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暮らしの工夫
Pacoma編集部

【必読】ペットのために気をつけること

動物を飼うということは、命を預かり、地域社会の中で共に暮らしていくということ。かわいがるだけでなく、この記事で紹介する「環境」と「しつけ」「健康」について気をつけることが必須です。これから飼う人だけでなく、すでに飼っている人もぜひ読んでくださいね。

木滑黄平

環境省 自然環境局総務課動物愛護管理室。動物好きで、人と動物や自然との共生を追求するため環境省に入省。獣医師の資格を有し、その知識を生かして動物愛護管理室でさまざまな事業を手がける。

ペットと暮らすこととは?

私たちの心を癒やし、豊かな時間をもたらしてくれる犬や猫などのペット。
しかし、彼らとずっと暮らしていく中で、飼い主はただかわいがるだけでいいのでしょうか。

「動物を飼うということは、その命を預かり、地域社会の中で共に暮らしていくということなんです。そんな人と動物が共生する社会の実現を目的としているのが『動物愛護管理法』です。柱になっているのは動物の“愛護”と“管理”。適正に飼養し、ペットの健康と安全に配慮するとともに、周りの生活環境の保全にも努めること。それは人間社会の中でペットが幸せに暮らすための必須事項であり、飼い主の責務となります」そう語るのは環境省の木滑黄平さん。

すでに飼っている人はもちろん、これからペットを飼おうという人も、守るべきことを意識してペットライフを満喫しましょう。

 

人間社会の中でペットと暮らすために考えること

動物と共に地域社会の中で暮らしていくためには、周囲に迷惑をかけないようにすることが必須。

「動物愛護管理法の中にもありますが、飼い主の責務には、動物が人を傷つけたり財産に損害を与えないようにする〝迷惑防止〟、動物が逃げ出さないようにする〝逸走防止〟、そしてきちんと管理できる数を超えないための〝繁殖制限〟などがあります」(木滑さん)

そのためには、しつけをすることや、ストレスを感じさせない環境づくりが大切。
地域と共生して平和に暮らせることは、飼い主はもちろんペットにとっても安心となるのです。

アンケート出典:ペットフード協会「全国犬猫飼育実態調査」2018年、2017年

 

万が一の時を考慮しておく

犬・猫の寿命が延びている今、安心してペットライフを送るために、さまざまな備えを!

あったらいいと思う飼育サービス1位は世話代行。
ペットシッターやペットホテルなどが増え、利用しやすい状況になっています。

「万が一飼えなくなった場合に備えて、事前に親族や友人、介護施設など譲渡先を自身で探しておいてください」(木滑さん)

 

近所迷惑予防のため「しつけ」「環境づくり」をすべし

犬を飼っていない人がイメージしている飼い主の心得を調査したところ、近隣に迷惑をかけない飼育に関することへの関心の高さがうかがえます。

「苦情のうち、多く寄せられるのは、ふん尿の不始末などによる悪臭の発生のほか、鳴き声による騒音問題があります。対策として、しつけはもちろん、ストレスのない環境づくりを飼い主さんがすることも必要です」(木滑さん)。

 

不妊・去勢手術をする

犬より猫が不妊手術をしているという結果に。

「犬が少ないのは、散歩時にリードをつけているので、繁殖がコントロールできるからでしょうか。でも、望まない命を生み出さず、殺処分を減らすためにも、飼い主さんは適切に不妊・去勢手術をしてほしいですね」(木滑さん)。

また、手術することで病気や発情期の問題行動の予防にもなるそう。

 

健康面で気をつけるべきこと

大切な家族であるペットの命を守るためには、まず日々の健康管理が大切。

ここでは、予防接種などペットの健康面で気をつけることをご紹介します。

 

毎年必ず予防接種をする

犬の年1回の狂犬病予防ワクチンの接種は必須ですが、混合ワクチンなどの接種は義務づけされていません。

「対策をしないと人や蚊が媒介してペットが病気になったり、ペットから人へうつる感染症など思わぬ事態になることもあります。またペットホテルに預ける際には、予防接種が必須となる場合もあるので注意を」(木滑さん)。
 

日頃から健康チェックは欠かさずに

ペット飼育者の基本ですが、意外とできていないことが多いのが日々の健康管理。

「ペットをただかわいがるだけでなく、普段から食欲、便、尿、体温、脈拍などの様子をチェックしてほしいですね。日々観察していると、ちょっとした異変にも気づきやすく、万が一のときにも早めに診察を受けるなど、素早く対応できます」(木滑さん)。

【健康チェックのポイント】

  • 食欲や飲水量、嘔吐の有無、回数、吐いたものの形状
  • 便や尿の状態、回数
  • 呼吸の様子、咳、くしゃみ、鼻水
  • 目やに、目の状態
  • 体温
  • 脈拍
  • 歩き方(ふらつき、斜傾)
  • 脱水症状(皮膚をつまんで放しても戻らない)

 

命を救うこともあるマイクロチップの装着もして

欧米に比べて日本は、ペットのマイクロチップの装着率がかなり低いのが実情。

「地震などの災害の際、迷子になる犬や猫はとても多いです。でもマイクロチップを装着していれば、飼い主の元へ戻してあげることが可能です。ただし、データをきちんと登録し、変更があれば更新することをお忘れなく」(木滑さん)。

大切な家族を守る意味でも、ぜひ装着してほしいですね。

 

いかがでしたか?
どれもペットと幸せに暮らすために大事なことばかりです。
ぜひ、この記事を機会に考えてみてくださいね。

イラスト・山中玲奈
文・野尻和代