- 岩本恵美
- フリーランサー(編集・執筆、たまに翻訳)。
東京・下町生まれの下町育ち。Webメディアや新聞記事の編集・執筆を経て、フリーランサーに。経済からエンタメまで、気になったら何でも手を出す雑食系。ここ数年は盆踊りにハマっています。
かしこいマネー講座!分割払いとリボ払いの違いとは|プロ監修
高額商品を購入する時に迷うのが、クレジットカードの「分割払い」と「リボ払い」。どちらも分割で返済していくという、根本的な部分は似ていますが、実のところは違います。知っているようで知らない、分割払いとリボ払いの違いをプロが徹底解説します!
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岩田昭男
消費生活評論家。1952年生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。同大学院修士課程修了後、月刊誌記者などを経て独立。流通、情報通信、金融分野を中心に活動し、消費生活とクレジットカード研究をライフワークとしている。クレジットカード比較サイト「岩田昭男のカード道場」
クレジットカードの分割払いとリボ払いの違い
クレジットカードの分割払いとリボ払いの決定的な違いは、支払いにおいて「何を自分で決めたいのか」にあります。分割払いとリボ払いのメリット・デメリットを比較しながら、その違いを見ていきましょう。
分割払いは「支払い回数」を決める
クレジットカードの分割払いは、支払い回数を決められる支払い方法。
ただしクレジットカードや利用店舗によって、分割払いで指定できる支払い回数や分割払いができる下限金額は違います。
2回、3回、5回、6回、10回、12回、15回、18回、20回、24回というのが多くのカードで採用されている支払い回数の目安です。
【分割払いのメリット】
- 家計への負担を分散できる
- 支払い終了時期が把握できる
- 支払い計画が立てやすい
【分割払いのデメリット】
- 支払い回数が多くなるほど手数料がかかる
- 支払い回数から月々の支払い金額を決定するので、利用金額によっては毎月の負担が大きくなる場合がある
- 同時に複数の分割払いを抱えていると、支払い額が多額になる
リボ払いは「月々の支払い金額」を決める
リボ払いは、クレジットカードの利用額に関わらず毎月の支払いを一定額にできる支払い方法。
【メリット】
- 利用可能枠内であれば、どんなに使おうが、毎月の支払いが一定
- 支払いが定額なので、毎月の家計管理がしやすい
【デメリット】
- 分割払いと比べて手数料が高め
- リボ払いを重ねてしまうと、支払い終了の時期が見えにくく、多重債務の要因になりやすい
- リボ払いにも種類があります
- リボ払いには、リボ利用額(元本)返済の支払い方法と手数料の支払い方法にいくつか種類があります。
カード会社が決めた返済方式によって、月々の支払いシミュレーションも変わってくるので、リボ払いを使う前に必ず確認しておきましょう。【元本返済の支払い方法】
★残高スライド方式
リボ払いの支払い残高によって、月々の返済額が変動する支払い方式。
例えば、リボ払いの支払いが15~20万円残っている場合は毎月1万円の返済、残高が10万円以下になったら毎月5000円の返済という具合に、支払い残高によってカード会社が予め月々の支払い額を設定しています。★定額方式
リボ払いの支払い残高に関わらず、毎月一定額を返済する支払い方式。
毎月の返済額が高めに設定されていれば、早めに支払いが完了します。【手数料の支払い方法】
★元利定額
手数料が月々の支払いに含まれる支払い方法。
例えば、毎月のリボ支払い額の設定が1万円ならば、そこに手数料も含まれます。★元金定額
月々の支払い額に手数料が上乗せされる支払い方法。
例えば、毎月のリボ支払い額を1万円にしている場合、月々の支払いは1万円+手数料となります。
【検証】分割払いとリボ払い、お得なのは?
分割払いとリボ払いの仕組みの違いがわかったら、気になるのがどちらを選ぶのがお得なのかということ。同一カードで分割払い、リボ払いを選んだ場合の月々の支払いをシミュレーションして、プロの見解を解説します!
【10万円の買い物をした場合】分割払いでシミュレーション
10回払い(利用代金100円当たりの分割払手数料が7円)を選択。
1回あたりの支払いは毎月1万円+手数料となります。
※手数料の計算方法はカード会社によって異なります。また、実際の手数料総額は初回支払いの日割り計算と最終回での端数調整で若干変わってきます。
※分かりやすいよう、日割り計算は行っていません
【10万円の買い物をした場合】リボ払い(元金定額)でシミュレーション
月々の支払い額を1万円に設定。実質年率15.00%で、リボ払い残高に応じて手数料が変化していきます。
※分かりやすいよう、日割り計算は行っていません
【プロの結論】
支払い方法を変えるだけで、手数料も変わってきます。クレジットカードの種類やカード会社によって条件は全てケースバイケースですが、回数が少ないほど実質年率は低くなるので、3~5回程度で支払えそうだという場合は分割の方がたいていお得です。もしリボ払いを選択しても、なるべく早く支払いを終えるようにすること。クレジットカードによっては、月々の支払い額の設定を随時変更できたり、余裕がある月だけ多めに支払ったりすることができるので、繰り上げ返済を目指すのが賢明です。
分割払いとリボ払いで迷ったら、それぞれシミュレーションをしてみるのがおすすめです。計算が複雑なリボ払いのシミュレーションはクレジットカード会社のウェブサイトなどで簡単にできるので、参考にしてみるといいでしょう。特に高額商品を購入する場合などは、無理のない返済計画を立ててからクレジットカードを使うのがベストですよ!