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初めてのバラライフ!【美しくバラを栽培するポイントQ&A】
バラを美しく咲かせるには、健康に育てることが第一。千葉県にあるバラの名所、京成バラ園で園長を務める小河紀子さんが、これからバラを育てたいと思っている人のために必要な心構えや基礎知識を教えてくれました。咲いている時も、咲き終えた後も楽しめるバラ。素敵なバラのある暮らしを始めてみませんか?
バラの植え替えの手順
バラを育てるステップとして何より大事なのは品種選び。初心者さんでも育てやすいのは、『ラベンダー・メイディランド』や『リモンチェッロ』、『春乃』、『ボレロ』などが失敗しにくい品種としてオススメです。
入手した鉢苗は、株の成長に合わせて大きめの鉢に植え替えましょう。花色や置き場所の雰囲気に合った鉢を選べば、見た目もランクアップしますよ。まずは、植え替えの手順からご紹介します。
用意するもの
- バラ苗
- バラ用鉢
- バラ用培養土
- 赤玉土
- バラ用肥料
植え替えの手順
道具を準備して作業スタート。バラの品種名が分かれば、そのバラの性質や特徴が分かるので、タグは細い枝に巻きつけるか捨てずにとっておくと◎。
バラ用培養土をトレーに入れます。新苗や鉢苗の植え替えには、根付いた苗を丈夫に育ててくれる『バラ用培養土』を使うと便利です。トレーの上に多めの量を出しましょう。
バラの培養土と赤玉土を混ぜます。バラ用培養土だけでもOKですが、あまり水やりができない人は、赤玉土を2割ほどブレンドすると良いでしょう。ただし、清潔な土を使うようにしてください。
もともとの鉢苗に対して、2回り大きな鉢を用意します。6号の鉢苗なら8号が最適。乾燥しにくいプラスチック製がおすすめです。
赤玉土の(大)などのゴロ土を、バラ用鉢の鉢底に入れます。その上に3で用意した土を、鉢バラの大きさを見ながら入れます。
根鉢を崩さないように置きます。冬季(1〜2月)以外であれば、根鉢を崩さないように置くのがポイント! 冬季の鉢替えであれば、土を落として新しい土にしましょう。
苗のつぎ口部分には、つぎ木のためのテープが巻かれているので、これをはさみなどでカットし、つぎ口を傷つけないよう丁寧にはがします。
苗の周りに用土を加えます。苗のつぎ口が地表に出るように高さを調節しながら、土を足し入れます。土の量は鉢の縁から5㎝ほどがベストです。
根鉢と土の間に隙間ができないように、細い棒や支柱などで突きます。ただし、突き過ぎて土を固めてしまうのはNG。
目の細かいジョウロで、鉢底から流れ出るくらい水を与えます。1回水が引いたら、2回、3回と与えて微塵をしっかり流しましょう。
四季咲きのバラであれば、次の花芽を出すために花がらを早めにカットします。株をしっかりさせたければ、花芽も取ります。
月に1回程度(量などは肥料の注意書きに従って)、株が休眠する11月まで、定期的に肥料を与えます。もし芽出しが悪ければ、液肥をやるのも効果的です。
美しくバラを栽培するQ&A
Q.バラを初めて育てるので、病害虫が心配です。
A.病害虫に侵される前に、日々予防と対策をしていれば大丈夫です!
近ごろでは害虫や病気に強い品種も多く出回っていて、初心者でも育てやすくなったバラ。しかし、その特徴から葉を害虫に食べられたり、病気にかかったりすることも多い花でもあります。元気により美しく咲いてもらうためには、日々のケアは欠かせません。
特に葉は、美しいバラの育成に重要な役割を果たしています。日光で光合成を行い、そこでつくられた養分がバラの成長に繋がるのは言わずもがな。十分にあたらないと美しい花を咲かせることができなくなってしまいます。最悪の場合、株ごと弱ってしまうことも。
そうしたトラブルを避けるためにも、日ごろから環境を整えルことが大切です。日光を十分にあて、風通しを良くし、ベストな薬剤を用いて予防することで病害虫を寄せ付けないことが重要です。
害虫をシャットアウト!
葉を襲う害虫はチュウレンジハバチの幼虫や、液汁を吸って被害を与えるアブラムシ、葉裏に寄生して汁を吸うハダニなど様々。集団で害を与えるため、早めの対策を。
葉を蝕む病気も予防!
4~6、9~10月に多くみられるのが、葉の表面を白いカビ状に変色させてしまう、『うどんこ病』です。また、葉の表面に淡褐色や黒い斑点を作る『黒星病』にも注意。
バラの花の美しさは葉の健康で決まる!
美しいバラを咲かせるためにはズバリ、葉を健康な状態に維持することが重要。だからこそ日ごろの薬剤を使った予防が大切。しかし、毎日の手入れとなれば、手間をかけずに行いたいですよね。 殺虫と殺菌を同時に行えるスプレータイプの『アタックワン®AL』で、1〜2週間に1回程度散布するなど、賢く済ませるのが正解。植物にやさしい水性処方でいやなニオイも少ないです。
バラの葉をしっかり守る。
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園芸用殺虫・殺菌スプレー アタックワン 1000ml
バラに寄り付く病害虫に1本で対応。植物の体内に有効成分が浸透して幅広いトラブルに効果を発揮する。ダークグリーンのボトルデザインも魅力的。
(エムシー緑化) -
ベニカXファインスプレー 950ml
速効性と持続性があり、病原菌の侵入を防いで病気も予防してくれる。また、ハダニやアブラムシなど幅広い害虫にも対処できる。
(住友化学園芸) -
オルトランDX粒剤 300g
株元にばらまくだけで殺虫成分が根から植物全体に吸収。効果が持続するので便利!
(住友化学園芸) -
スターガード 粒剤<ROSEラベル>800g
(エムシー緑化)
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バラ専用肥料 800g
バラに適した肥料成分とアミノ酸、ミネラルを豊富に含み、バラの生育をよくする。元肥としても。
(ハイポネックスジャパン) -
メネデール 500ml
植物の生長に欠かせない鉄を、根から吸収されやすいイオンの形で含む植物活力素。発根を促し元気な株に育てる。
(メネデール) -
マイローズばらの肥料 1.6kg
元肥だけでなく、追肥にも。暖かく生育が盛んな時期は成分が速やかに溶出され、冷涼な時期は溶出は緩やかになる。
(住友化学園芸) -
教えてくれた人/京成バラ園 小河紀子(おがわ・のりこ)園長
2014年7月よりローズガーデンの園長に就任。日々園の管理、植物の育成に力を注いでる。バラの開花シーズンには、来園者を対象に庭園の見所やバラの特徴を解説するガイド・ツアーも行っている。
梅雨時期
Q.バラ栽培で最も気をつけなければいけない病気は?
A.うどんこ病と黒星病です。環境整備と日々の予防が大切。
春から秋にかけて、特に梅雨の時期に発生しやすいうどんこ病と黒星病。病気にならないためには、まずは日当たりや風通しをよくして栽培環境を整えて。スプレータイプの殺虫殺菌剤を10~15日に1回に散布して葉を健全にしておくことも大切です。
Q.害虫が心配!これってどう駆除するの?
A.見つけた時には手遅れ! 事前に錠剤薬剤の散布を。
アブラムシやコガネムシなどの害虫は、発見してからでは手遅れの場合が多いのです。特にやっかいなのはコガネムシの幼虫。土に卵を産み付けられ、孵化した後に根を食べられてしまい、根が腐ってバラ自体が枯れてしまうことも。土にまくタイプの薬剤で事前に対策を。
盛夏
Q.真夏の暑さ対策、何をすればいいですか?
A.鉢を高温から守って『根焼け』を防ごう。
夏の暑さは、バラにとってもいい環境とは言えません。特に鉢植えの場合は、鉢内の温度が上がると、根焼けを起こしてしまうケースも。エアパッキングやアルミホイルで巻いてあげましょう。かなりの断熱効果があります。
Q.葉の裏に白い斑点がついてしまいました。
A.それはハダニの被害!水と薬剤で落とそう。
真夏に大量発生するハダニ。肉眼では見えないほどの小さな虫で、葉にクモの巣を張ったように膜ができて、やがて葉を落とします。葉裏に強い勢いで水をかけて落としてしまうか、定期的にスプレータイプの薬剤を散布しましょう。
Q.秋に美しく咲かせるためにはどんな肥料を使えばいいの?
A.リンが多く含まれた肥料で追肥をするのがおススメ。
バラは“肥料食い”と言われます。8月後半ごろに開花を促進させるリン成分が多く含まれた土に混ぜ込むタイプの肥料を与えよう。土に入れた後、上からさらに土をかぶせることで、肥料成分がより効果的に。
開花後
Q.花が咲き終わった後、まずするべきことは何ですか?
A.秋にも綺麗な花を咲かせるために速やかに剪定を。
バラは枝を切ることによって新芽が伸びて花をつける植物。古い枝を切って枝を更新させることで樹木全体が活性化し、毎年元気な花を咲かせてくれるのがバラの特長です。
Q.どの枝をどこで切るべき?剪定のポイントは?
A.秋に咲く姿を想像して大胆にカットしよう。
コツは、どのように咲いてほしいかを想像してバランスよく樹形を整えること。基本は5枚葉を2~3本残します。伸ばしたい芽の枝元近く、約1cm上で斜めにカット。剪定前の1/2~1/3のボリュームになるように。
Q.鉢替えの時に注意しなければいけないことは?
A.根を少しゆるめ、湿らせた土に入れること。
開花苗を植え替えするには、鉢から根を抜いたときに、根鉢を少し崩してゆるめ、活力剤が入った水で土全体をしっかりと湿らしてから入れること。そうすることで根が活性化し、養分を吸いやすくなります。
Q.バラ栽培で使う元肥は何を基準に選べばいいですか?
A.緩効性の有機肥料がベスト。
もともと肥料が配合されている培養土には必要ありません。そうでない場合は、根からゆっくりと吸収される緩効性のもので、窒素、リン、カリウムがバランスよく配合されている有機肥料を使用しましょう。
バラを楽しむ8つのアイデア
様々な方法で満喫できるのもバラならでは。咲いている時も、咲き終えた後も。愛好家の方に聞いた存分に楽しむアイデアをご紹介します。
教えてくれたバラ愛好家の方々
のばらさん
自宅の庭に多種類のバラを育てる。庭のアーチ作りやドライフラワー製作も。バラ愛好歴4年。
(Instagram:@hana_and_rose_garden)
橋本景子さん
ガーデナーユニットNoraメンバー。寄植えのワークショップなども行う。バラ愛好歴15年。
(Instagram:@kay_hashimoto)
岩崎かおりさん
レカンフラワーや押し花アートなどのワークショップを開催する『Feuille Verte』主宰。バラ愛好歴10年。
(Instagram:@feuille0808)
#01.一緒に植える植物はクレマチスがおススメ。
「バラは単独ではなく、他の植物と組み合わせる事で、さらにその美しさが引き立ちます。バラと同時期に咲く品種は少ないですが、つるが丈夫なクレマチスは、花も大きく色も鮮やか。華やかな庭作りにぴったりです」。(橋本さん)
#02.ガーデンベンチに、小ぶりのつるバラを。
「単に植栽するのではなく、建物につるバラを這わせるのが好き。フェイクドアや小屋、そしてベンチにもバラを。去年は初めてつるバラが絡み、素敵なローズガーデンに少しだけ近づけたような気がしました」。(のばらさん)
#03.壁面誘引にはタッカーが便利。
「壁面などにバラを誘引するときにワイヤーを張り巡らせたりネットを取り付けたりするのは大変。そんな時はタッカーを使えば、あとはビニタイで縛るだけ。バラ愛好家の先輩から学んだ知恵です」。(のばらさん)
#04.好きな雑貨と一緒に壁を飾る。
「壁面につるバラを這わせるときにおススメなのが飾り棚を作り、お気に入りのブリキ缶やレタリングボードを一緒に飾ること。あくまでもバラを主役に、バランスを考えて雑貨はほどよいボリュームで飾るのがコツです」。(橋本さん)
#05.お気に入りの空き瓶に切りバラを。
「一輪挿しは花瓶がなくても大丈夫。色が綺麗なジャム瓶などに短めに切ったバラを挿すだけで部屋が華やかな印象に。他の花と一緒に無造作に置くと、小さな観賞スペースになるんです」。(橋本さん)
#06.ドライフラワーにするなら濃厚なピンクカラーを選んで。
「深い赤のバラはドライにすると黒っぽくなり、淡い色のバラは色が抜けやすい。濃いピンクカラーが一番発色がよく出ます。ドライフラワーにしたら他の植物と合わせてバラの美しさを引き立たせるスワッグにしても」。(のばらさん)
#07.色とりどりの切りバラを水に浮かべる。
「バードバスに水が隠れるくらいのバラを複数種類選んで浮かべるとずっと眺めていたくなるほどの美しさに。自宅でガーデンパーティをする時の装飾としても最適で、訪れる友人たちにもとても好評ですね」。(橋本さん)
#08.バラの花弁からアクセサリーを。
「ドライフラワー用の乾燥剤に10日ほど入れておいた花びらをUVコートで固めれば、立派なアクセサリーチャームに変身。留め具パーツをつければオリジナルアクセサリーが完成。プレゼントにもおススメです」。(岩崎さん)
素敵なバラライフを!
バラは、庭から摘んだ後もその香りと色で存分に楽しませてくれます。美しいバラを咲かせるためにも、愛情をたっぷり注いであげてくださいね。基礎知識をしっかりおさえて、素敵なバラライフをスタートさせましょう♪