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知らないと大変!上座と下座の覚え方|Pacomaマナー道場

上座・下座が分からなくて困ってしまったことはありませんか? 目上の人やお客様をスムーズに席へご案内する為にも席次マナーはしっかり覚えておきましょう。基本の覚え方やさまざまな場所での上座・下座についてレクチャーします。

上座・下座とは

一般的なマナーとして、席次(席順)には、上座・下座があります。
これは日本独特の文化といえるもので、自分が座る場所によって目上の人やお客様に敬意やおもてなしの気持ちを表すのです。
上座とは、その場で一番心地よく安全に過ごせる場所のことです。下座はその逆で、お客様をお迎えする側、役職が下の人が座る場所となります。
上座・下座は部屋の中だけでなく、エレベーターや車中といった様々な場所で適用されます。
また、左右も序列がありますので、シチュエーションに応じた席次マナーを知っておきましょう。

 

上座・下座4つのルール

以下に、上座・下座を覚える上での基本ルールを解説します。
 

【ルール1】基本的には入り口から遠い奥の席が上座
部屋の中での席次(席順)では、基本的に入り口から最も遠い奥の席が上座となり、入り口側に近づくにつれて下座になります。しかし、部屋のレイアウトなどによって変わってくる場合もあります。
床の間がある和室では、床の間を真後ろにした席が上座、出入口に近い席が下座になります。
【ルール2】「左上位」のしきたり
「左上右下(さじょううげ)」といって、「左を上位、右を下位」とする「左上位」のしきたりが日本の伝統礼法とされています。
舞台などでも左側(客席から見て右側)が上手で、右側を下手と呼ぶことも左上位のしきたりに則っています。
国際儀礼のプロトコルや欧米では「右上位」なので、外国の方と接する場合は、誤解されないよう注意が必要です。

 

【ルール3】着席順のきまり
接客の場合は、お客様を上座へお勧めします。
会社の会議室などでは、議長や社長の役職順に上座から着席します。
その他の場合でも上司や年長者の順に上座から案内します。

 

【ルール4】入り口が2つある場合の上座
人の出入りが多く騒々しい出入り口から遠く、落ち着ける席を上座とします。

 

【場所別】上座・下座の覚え方〜ビジネス編〜

ビジネスの現場では、お客様や取引先の方、上司などに対して失礼のないように接することが大切です。
会議室や応接室などでの席次を覚えておきましょう。

 

会議室の場合

議長がいる場合、出入り口から最も遠い席が議長席となり、議長に近いほど上座となります。議長から見て右側の一番近い席が上座となり、続いて左側の一番近い席、その後は順に右、左と続いていきます。
議長から遠くなるにつれて下座となります。
会議室のタイプに応じた席順を図説しますので、参考にしましょう。

対面型会議室

コの字型会議室

 

タクシーに乗る場合

タクシーの車内では、運転席の後ろの席が上座となります。
下座は助手席で、行き先や道順を告げたり支払いを担当します。

目上の方が運転をされる自家用車などの場合は、助手席が上座となり、下座は後ろの真ん中の席です。
前述したように車の席次は決まっていますが、シチュエーションによって臨機応変に対応することが大切です。
例えば、ケガをされているお客様とタクシーに乗る場合など、すぐ降車できる下座の方がありがたい場合もあります。
このような場合は「本来なら奥へお座りいただくのですが、手前の席の方が乗り降りしやすいかと存じます。いかがなさいますか」などと伺います。
お客様の返答によっては、自分が上座へ座ることもありますが、基本をおさえた上で状況に応じた配慮をしましょう。

 

エレベーターの場合

エレベーターにも上座・下座のマナーがあります。
乗り降りしやすい中央の奥が上座で、操作ボタンの前やドアの近くが下座になります。

エレベーターにすでに人が乗っている場合は、外に立ってドアが閉まらないようにボタンを押したまま「どうぞ」とお客様や上司に先に乗っていただきます。
エレベーターに誰も乗っていない場合は、「お先に失礼します」と自分が先に乗って操作ボタンの前に立ち、「開」ボタンを押して扉が閉まらぬようもう一方の手で扉を押さえて乗っていただきます。
降りる際は、お客様や上司が先です。

もし、お客様や上司が下座(操作盤の前)に立っている場合は、「よろしければ階数のボタンを押します」と、ひと言伝え、相手の返答に素直に従いましょう。
相手が目的の階数のボタンを押すなどしてくれた場合は「恐れ入ります」「ありがとうございます」とお礼も忘れずに。

マナーは「こうしなければいけない」というのではなく、状況に応じて臨機応変に「崩す」必要があります。大切なことは型ではなく、相手を思いやって行動することです。

 

【場所別】上座・下座の覚え方〜レストラン編〜

レストランなどでの会食や接待の際にも席次に気を配らなくてはなりません。
基本的な上座・下座のルールを覚えておきましょう。

 

レストランの場合

レストランのテーブル席などでも出入り口から最も遠い席が上座となります。
もし、上座が分からない場合は、事前にお店の人に確認するようにしましょう。

また、大きな窓があって眺めを楽しむことができたり、庭園を臨むことができるような場合は、入り口側であっても景色がよく見える席を上座とします。その場合も「本来でしたら奥のお席にお座りいただくのですが、こちらの席の方がきれいな景色かと存じます。いかがですか」と相手に伺ってから案内をしましょう。

中国料理店を利用する際の円卓の席次も覚えておきましょう。
一般的に、出入口から最も離れた席が最上位の上座です。以降、上座の人から見て左隣が2番目、右隣が3番目でそれを左右交互に繰り返します。
中国では時代にもよりますが、皇帝が南に向かって鎮座した際、太陽が昇る東つまり「左」を上位とする考え方があり、中国料理の席次も左上位(左側が2番目)とされているようです。

 

料亭の場合

料亭など和室の場合は、床の間の前が上座になり、出入口に近い席が下座となります。
床の間がない部屋では、出入り口から一番遠い席が上座になります。
役職や年齢に応じて上座の近くから座ります。

床の間が向かって右にある本勝手といわれる造りの場合は、床の間の前を上座として、右へ順に座ります。
床の間が向かって左にある逆勝手といわれる造りの場合は、床の間の前を上座として、左へ順に座ります。

 

カウンター席の場合

例えば、上司と2人で取引先の方をバーや寿司店などカウンター席のお店にお連れする場合、基本的には出入り口から一番遠い席が上座となりますが、板前さんやバーテンダーなど店員の前を上座とする場合もあります。
分からないことがある場合は、素直にお店の人に聞くのもコミュニケーションがとれ、マナーとして大事なことです。
また、形式ばかりにとらわれるのではなく、お店の人との話や食事も楽しむことを忘れないようにしましょう。

 

いかがでいたか? 上座・下座の基本を知っておくと、接待などでも自信を持って振る舞えることができますね。
席次の基本をおさえた上で、状況に応じて臨機応変に形を変えていくことが本来のマナーといえます。

 

監修:川道映里

真心マナー講師・マナーコンサルタント。一般社団法人マナー教育推進協会代表理事副会長、ウイズ株式会社副会長兼中国・四国エリア長。子育て中にマナーの大切さを実感し、マナー界のカリスマ・マナーコンサルタントの西出ひろ子に師事。徳島を拠点に全国の企業、行政機関などでビジネスマナーを中心にマナー研修、マナーコンサルティングを行い真心マナーを伝える。日常生活のマナーや冠婚葬祭マナーの講座も担当。ドラマのマナー指導やメディアでも活躍中
ウイズ株式会社
ファストマナースクール