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要注意!愛犬&猫の食事で気をつけること3つ
ペットの健康を守ることができるのは飼い主だけ。そこで、まず第一に気を配るべきは食生活です。ペットフードに関する意外と知られていない事実や、注意すべき大切なことをご紹介しましょう。
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木滑黄平
環境省 自然環境局総務課動物愛護管理室。動物好きで、人と動物や自然との共生を追求するため環境省に入省。動物愛護管理室で獣医学の知識を生かし、ペットフード関連事業を手掛ける。
ぺットの食事について正しい知識を持とう
愛犬、愛猫の健康を守るためには、日々与えているペットフードについて理解することが大切。
「ペットフードに関する情報は近年、インターネットなどでも得ることはできますが、中には信憑性に欠けるものも」と木滑さん。
環境省では、ペットフードの安全性の確保を目的とした『愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律』(通称:ペットフード安全法)を所管。
「ペットフードガイドラインを改訂し、飼い主の皆さんに知っていただきたい大事なことを取り上げています。今回はその内容の一部を紹介。ぜひペットフードに関する理解を深め、ペットの健康意識の向上につなげていただければと思います」(木滑さん)
Check1 犬・猫に与えてはいけない食べ物を確認!
タンパク質や脂質をはじめ、炭水化物、ミネラル、ビタミンなど、私たちと同じように、犬や猫も必要な栄養素を食べ物から摂取しなければ健康に生きることはできません。
でも、必要な栄養成分は異なるため、人間の食べ物が犬・猫に害を及ぼす場合も。タマネギやチョコレートなど「絶対に食べてはいけないもの」に加え、「注意が必要なもの」もあります。
まずは飼い主がきちんと理解をして、ペットに誤って与えないように注意しましょう。
【ペットに与えてはいけないものリスト】
与えてはいけないもの | 理由 |
---|---|
タマネギ・ネギ・ニラ・ニンニク | 有害な成分が赤血球を破壊し、大量に食べると血尿や下痢、嘔吐、発熱を引き起こす恐れも。 |
チョコレート | テオブロミンが原因で嘔吐、下痢、発熱、 けいれんの発作などを引き起こす。 |
キシリトール入り のガムなど | キシリトールを犬が食べてしまうと、少量でも 血糖値の低下や嘔吐、肝不全などを引き起こす。 |
鶏の骨 | 縦に裂けやすく、かんで割れると尖った形状となり、 喉や消化管などを傷つけることがある。 |
生の魚介類 (魚、イカ、タコ、 エビ、カニ) | 生の甲殻類はビタミンB1を分解する酵素を持ち、 猫に与えると後脚のまひを引き起こす。 |
ブドウ、干しブドウ | 犬や猫にとって腎不全の原因に。 特に、ブドウの皮は与えてはいけない。 |
チョコレートやブドウなど、人間にとっては身近な食品でも、ペットにとっては命にかかわるものも・・・。
【注意が必要なものリスト】
注意が必要なもの | 理由 |
---|---|
レバー | 多く含まれるビタミンAを犬や猫が過剰に 摂取すると、食欲不振、関節炎になることが。 |
ホウレン草 | シュウ酸を多く含み、シュウ酸カルシウム尿石症 の原因に。ゆでてアク抜きすれば減らせる。 |
コーヒー・緑茶・紅茶など | カフェインは下痢、嘔吐、体温不調、多尿、 尿失禁、テンカンの発作を引き起こすことがある。 |
生肉 | 生肉には有害な寄生虫や細菌が存在する可能性 があるので注意が必要。与える際は加熱処理を。 |
香辛料 | 犬や猫は香辛料に対する耐性が低いので、 肝臓障害を引き起こすことがある。 |
生卵(生の卵白) | 生の卵白を食べ続けるとビオチン欠乏で皮膚炎、 成長不良になることが。加熱処理すればOK。 |
にぼし、のり | 犬、猫にはマグネシウム過剰が要因で、尿路疾患 を引き起こすことも。与える際はペット用を。 |
こちらも注意が必要なので、あわせて覚えておきましょう。
Check2 ペットフードの種類と選び方、保存方法
愛犬家、愛猫家の多くが活用している市販のペットフード。その種類は使用目的別に、総合栄養食、療法食、間食、そのほかの目的食に分けられ、さらに水分含量別にもドライ、ソフトドライ、セミモイスト、ウェットといろんなものがあります。
ペットフードは愛犬・愛猫のライフステージ、健康状態に合わせて選んでほしいもの。ただし、保存方法や扱い方を間違えると、健康に悪影響を及ぼすことがあるから注意が必要です。
Column ペットフードの種類に合わせた保存方法を
ペットフードにもさまざまなタイプがありますが、その種類に合わせて適切な取り扱いを心がけ、賞味期限内に使い切ることが原則。
保存状態が悪いと、賞味期限内でも品質が劣化するので気をつけましょう。
また、フードを与えるときに使う食器の衛生面にも要注意です。
フードの残りかすや水分は、微生物の格好の繁殖場所に。
使い終わった食器はきれいに洗い、乾燥させて清潔な場所で保管してくださいね。
- ドライフード、ソフトドライフード
直射日光が当たらない温度・湿度が低い場所で常温保存。冷蔵庫保存は出し入れの際にフード表面に結露が生じ、カビの発生の原因になります。使用期限の目安は、開封後約1ヵ月。
- セミモイストフード
開封後は袋をしっかり閉じて冷蔵庫で保管し、使う分だけを取り出して。密閉できる袋や容器に入れて冷蔵保存するのも有効。使用期限の目安は、開封後2週間程度。
- ウェットフード
未開封は直射日光を避けて温度変化の少ない場所で保存を。余りのフードは、別容器に移し替えて冷蔵保存し、長期間放置しないでください。使用期限の目安は、開封後1日。
check3 歯みがきする習慣を
歯周病などの歯や口の病気は、ともすると全身性の病気を引き起こすこともあるので、決して侮ってはいけません。
その予防には日頃から歯ブラシなどを使った歯みがきの習慣をつけ、歯の健やかさを保つことが重要です。
できるだけ子犬、子猫の頃から、口に触れられることに慣らしておきたいところ。
直接、歯みがきすることが難しい場合は、歯垢がつきにくいドライフード、デンタルケア用のガムやおもちゃを利用してください。
そして、もし歯の異常を発見した場合は、獣医師の診察を受けましょう。
ペットフードに問題があった場合は?
ペットフードを与えたら下痢や嘔吐をする、開封したら変色や異物が混入していた、賞味期限内なのにフードから異臭がする、未開封のはずの袋に穴が開いていたなどのペットフードにまつわる予期せぬトラブル。
そんな万が一のことが起こったら、上のフローチャートを参照して迅速に対処してください。また、購入日や購入場所が分かるもの(例・レシートなど)とともに現物を残しておくこと!
いかがでしたか? 愛するペットのために覚えておきましょう!
監修・環境省自然環境局総務課動物愛護管理室
イラスト・山中玲奈