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暮らしの工夫
岩本恵美

危険!猫に与えてはいけないNG食べ物【獣医監修】

チョコレートやネギなど人間がふだん口にしている食べ物のなかには、猫が食べてはいけないものがたくさん!そこで、獣医師の服部幸さんに「猫に危険な食べ物」を教えてもらいました。あわせて、猫におすすめな食べ物もご紹介します。愛猫のためにぜひ知っておきましょう。

服部幸(はっとり・ゆき)東京猫医療センター院長。JSFM(ねこ医学会)CFC理事。北里大獣医学部卒。2005年から猫専門病院長を務め、2012年に東京猫医療センターを開院。2013年には国際猫医学会からアジアで2件目となる「キャット・フレンドリー・クリニック」のゴールドレベルに認定される。著書に『猫を極める本』(インターズー)、『もっと!ネコにウケる』(ワニブックス)、『イラストでわかる ネコ学大図鑑』(宝島社)など。
東京猫医療センター

【危険】猫に与えてはいけない食べ物

NGな食べ物症状
チョコレート下痢、嘔吐、異常興奮、震え、発熱、痙攣など
ネギ類
(タマネギ、長ネギ、ニンニク、ニラなど)
貧血、呼吸困難、血尿、嘔吐など
アボカド嘔吐、下痢、痙攣、呼吸困難など
アワビの肝光線過敏症による腫れやかゆみなど
生の豚肉嘔吐、下痢、血便、呼吸困難など
カフェイン飲料(緑茶、コーヒー、紅茶)異常興奮、動悸、不整脈、嘔吐など
アルコール下痢、嘔吐、震えなどの急性アルコール中毒の症状
キシリトール入りのガムやタブレット血糖値の低下、嘔吐など
ブドウ・レーズン犬の場合、腎臓病の原因に。
猫への影響は未知数なので避けるべき

人間の食べ物の中には、猫が食べられるものもあります。ただし、食べると中毒症状や中には死に至る危険な食材もたくさんあるので、注意が必要です。

ここでは、猫に絶対与えてはいけない食べ物をリストアップ。その中でも、猫が誤って食べがちな食べ物について服部さんに教えてもらいました。

 

【猫に危険な食べ物1】チョコレート

© PIXTA

カカオに含まれるテオブロミンという成分が中毒症状を引き起こします。
摂取後1〜2時間ほどすると興奮状態となり、下痢や嘔吐、発熱などの症状が見られます。

重度の場合は死に至ることも。カカオ含有量が高いチョコレートほど猫にとっては危険になります。

 

【猫に危険な食べ物2】ネギ類

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長ネギやタマネギ、ニンニク、ニラ、ラッキョウなどのネギ類には、猫の血液中の赤血球を壊してしまう成分(アリルプロピルジスルフィド)があり、摂取すると貧血や呼吸困難、血尿などの症状が出ます。
加熱しても毒性はなくなりません。

 

【猫に危険な食べ物3】アボカド

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猫が食べると、アボカドの果肉に含まれるペルシンという成分によって中毒症状が起きます。
主な症状としては、嘔吐や下痢、呼吸困難など。

中毒症状が出る摂取量や致死量などについてまだ明らかになっていないだけに、配慮が必要な食べ物です。

 

【猫に危険な食べ物4】生の豚肉

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生の豚肉にはトキソプラズマという寄生虫が潜んでいる場合があるので、加熱済みのものが安心。

万が一、感染すると嘔吐や下痢、血便などの症状が見られ、猫の便を介して人にも感染します。妊婦に感染すると胎児にまで影響が及ぶので要注意。

 

【猫に危険な食べ物5】カフェイン飲料

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緑茶やコーヒー、紅茶などのカフェイン飲料を猫が飲むと、それらに多く含まれるカフェインによって中枢神経が刺激され、興奮状態に。
動悸や不整脈、嘔吐、ふらつき、ひきつけなどの症状が出てきます。

飲み物だけでなく、ゼリーやケーキ、アイスクリームなどのお菓子類にもカフェインが含まれていることがあるので、気をつけましょう。

 

もしNGな食べ物を猫が食べてしまったら?

万が一、NGな食べ物を猫が口にしてしまった場合は、通常と同じ食事を与えないようにしてください。

食欲があるのかどうかが心配でいつものご飯をあげてしまう飼い主さんが多いですが、異物を吐かせたり、内視鏡で診察したりするのがかえって難しくなるので、何も食べさせずにすぐに動物病院で診てもらいましょう。

その際、獣医師に「いつ」「何を」「どれくらい」食べたのかを伝えられると治療がスムーズに進みます。

また、猫が誤って食べないように、人間の食べ物は日頃から出しっ放しにせずに、猫の手が届かない場所にしまい、食べ終えたらすぐに片付ける習慣をつけておくことも大事!

 

猫に与えすぎ注意な食べ物

© PIXTA
【与えすぎ注意な食べ物リスト】

  • サバやイワシなどの青魚・マグロ(加熱している方がベター)
  • イカ・タコ
  • レバー
  • ほうれん草やレタスなどの野菜
  • バナナやリンゴなどの果物
  • 牛乳

栄養が高そうなだけに、上記リストの食べ物は飼い主としてはついつい与えてしまいがちですが、あげすぎには注意したいところ。

ひと口、ふた口程度ならばいいものの、人間にとって栄養がある食べ物も、猫にとってはそうではないことが多々あります。
例えば、サバやイワシなどの青魚やマグロは、不飽和脂肪酸が多く含まれ、長い間食べすぎると「黄色脂肪症」という病気に。
しこりや発熱、痛み、皮下脂肪や内臓脂肪の炎症を引き起こします。

また、食物繊維が豊富な野菜はもともと肉食である猫にとっては消化しにくく、糖分が多い果物は栄養や摂取カロリーのバランスを乱しがち。あまり積極的に摂取する必要はありません。

猫の食事の基本は、総合栄養食であるキャットフードと水があれば十分であることを忘れずに。

 

猫の食べ物Q&A

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ここでは、猫の食べ物にまつわる疑問について、獣医・服部さんにこたえてもらいます!

 

Q.猫に与えても良い食べ物はありますか?

猫は肉食動物なので、牛肉、鶏肉、豚肉といった肉類全般はOK。火を通し、味付けをしないのがポイントです。

肉類は食いつきをよくしてくれるので、たまには茹でた鶏肉のささみなどをほぐしていつものキャットフードにかけてあげるといいでしょう。

 

Q.猫の食べ物アレルギーを調べることはできる?

食べ物のアレルギーは、動物病院で検査できます。

血液検査と症状から判断するため、人間のように食べ物ごとに細かい結果を出すことはできませんが、激しいかゆみや嘔吐などの症状があった場合はかかりつけの獣医さんに相談してみてください。

 

Q.猫にドッグフードを与えてもOK?

ドッグフードはあくまでも犬専用であり、犬に必要な栄養素がとれるように作られています。

猫に必要なアミノ酸のひとつ、タウリンが十分に含まれていないので、猫が食べ続けると「拡張型心筋症」という心臓病になる可能性があります。

犬はタウリンを体内で合成できますが、猫はできないため、食事からタウリンを摂取しなければならないのです。

 

意外とたくさんある猫がNGな食べ物。
愛猫に末永く健康で長生きしてもらうためにも、飼い主ならば必ず頭に入れておきましょう。