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家事
樋口由夏

整理整頓上手になるためのコツ【片付けがはかどる】

「家のなかが片付かない!」と嘆いている方必読!プロの整理収納アドバイザー金内さんに整理整頓のコツを教えてもらいました。整理整頓が苦手な方でも習慣にしやすい考え方や、取り入れやすいコツばかり。整理整頓下手を克服しましょう。

金内朋子整理収納アドバイザー1級、整理収納コンサルタント。夫と子ども4人と千葉県に暮らす。出産を機に資格を取得。子どもが多くても、家が狭くても自分自身が楽しみながら片づける暮らしを提唱、その暮らしぶりが話題となる。2015年ESSE収納インテリア&グランプリにてグランプリ受賞。著書に『散らかし屋さんが片づけたくなる部屋のつくり方』(ワニブックス)がある。
金内朋子さんのHP

整理整頓するとこんなに人生が変わる!!

整理整頓を心がけると、家のなかがきれいになるだけでなく、あなた自身にも良いことが起きるのです! まずは整理整頓の効果についてご紹介しましょう。

「整理整頓が上手になると空間だけでなく、人生も変わります」という金内さん。次のような変化が得られるそうです。

 

整理整頓で「時間の使い方が変わる」

整理整頓ができていると、時間を有効活用できるようになります。まず第一に「探し物をする時間」が減るでしょう。

逆に整理整頓できていないと、見つからなかった「探し物」の代用品を買いに行く羽目になり、ムダな「買い物の時間」が生じてしまいます。
さらに、家の中の在庫を把握せずに買い物をすると・・・

「シャンプーの詰め替えってまだあったっけ?」と悩みながら買い物をするため時間がかかったり・・・

「食器用洗剤がなかった気がするから、買っておこう!」と家にあるものをダブり買いしてしまったり・・・

さらに時間がかかってしまうだけでなく、お金もムダにしてしまうのです。

 

整理整頓で「決断力がつく」

整理整頓は「いる・いらない」の判断をすることが多々あります。
そのため、整理整頓ができるようになると、徐々に「自分軸」が形成され、身の回りの物事すべてのジャッジが素早くできるようになり、悩む時間が少なくなります。

 

整理整頓で「物欲が少なくなる」

「洋服は着まわせる量だけ」「食器は家族が必要な分だけ」・・・整理整頓をすると、自分と家族にとって必要な物の量がわかります。

「“それ以上は必要ない”ということがわかると、不思議とあれもこれもと欲しがらなくなるんですよ」と金内さん。

物に縛られず、過度な物欲から解放され、満たされた暮らしができることは大きなメリットでしょう。

 

整理整頓で「自分に無理をさせなくなる」

整理整頓を通じて「自分にはできない」と痛感し、家族や誰かに頼る場面が必ず生まれます。
その経験から自分自身の力量を知ることができ、自然と人に頼れるようになり、等身大の自分を受け入れられるようになるそうです。

「また、“物との関わり方”と“人との関わり方”は通じていると私は思っています。整理整頓し、物を丁寧に扱うようになったら対人関係も円滑になったという話もよく聞きますよ」(金内さん)

 

絶対にNG!整理整頓下手さんの特徴3

金内さん曰く、整理整頓や片付けが下手な方は次のような行動をとることが多いようです。少しでも「ぎくり!」と思ったら、収納下手さんの可能性大ですよ!

【整理整頓下手さん1】決められない
整理整頓下手な人は、「いる・いらない」の判断に時間がかかりがち。
「外食の際に食べたいものを選ぶのに時間がかかるなど・・・。日常生活で物事のジャッジができない方は整理整頓もあまり得意でない傾向があるように思います」(金内さん)

 

【整理整頓下手さん2】とりあえず買いが多い
「あまり好きじゃないけど」「ちょっと使いにくいけど」など、妥協してとりあえず物を買う傾向がある人も注意。
そういったとりあえず買ったものが蓄積されて整理整頓が難しくなるのです。

 

【整理整頓下手さん3】極端に片付けようとする
「整理整頓=捨てなければいけない」と思いこんでしまう人も当てはまります。
捨ててすっきりさせることも時には必要ですが、いきなりミニマリストを目指すなど極端な行動は避けましょう。
「自分は整理整頓なんてできない・・・と思わず、まずは50~60点を目標にするとモチベーションも上がりますよ」(金内さん)

 

初心者はまずここから!超基本・整理整頓の方法

手当たり次第に物を整理整頓してもきれいな空間にはなりません。
実は、整理整頓にも正しいプロセスがあったんです!
3STEPだから、整理整頓下手さんでも無理なく実践できるはずですよ。

 

【整理整頓STEP1】出す

収納スペースから全部出し、物量を把握するのがポイントです。ただし、最初から「リビングのもの全部」「クローゼットの洋服全部」などスペースの広いところから整理整頓すると失敗につながりやすいです。
初心者が整理整頓しやすいのは、物があまり動かない場所、そして「いる・いらない」を迷うことなく選びやすい物がある場所です。

「たとえば“下駄箱”、“洗面所のシンク下”、“キッチンの食器棚だけ”、“カトラリーが入っている引き出し内だけ”など小さなスペースがおすすめですよ」(金内さん)

 

【整理整頓STEP2】分ける

「いる・いらない」で分けようとすると、迷ってしまいがち。「1年以内に使ったか、使っていないか」で分けましょう。
「使ったか」という事実、具体的な「期間」をもうけることで、判断がしやすくなるはずですよ。

 

【整理整頓STEP3】収納する

最後に、使っている物・必要な物だけをもとの収納スペースに戻します。
整理整頓ビギナーさんは、収納スペース内でさらに分類をする必要はありません。
不要なものがなくなった分、格段に使い勝手がよくなっているはずですよ。

収納スペースに入れない、不要なものは無理に捨てなくてOK。
「使っていないものボックス」をつくり、そこに一時保管してください。
ただし、ボックスから物があふれたら、1年経ったら捨てるなどタイミングは決めておいてくださいね。

「捨てることをゴールにすると整理整頓が苦痛な作業に・・・。一時保管ボックスという逃げ道をつくるのがポイントですよ!」(金内さん)

 

慣れてきたらチャレンジ!整理整頓のコツ3

先の整理整頓の3STEPが身についたら、この章で紹介するコツも実践してみて!
さらに整理整頓の力がつきますよ。

 

【整理整頓コツ1】ラベルを貼って家族にもわかりやすい収納をする

収納ボックスや引き出しの扉などにラベルを貼り、何が入っているか、誰が見てもひと目でわかるようにします。

「あれはどこにあるの?」という家族からの質問がグンと減ってプチストレスからも解放されるはず!

最初からラベルライターなどできっちりラベリングしようとすると疲れてしまうので、物の定位置がはっきり決まるまでは、取り外しが楽なマスキングテープなどを使いましょう。
仮の定位置を決めて、家族全員が「使いやすい」「分かりやすい」となったら、正式にラベルを貼って。

 

【整理整頓コツ2】量を決める

整理整頓に慣れてきて、自分の管理できる物の量や必要な量がわかってきたら、収納スペースを限定してみましょう。

たとえば洋服なら、家族一人につき収納ケース2個までと限定し、あふれてきたら捨てるようにします。

スペースを限定することで、物を整理整頓・捨てるタイミングがはかりやすくなり、片付いた状態がキープできるようになるのです。

 

【整理整頓コツ3】動線に応じた物の配置

何でも引き出しに入れる、クローゼットの奥に片付ける・・・。一見きれいに整理整頓されているように見えますが、取り出しやすさはどうでしょう?

そこで、生活動線を意識した収納を心がけると、ワンランクアップ上の整理整頓上手さんになれますよ。

たとえばリビングでよく洗濯物を干すなら、テレビの後ろにピンチハンガーを置くなど、生活動線にあわせて物の配置を決めてみて。いくらきれいに片付いても、ピンチハンガーをリビングから遠い寝室にあるクローゼットに入れては使い勝手が悪いと思いませんか?

人から見て変でも、自分の動きに一番合っていて、楽な位置に物を置くのがポイントです。

 

片付け下手さん必見!整理整頓Q&A

「オフィスの仕事用の机がすぐ散らかる」「子供に整理整頓を教えたほうがいい?」など整理整頓にまつわる悩みについて金内さんに教えてもらいました!

 

Q小学生の子供にも整理整頓を身につけさせたいです。何から始めればいい?

子供が気になっているスペースや、お気に入りを飾りたいスペースから一緒に片付けてみましょう。この時、親のイメージではなく、子供の意見を聞くのが大事です。

例えば・・・

  • 「おしゃれになりたい」ならクローゼット
  • 「忘れ物を減らしたい」ならランドセルの中
  • 「勉強に集中したい」ならデスク
  • 「本が好き」なら本棚
  • 「ぬいぐるみが好き」ならおもちゃスペースに特等席を作る

「自分の気になっているスペースがきれいに片付いていて気持ちがいい」という感覚がわかれば、子供から積極的に片付けるようになるはず。
また、「いる・いらない」の判断も親が決めないようにするのもポイントですよ。

 

Q夫が部屋を散らかしてしまいます。どう協力してもらえばいい?

「共用スペース」と「個人で管理するスペース」をはっきり家族で決めましょう。
例えば、リビングの一角に夫用のコーナーを作り、そこは夫に管理してもらいます。
ただし、そのコーナーが散らかっても文句を言うのはNG。共用スペースを散らかした場合のみ注意し、「散かるのは片付けにくいから?」など理由を聞き、改善策を練ってください。

「自分ができても人はできない、ということは我が家でもよくあります。人によって収納方法を変えるのもおすすめですよ」(金内さん)

 

Qオフィスのデスクがすぐに散らかっちゃいます。予防策はありますか?

当然ですが、書類や物は放っておくとどんどん増えていきます。「いる・いらない」のジャッジを早くするように心がけましょう。

まずは、案件ごとに書類や物を分類しておくなど、どこに何があるか把握できる状態にしてみて。終わった案件も気がつきやすくなり、処分の回転も速くなるはずですよ!

また、散らかる原因として、書類や物が戻しやすいようになっているかチェックし、改善するのもポイント。

 

場所別!収納テクニック

整理整頓の基礎が身についたら、場所別の収納テクニックも身につけましょう。「キッチン」「押し入れ・クローゼット」「洗面所」「子供部屋」のスペースごとに金内さんが実践している収納テクニックを見せてもらいました。

実践すれば、整理整頓上手さんになれるかも!?

 

キッチンの収納テクニック

形や大きさも様々なモノが多いキッチンは、整理整頓をするのにも手こずる人が少なくないはず。

金内さんの「調理中でも取り出しやすい」ことを意識した収納テクニックは必見です!

キッチンの収納テクはコチラ

 

 

押し入れ・クローゼットの収納テクニック

気づいたら、どんどん増えてき、整理整頓しにくくなるアイテム「服」。
「お目当ての服が見つけにくい」「朝の身支度に時間がかかる」という方は、こちらの金内さんの押し入れ・クローゼット収納テクニックを参考にしてみてくださいね!

押し入れ・クローゼットの
収納テクはコチラ

 

 

洗面所収納テクニック

狭くて、細かいものが集まりやすい整理整頓の難所「洗面所」。
整理整頓ができない、と嘆いている方も多いのではないでしょうか。

金内さんは6人家族にもかかわらず、すっきり整理整頓された空間をキープしています。その秘密とは・・・。

洗面所の収納テクはこちら

 

 

子供部屋の収納テクニック

子供が整理整頓しやすくなる空間のつくり方を教えてもらいました。
マネすれば、勉強道具やおもちゃ、ぬいぐるみなどが散かりにくくなるかも!?

子供部屋の収納テクはこちら

 

 

金内さんの整理整頓のコツはいかがでしたか? 整理整頓の習慣を意識すれば、きっと少しずつですが、生活が豊かになるはずです。ぜひ実践してみてくださいね。

【こちらもおすすめ】整理整頓の実践編

整理整頓の基本が身についたら、こちらの実践編の記事もおすすめです。
片付けをはじめる前に参考にしてみて!

 

【第1弾】キッチンのシンク下を整理整頓してみた

Photo 大滝央子

下のリンク先の記事では、Web Pacoma編集長・武蔵がキッチンのシンク下スペースの整理整頓に挑戦しています。

「出す」「分ける」「収納する」の整理整頓プロセスで、どこまできれいになるのでしょうか!?

整理整頓の実践記事・第1弾はコチラ

 

 

【第2弾】調味料を整理整頓してみた

Photo 菅井淳子

第2弾では、気づくと増えがちな調味料の整理整頓にチャレンジ。
「分類」「容器に移し替える」2つの作戦で、ゴチャゴチャな収納スペースを整理整頓していきます!

整理整頓の実践記事・第2弾はコチラ

 

 

撮影/菅井淳子