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プロ監修!キャベツの栽培・育て方|家庭菜園
種まきから病害虫対策、肥料、収穫方法まで、キャベツ(アブラナ科)の栽培方法・育て方を教えてもらいました。この1記事でキャベツの栽培方法はバッチリです!キャベツのプランターでの育て方も必見ですよ。【家庭菜園の基本シリーズ】
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加藤正明さん
練馬区の農業体験農園「百匁の里」園主。 NHK Eテレ「趣味の園芸 やさいの時間」では、栽培管理や講師を務める。著書に『甘やかさない栽培法で野菜の力を引き出す 加藤流 絶品野菜づくり』(万来舎)がある。
キャベツを栽培する前に知っておくべきこと
幅広い料理に利用できる万能野菜のキャベツは、春、夏、秋の3回育てられます。そのなかで最も育てやすいのが、夏からスタートする栽培方法。7〜8月にキャベツの種をまいて苗を作り、8〜9月に植えつけます。
苗作りが大変なら、キャベツの市販苗を購入して植えつけて。暑さがピークを迎え、害虫の活動も活発な時期に栽培を始めるため、栽培当初から害虫対策をしっかり行うことが成功のカギ。
キャベツの育苗中も防虫ネットをかけて害虫防除に努めるほか、植えつけ直後から防虫ネットをトンネルがけして被害を防ぎましょう。
キャベツは外側の葉が20枚前後になり、かつ一定の大きさになるとホルモンの集積バランスが変わり、葉が内側に巻き始めます(これを「結球」という)。しかし、外側の葉を取り除いたり、害虫に食害されてボロボロになったりすると、うまく葉が巻かなくなってしまいます。しっかり球にするためにも、外側の葉を大事に育てたいところ。
防虫ネットをかけても害虫被害を受けた場合には、早めに適用のある農薬を散布して、被害の拡大を防ぐことも大切。また、外側の葉を大きく立派に育てると球も大きく育つので、栽培の途中で追肥を行って肥料切れを防ぐこともポイントです。同時に、株のつけ根に土を寄せ上げて株を安定させると、根の張りがよくなってさらに育ちがよくなりますよ。
- 【キャベツ栽培データ】
アブラナ科 ●畝のサイズ(※長さは自由)畝幅:60cm、畝の高さ:5~10cm、株の間隔:30cm ●適正pH6.0~6.5 ●土のpH調整(植えつけの2~3週間以上前)苦土石灰:100~150g/m² ●元肥(植えつけの1~2週間前。溝施肥)牛ふん堆肥:0.5l/m²、有機配合肥料(N-P-K=11-8-9程度):80~100g/m² ●気をつけたい病害虫:モンシロチョウ、コナガ、ヨトウムシ、アブラムシ、根こぶ病など。
キャベツの栽培カレンダー
キャベツは市販苗も多く出回りますが、タネからなら、好みの品種を育てやすいのが魅力。
この記事で紹介するキャベツの栽培カレンダーは、中間地の場合です。
※寒冷地
種まき:6月下旬〜7月中旬
植えつけ:7月中旬〜8月中旬
収穫:10月上旬〜11月上旬
※暖地
種まき:7月中旬〜7月下旬
植えつけ:8月中旬〜8月下旬
収穫:10月中旬〜11月上旬
※寒冷地・・・北海道、東北、新潟県、富山県、石川県、高冷地。
※中間地・・・福井県、関東甲信、東海、近畿、中国、九州北部。
※暖地・・・四国、九州南部、沖縄県。
【7月中旬〜8月中旬】キャベツの種まき
1辺4〜5cmのセルトレイに元肥入りの野菜用培養土を入れ、1穴2~3粒ずつ種をまきます。
キャベツの本葉が1~2枚になったら1穴1株になるように間引き、葉が4~5枚になるまで約1ヵ月間育てること。
この間、防虫ネットで害虫対策もしてください。
【8月下旬〜9月中旬】本葉4〜5枚で植えつけ。防虫ネットをかける
土作りを済ませた畝の中央に、根こぶ病(キャベツなどアブラナ科を連作すると発生する病気)を防ぐため、適用のある殺菌剤をまきます。
株の間隔を30cmあけて苗を植え、すぐに防虫ネットをトンネルがけして。
【Point】根が活着しやすいように植えつけ後3~4日間は遮光。
植えつけ時に暑さが厳しいと、根の活着が悪くなります。防虫ネットの上から黒色の遮光ネットをかけて日陰を作り、暑さを和らげましょう。
初めからすその部分を少し開けて光が差し込むようにし、3~4日かけて少しずつ外していくと、株がダメージを受けずに暑さに慣れます。
【9月】追肥・土寄せ
植えつけから2週間たったら、化成肥料(N-P-K=8-8-8)40~50g/m²を追肥し、土寄せします。
追肥は、この1回のみでOK。トンネルの上部に葉がつかえるほど育ったら、トンネルを外してくださいね。
【11月上旬〜12月上旬】球のてっぺんを手で押して弾力があったら収穫
キャベツの球のてっぺんを手で軽く押してみて、締まって弾力があったら収穫のタイミング。
外側の葉を手で押し広げ、球のつけ根を包丁で切ります。収穫が遅れると球が育ち過ぎ、割れてしまうことも。
キャベツは適期に収穫することを心がけましょう。
【Column】キャベツのプランター栽培のポイントは?
▲イラスト左/下葉落とし イラスト右/収穫適期の様子
キャベツを大きく育てるのは難しいため、小さな球が鈴なりに実る芽キャベツがオススメです。
直径30cm×深さ30cmのプランターに、苗を1株植えて。植えつけの2週間後から月に1回、有機配合肥料10gを追肥。
葉のつけ根のわき芽が球状になったら、上の葉を15枚残して下の葉をハサミで切り、球を太らせます。
球が直径2.5~3cmになったら、手でねじって収穫。
【キャベツレシピ】キャベツの納豆あえ
大切に栽培したキャベツを美味しくいただくためのレシピをご紹介!
シャキシャキ&ネバネバの食感は病みつきになるはず。
- キャベツの葉・・・2~3枚
- 納豆・・・1パック(40~50g)
- マヨネーズ・・・大さじ1
- すりゴマ(白)・・・大さじ1
- 焼きのり・・・1/4枚
- キャベツの葉は5mm角に切り、ボウルに入れる。芯も加える場合は、葉より少し小さめに切るとよい。納豆をよく混ぜて、付属の納豆のたれを加え、キャベツとよく混ぜる。
- 1にマヨネーズ、すりゴマを加えてよく混ぜ、器に盛ってちぎった焼きのりを散らす。時間がたつとキャベツがしんなりしてしまうので、作りたてを早めに食べて。
【材料】(作りやすい分量)
【作り方】
キャベツの栽培方法・育て方はいかがでしたか?
病害虫対策も忘れずに行って、まん丸で大きな球のキャベツの収穫を目指してくださいね。
写真・万来舎・丸山滋/八木竜馬
イラスト/服部あさ美
構成、文、料理写真、料理監修/北村文枝