- 笹沼杏佳
- ライター。1992年生まれ。Webメディアや雑誌、フリーペーパー、企業Webサイトなどでジャンルを問わず執筆中。趣味は野球を観ること&パンダのイラストを描くこと。手軽にできる工作が大好きです。
【枯らしちゃう人必見】植物を元気にする男・ビリさんに聞いたグリーンのある生活
植物がある暮らしって素敵ですよね。でも、これまでに枯らしてしまった経験があったり、うまく育てられるか心配だったりして、なかなか踏み切れない人もいるのではないでしょうか。そんな皆さんに向けて、エンジョイボタニカルライフ推進室のビリさんこと氏井暁さんに、植物と暮らすポイントを伺いました。
「植物と暮らしたいけれど、枯らしちゃいそうで心配……」そう思っている人は結構多いはず。そこで、植物との暮らし方提案やお手入れのサポートに取り組んでいる『エンジョイボタニカルライフ推進室』のビリさんこと、氏井暁さんに、上手に付き合うコツや、お世話のポイントについて教えてもらいました。
- 氏井 暁(うじい さとる)植物との暮らし方提案、お手入れの相談サポート、ワークショップやイベントの企画などを通して園芸普及活動に取り組む『エンジョイボタニカルライフ推進室』のプロジェクトマネージャー。通称ビリさん。ニックネームの由来は、大阪・通天閣でもおなじみの“ビリケンさん”に似ているから。
植物は生きもの。愛情を持つことが何よりも大切
──植物を枯らさずにうまく付き合っていくためには、どんなことが大切ですか?
植物は生きものなので、手をかければかけるほど魅力が向上していくもの。ワンちゃんやネコちゃんは可愛がらないとなついてくれませんし、ウチのかみさんも大切にしなければ家庭は険悪なムードになる……(笑)というのと同じなんです。
愛情を持って毎日見てあげれば、植物が枯れてしまうリスクもかなり軽減できます。なにも、手の込んだ世話をしろという意味ではありません。寄りそいながら一緒に生活できれば、ボタニカルライフを楽しめるはずですよ。
ポイント1 みずから手を加えることで、愛着が生まれる
──愛情を持って一緒に暮らすためのコツがあれば教えてください!
何か一手間加えてあげると、ぐんと愛着が増します。たとえば、お気に入りの器に植え替えてみたり、種から育てて芽が出る喜びを味わったり……買ったものをそのままぽんと置いておくよりも、断然関心が高まるんです。そうすると、毎日見ることにつながるので、元気がないなどの変化にも気づきやすくなります。
実際に僕が開催しているワークショップでは、参加者の皆さんに90分間かけて自分で鉢植えを作ってもらったり、お話を聞いていただいたりして、完成すると名前をつけてかわいがるようになる方もいるんですよ。
──たしかに、自分で作ったものって思い入れも強くなるので、愛着が生まれますね。見せていただいた鉢植えは、器もどれも素敵です! 器選びのポイントなども何かあるのでしょうか?
植物を“管理”するには、素焼き鉢など機能性に特化したものが推奨されることが多いのですが、僕にとって植物は常に鑑賞の対象なので、ビジュアルを大切にしたい。見た目も魅力的だと、毎日愛情を持って接することにもつながるので、結果的にリスクの軽減にもなると考えています。ぜひお部屋の雰囲気に合わせて、好きな器に植えてみてください。
旅先の焼き物屋さんなどで素敵な器を見つけたら、その器に合わせて植物をコーディネートするのも楽しいですよ。ちなみに、鉢植え用の器じゃなければ、僕の場合はドリルで底に穴を開けたり、土を水はけのいいものにしたりと、望ましい環境と器のギャップを埋める工夫をしています。
ポイント2 プラスの役割を知れば、日ごろのお世話がもっと楽しくなる
──水やりなどお世話の面でも、より愛情を持って続けられるコツなどはありますか?
“水やり”だけの行為だととらえていると、どうしても義務的な感じになっていってしまいますよね。でも、水やりが担う役割を理解すれば、さらに楽しみが増すはずです。
植物も生きものなので、老廃物を出します。すると、根っこから出た老廃物が器のなかに溜まっていくわけです。老廃物には植物の成長を阻害する成分が含まれているため、定期的にデトックスする必要があります。それが水やりの役割のひとつでもあるんです。
上から下にしっかりと水を通して、老廃物や、古くなった水や空気を新鮮なものに入れ替えてあげる……そんなふうにイメージしながら水やりをすると、なんだか気持ちがいいですよ。
根っこへの水やりは植物によって異なりますが、基本的には土が乾いたころにたっぷりとあげるメリハリが大切なので、毎日必要というわけではありません。その代わり、霧吹きを使って、地上部にこまめに水を吹きかけてください。
人間の生活環境って、植物にとってはすごく乾燥しているんです。葉っぱ周辺の空間湿度を向上させるイメージで、朝起きたときや仕事から帰ってきたときに、挨拶がてらシュッとかけてあげるのがポイント。地上部の潤いを保つことで、葉もいきいきしてくるし、病気や害虫も防ぐことができます。
“枯らさないため”もしくは“育てるため”だけの水やりではなく、デトックスや美しさのキープ、病気や害虫の予防などのプラスの役割を知るだけで、楽しさが生まれてくると思います。
──お話を伺っていると、何だか楽しく植物と暮らせるような気がしてきました! ここからは、ビリさんに教えていただいた初心者におすすめの植物や、アイテムについてご紹介していきます。
“草”よりも“木”がおすすめ!
▲初心者にも育てやすいガジュマル。個性的なフォルムが特徴で、お気に入りの形のものを選ぶ楽しみも
“草”よりも、水分を保有できる “木”のほうが枯れにくいとのこと。葉っぱも肉厚だとさらに育てやすく、なかでもおすすめなのはゴムの木の仲間。写真のガジュマルもゴムの木の一種で、ビリさんイチ押し。枝葉の展開も速く、盆栽のように樹形のスタイリングも楽しみやすいのだとか。幹の形も個性豊かで、なんだか愛嬌がありますね。
道具も見た目にこだわるのがモチベーションをキープするコツ
▲使いやすくシンプルで飽きの来ないアイテムは、最初に買い揃えるのにおすすめ
初心者がまず揃えるのにおすすめなのが、霧吹き・水さし・はさみ。長いノズルが特徴的な霧吹き「DIA ロングスウィング500」(写真左)は、朝もやのようなミストを出せるのが魅力です。(※ノズルのないタイプもあり。そちらもオススメとのこと)
水さしは、お部屋に飾ることが多い小さな鉢植えに水をあげるときに重宝します。写真右の「Richell クリア水さし」は、シンプルで飽きも来ずお部屋のインテリアも邪魔しません。はさみは、葉や枝を整える際に使いやすい、刃先が細いものを選びましょう。
写真手前の「ARS クラフトチョキ」は、園芸用ではなくクラフト用のものですが、とても使いやすいのだとか。
ビリさんいわく、ツールも自分の気持ちを高めてくれるものを選ぶことがポイントとのこと。お部屋に置いても馴染むような、洗練されたアイテムを取り入れれば、植物との暮らしがもっと充実したものになるはずです!
ともに暮らしていくためには、植物にもアイテムにも、愛着を持つことが何よりも大切。気難しく考える必要はないのです。みなさんも、植物との暮らしを気軽に楽しんでみては?
撮影:taki azusa