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野菜作りの“秘訣”と“おすすめ”アイテムを徹底解説!【野菜作りQ&A<2>】
野菜作りのプランニングから、pH、害虫予防まで、オススメアイテムを紹介しながら美味しい野菜づくりに必須な“秘訣”を一挙にご紹介しちゃいます。初心者から経験豊富な方にも役立つ、野菜をもっとおいしく作るための悩みや疑問を一問一答で解決!
目次
Q.育てる前に必要なことは?
A.作物をやみくもに植えるのはNG。事前にしっかりとプランニングすること。
育てる野菜を決めることと並行して行いたいのが、年間の作付け計画です。実際に紙などに書き出して、プランニングを行いましょう。その際、連作障害を避けるためにも、春夏と秋冬の計画を同時に行います。
プランニングのポイントは、草丈の短い野菜は南側、高い野菜は北側へ植えること。そうすれば成長後に効率よく太陽の光を取り込めます。まずは土地、ベランダ菜園、場所別の特性から見ていきましょう。
#CASE01.土地を活用した園芸の場合(1.2m×2.4m)
土地を活用した園芸の場合、連作障害対策を意識したプランニングは必須。土地ごとに日当たりも異なるので、方位を意識したレイアウトを心がけましょう。また多くの実りを得ようと、たくさん植え付けるのは逆効果。株間を空けて風通しも意識しましょう。
春・夏
つるなしインゲンやトマトなど、一度に多くの成果が得られる作物であれば、達成感も得られやすいです。エダマメは収穫時に株ごと抜き取らず、さやだけを摘めば長く収穫することができます。レタスも同様、一度に刈り取らず、外側からかきとれば、長期間楽しめます。
秋・冬
春夏に育ててきた作物との入れ替え時期を見計らうこと。秋冬に向けたプランニングはトラブルを防ぐための重要な工程です。各野菜の種まきの適期と相談しながら行ないたい。カブやホウレンソウ、コマツナなど、種を筋まきする際は、十分な間隔を意識して。
#CASE02.ベランダ菜園の場合
鉢を動かして日当たりを調整できたりと、ベランダ菜園ならではのメリットも多数。今回は、直径30cm×深さ40cmほどの丸い鉢と、25cm×40cmほどのプランターを使ったプランニングを紹介。上手に駆使して、さまざまな野菜に挑戦しましょう。
春・夏
農地と同様に密植を避け、風通しと日当たりを意識した配置を。プランターは直接地面に置かず、下にすのこなどを敷いて風通しを良くすること。また、暑い時期は、作物が日光で焼けないよう、プランター全体を遮光ネットやすだれなどで覆って時には日陰を作ってあげることも大切です。
秋・冬
春夏と同じ鉢で行います。40cmほどの深さがある鉢なら、大根も育てられますよ。種を筋播きするカブや小松菜は、間隔に余裕を持たせて密植を避けます。また、気温が下がるこの時期は特に日当たりを意識し、日陰を避けて位置を変えることも重要です。
ベランダ園芸で活躍!収納庫兼土混ぜトレー
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リッチェル/ガーデニングカーゴ
限られたスペースでの園芸作業をサポートする収納庫。フタを外して裏返せば土混ぜトレーとして使うことができる優れもの。ツールトレー付きで、小物も収納できます。
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Q.野菜作りに適した土はどうやって作るの?
A.まずは「団粒構造」と「酸度調整」を知ることから。
作物のできは、土のコンディションに大きく左右されます。ちゃんと肥料を与えていても、基礎となる土の状態が悪ければ、作物はしっかりと育ちません。良い土のポイントは2つ。適度な保水性と通気性のバランスがとれた「団粒構造」であることと、作物に適した「酸度調整」がなされていること。ここでは、土の調整方法について紹介します。
土の良し悪しは、握って調べる
悪い土の例
コケむした土は酸素不足や病気の原因に。また、石は作物の根の成長を阻害します。夏は日光の影響で熱を持つので取り払いましょう。
悪い土の例
水気がない砂質で、握ってもかたまりになりません。こうした土は肥料もちが悪いです。また、かたまりのくずれない粘土質の土もNG。
良い土の例
保水性と通気性のバランスがとれている状態。握ると団子状になり、指で押すとくずれる状態が、団粒構造の証。
作物の成長を支えるふかふかの団粒構造
土壌粒子が団粒状態で、微生物の活動も活発な団粒構造。触れるとふかふかとしており、水はけと水もちのバランスがよく、通気性もあり、かつ肥料をしっかりと蓄えることができます。こうした状態は作物が効率よく栄養をとれたり、しっかりと根を張るための必須条件が整っています。
野菜に適したpH(酸性度)に調整
作物にはそれぞれ、成長に適した土のpH(酸性度)があります。植え付けを行う前にpH測定液などを用いて、土の酸性度を調べましょう。
pHを下げる場合は、腐葉土などを用います。また、pHを上げる際は苦土石灰を散布し、深さ10~15cmを目安にクワで軽くすきこむ。
目指すpHに適した量の苦土石灰をまき、クワを使って土に混ぜます。しっかりpH調整するために、作付けの約2~3週間前に済ませておきたい。
pH調整をはじめ、土の基盤作りの必需品
プロトリーフ/苦土石灰(粒)1㎏
酸性土壌を中和して地力を高める効果がある粒状の苦土石灰。マンガン等の微量要素を補給し、土を若返らせます。粒状で飛散せず、撒きやすいのも魅力。
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色で数値がわかる!手軽に使えるpH測定液
住友化学園芸/アースチェック液 5ml
植物ごとに異なる土壌のpHを調べる測定液。使い方は簡単で、採取した土を水と混ぜ、専用の液体で反応させるだけ。初心者でも一目で数値の確認ができますよ。
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Q.肥料選びのポイントは?
A.状況に合わせてタイプ別で使い分けて。
作物ごとに、適した肥料が異なります。入れ方は、溝に入れたり、全体にまいたりとさまざま。また、液肥は追肥に、置き肥は根の張る位置よりも先に置き発根を促す。使う量には注意を。バランスがくずれると病気の原因に。
葉・茎・花イキイキ元気!クロレラを凝縮した栄養剤
リッチエル/クロレラの恵み土に埋める栄養剤
土中で徐々に分解され、2ヵ月間効果が持続する緩効性タイプで、クロレラの藻体をタブレット状に固めた栄養剤。土に浅く埋めるだけなので手軽に使用できます。
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自然の力で元気を与える植物エキス
中島商事トヨチュー事業部/備長炭木酢液スプレー
炭を焼く際に発生する煙から採取される植物エキスが健全な野菜や花作りを助ける。有機物やアルコールなど200種類の成分が濃縮されています。
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1シーズンに1回ばらまくだけのお手軽肥料
ハイポネックス/ネクスコート いろいろな植物用
植物の生育に必要な栄養を1粒に凝縮。特殊なコーティングが施されており、手も汚れず、におわないので室内でも安心して使うことができます。
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水でうすめて株元へ!初心者の心強い味方
ハイポネックス/ハイポネックス原液
植物が元気に生育するために必要な15種類の栄養素をバランス良く配合。すばやく効いて、花や野菜などいろいろな植物の花や実つき、花色、葉色を良くする。
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Q.種の植え方のポイントは?
A.種植えも作物によりそれぞれ。基本の「筋まき」「点まき」をマスターして。
団粒構造とpHを調整し、畝立てを終えたら、いざ種植え。基本は種袋に記載されたそれぞれの方法で。ここでは土に対して直接まく直まきの代表「筋まき」と、「点まき」にフォーカスします。
筋まき
畝の表面を平らにしたら、パイプや支柱を駆使して、直線の溝を作る。その溝に対し、すじを作るように種をていねいに置いていきます。種の間隔は、種袋を確認しましょう。まき終えたら、周囲の土を被せて押えます。
点まき
畝に土を覆うマルチを張り、穴にコップなどを押し付けて、適した深さの溝を作ります。人差し指で穴を作ってから種を入れたり、写真のように土の上に種を置き、指で土に押し込むように植える方法も。
Q.連作障害を避けるためには?
A.野菜の属する科を確認し計画的な作付けを。
同じ場所に同じ植物を植え続けると、土壌生物の多様性が崩れて特定の病原菌だけが増殖。連作障害がおこります。こうした連作障害を避けるためには、作物の“科”を意識すること。
春夏と秋冬交互に異なる科を植えることを心がけましょう。どうしても同じ作物を育てたい場合は、接ぎ木苗などを使用したり、連作障害を改善する薬剤を使うのもおすすめ!
善玉菌のチカラで連作障害を改善。
ヤサキ/菌の黒汁
有機JAS 対応の微生物資材。土の中の悪玉菌を抑え、連作障害を改善。完全無臭で、まいてから約2~3週間で効果を発揮する。
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Q.元気だった作物の茎葉が大きく育ってくれません。
A.こまめな土の管理は必須。定期的な中耕を心がけましょう。
日々の管理で足元の土が踏みかためられてしまうと、根に空気がいき届きにくくなっている場合があります。土の良い状態を保つためにも、定期的に土を耕すのが「中耕」。置き肥などで追肥をする際に行うと、土寄せと肥料と土の混ぜ込みが同時にできて、効率的です。
中耕の際は、根元から少し離れたところを10cmほどの深さで耕します。そのとき、穴を掘るのではなく、土に空気を混ぜて隙間を作ってあげるイメージで。追肥のタイミングで定期的に行うように。
Q.効率よく、たくさんの収穫を得るためには?
A.成長にあわせて、適切なタイミングで適切な栽培管理を行いましょう。
満足のいく結果を出すためのコツは、〝欲張らない〞こと。作物をより多く、よりおいしく実らせるためにも、養分を適度に行きわたらせ、適切な時期に手入れを行う必要があります。ここでは、更新剪定や誘引といった、代表的な手法をご紹介。
[更新剪定]
実の付きが悪い時や、元気がない時に行います。「切り戻し」ともいう。枝の1/3~半分を目安に剪定し、同時に根元から約30cmあたりをスコップなどで根切りします。その際、液肥も与えておくと良い。
[摘心]
伸びすぎた茎やつるの先端を、ハサミなどで切り取ること。トマトやキュウリなどは支柱の先端まで育ったら摘心を行うことで、実の成長をより促す効果が期待されます。
[誘引]
風や実の重さで株が倒れることのないよう、支柱を立てて麻ひもなどで茎をくくりつけて固定。支柱と茎に沿って8の字を描くようにひもを通し、結ぶ際は茎をきつく縛らないよう注意して。
[脇芽取り]
不要な枝葉を成長させずに、養分が実にしっかりと行き届くよう、小さいうちに脇芽をつんで取り除きます。脇芽は頂芽と異なり、葉や茎の根元から出ているのが目じるし。
Q.病気や害虫対策のポイントを教えてください。
A.自ら病気や害虫に侵される原因を作っていることも。さまざまな外敵がいるので、作物別に調べて対策・駆除を。
重要なのは、自分が病気や害虫被害の原因を作らないこと。密植したり中耕不足も、原因のひとつ。日ごろからのこまめな観察と管理こそが予防の要です。便利な薬剤なども上手に活用して。
被害をもたらす病気の代表例。
作物の病気は、早期発見と対策が解決のカギ。風通しの問題や、葉が重なり合っていたり、水はけが悪く湿気が多いことも病気の原因に。そうした状況を作らず、作物ごとにかかりやすい病気や症状を観察しながら対策したい。
[うどんこ病]
カビによる伝染性の病気で、主に春から秋に発生。茎や葉に粉をふったような、白いカビが発生します。専用の薬剤を用いて除去を。写真提供/エムシー緑化
[黒腐病]
春と秋に発生しやすいですが、夏季でも気温が低く雨の多い環境において発病。葉に黄色い病斑が発生し、徐々に黒く枯れ込みます。写真提供/タキイ種苗
[アオムシ]
春から秋にかけて、主にアブラナ科の葉について食害するモンシロチョウの幼虫。葉裏に隠れている場合もあるので、定期的に確認を。写真提供/住友化学園芸
植物を守る!おすすめアイテム
アース製薬/やさお酢
害虫・病気の退治と予防ができる殺虫殺菌剤。野菜・ハーブ・果樹、花・庭木にも使うことができます。成分が気になる方にもおすすめ。
メーカー商品ページ
住友化学園芸/家庭園芸用GFオルトラン粒剤
株元や植え穴に散布してつかう粒剤タイプの殺虫剤。アブラムシやネキリムシなど広範囲の害虫に対応。効果は浸透移行性で、持続性があるのも特徴。
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防虫ネットで害虫から保護
どこからともなくやってくるさまざまな害虫を避けるために、防虫ネットを活用しよう。ただし、目の細かいネットでも通過してしまう小さな害虫もいるので、定期的に作物を観察することもお忘れなく。
畝などにネットを張る場合は、アーチ支柱を活用してドームを作る。ネットは網目が細かすぎると風通しが悪くなり、内部が蒸れてしまうので1mm目合のものがおススメ。
ワンタッチで装着、ベランダ菜園に最適
リッチェル/かんたん虫よけセット
プランターの種類にあわせて、バーの長さを調整することができる防虫ネット。ネット全体がプランターを覆い虫を寄せ付けない。取り付け簡単なストッパー式。
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細かな網目がポイント!害虫が苦手な銀糸入り
ダイオ化成/銀糸入り防虫網
約1mm目合と緻密に織り上げられた網目で、害虫の侵入を防止。ネットの表面にはアブラムシの成虫が苦手な銀糸入り。トンネル栽培やベタガケ栽培に。
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野菜にたっぷりの愛情を込めて
野菜も人間同様、心地よい環境や栄養を与えることでスクスクと育ちます。美味しい野菜を作るためには、丁寧でたっぷりの愛情を注いであげることが大切です!