、離乳食とキャットフードを混ぜながら、徐々にキャットフードの分量を増やしてください。
子猫用のドライフードが食べにくそうな場合は、一粒ずつ半分に割ってあげるのも手です。

 

成猫へのミルクの飲ませ方

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大人になった成猫にもミルクを与えることはできます。
ここでは、成猫にミルクを与える時の注意点についてご紹介。

 

成猫にとってミルクとは

基本的には、主食に総合栄養食を与えていればミルクは必要ではありません。

とはいえ、水よりも牛乳を好んで飲む猫もいるようで、そういう場合は牛乳よりも猫用ミルクの方がおすすめです。
猫用ミルクは、猫が牛乳を飲んだ際に下痢の原因となる乳糖がカットされており、タウリンなどの猫に必要な栄養素が強化されています。

ただし、ミルクは主食ではなく、あくまでもおやつ。与えすぎには注意して、しっかりとカロリーコントロールする必要があります。

 

成猫にミルクを与える時の注意点

成猫にはおやつとして与えることになるので、他のおやつと合わせて1日の摂取カロリーの10%以内に収まるようにしましょう。

温度は冷たすぎても熱すぎてもダメで、38℃くらいの人肌程度が理想です。

 

猫のミルクQ&A

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猫にミルクを与える時に抱きがちな疑問に対して、服部先生が答えてくれました!

 

Q.ミルクを吐き出してしまいます。対策方法は?

まずは一度にたくさんの量を流し込んでいないか、温度は適温かをチェックしてみましょう。

哺乳瓶の乳首の穴が大きすぎたり、乳首が口の奥深くまで入っていたりする可能性もあります。

それでも吐き出してしまう場合は、動物病院で相談してみてください。

 

Q.下痢をしてしまいます。ミルクに原因があるの?

牛乳でなく猫用ミルクを与えているのであれば、下痢の原因はミルクにありません。何かしらの病気をしている可能性が高いので、獣医さんに診てもらいましょう。その際、便を持参するのがおすすめです。検便で寄生虫の感染の有無がわかります。

 

Q.離乳する頃ですが、水を飲んでくれません・・・

通常、離乳期であれば水やミルクでふやかしたフードや離乳食を与えているはずなので、食事から水分をとれている事が多く、水を飲む事があまりありません。
ただし、完全に離乳した後に水だけでなく、ご飯も食べていないようだったら要注意。その場合はすぐにでも病院へ行きましょう。

また、猫に水を飲んでもらえるような工夫をしてみるのもおすすめです。こまめに水を取り替えて常に新鮮な水が飲めるようにしたり、トイレの近くには置かないようにしたりするのもいいでしょう。
ミネラルウォーター(軟水)や白湯(38℃前後の人肌くらい)、蛇口から流れる水など、さまざまな水を試して愛猫の好みを探るのも一つの手です。

 

いかがでしたか?
ミルクと一口に言ってもその成分はさまざま。ミルクならなんでも大丈夫と思い込まずに、きちんと調べて猫に合ったものを選んでいきましょう。