お使いのOS・ブラウザでは、本サイトを適切に閲覧できない可能性があります。最新のブラウザをご利用ください。
暮らしの工夫
馬場吉成

本当に消えた!ネイル用UVライトでカレーのシミが消える。

どうやらカレーで作った衣類の黄色いシミは、ネイル用UVライトで消せるらしい。やってみました。結構消えました。

©Fotolia

気を付けて食べていたのに、気付いたら服についている食べ物のシミ。白いシャツに黄色く、赤く、黒く。後悔しても元には戻らず。洗ってもなかなか完全には消えず。しかも、そういうシャツに限ってお気に入りのシャツだったりする。気にしなければいいかと思っても、やはり目立ちます。なんとか消したい。

どうやらカレーで作った黄色いシミは、ネイル用UVライトで消せるらしいのです。やってみました。結構消えました。

スパイスの会社が教えてくれた

ネイル用UVのライトなんかでカレーで作ったシミが消える訳ないだろ!と、思ったあなた。この情報はちゃんとした出所があります。こちらのサイト。

衣服についたカレーの色はどうしたらとれるの?  カレーQ&A   S&Bカレー.COM
 
赤いカレー粉缶でおなじみ。エスビー食品株式会社のサイトです。カレーに関するQ&Aコーナーで、服についたカレーのシミは、「衣服に適した洗剤で洗い、陽にあてると自然に消える場合があります」と書かれています。


カレーの黄色は、カレーに使われるスパイスであるターメリックに含まれる「クルクミン」という色素によるもの。このクルクミンは水にはとけにくいが、紫外線には弱く、比較的簡単に分解してしまうため、太陽光によく当てるとシミが消えることがあるとのこと。

そうなのか!


という訳で用意したのがこちらの品。ジェルネイルを固めるために使用するUVライトです。サイトでは太陽光に当てるとありましたが、ここは機械に頼りガッツリ紫外線をシミに当ててみました。

本来はこのようにして使う物です。かなりまぶしい。使用時はサングラスをするか、別の方を向いて目を守った方が良さそうな明るさです。これならクルクミンはひとたまりも無い・・はずです。

では、カレーのシミを消してみましょう。
 

ランチタイムの悲劇

――とある日のランチタイム。カレー好きの会社員Bさんは、会社近くの店でカレーを食べていました。

「カレーはうまいねー!」

一般家庭のリビングのようにも見えますが、心の目で見れば神保町あたりのカレー屋に見えるに違いない。

そんなBさんに悲劇が起こります。


カレー皿の横に置いていた腕の上に・・

「あっ!」

うっかりカレーを食べていたスプーンを落としてしまった!


慌てて拭き取りましたが時すでに遅し。カレーのシミがしっかりついてしまいました。

「なんて日だ!午後は客先に行くのに!」

残念なことに、近くで新しいワイシャツは入手出来ず。仕事中は腕をまくっておいて誤魔化し、客先ではスーツの上着で隠し通しました。訪問先の会社の人が鼻のいい人でなくて幸いでした。

そして帰宅し、即洗浄。

「こんなしっかりついたシミ落ちるのか?」

やはりカレーの黄色いシミが残ってしまいました。洗浄力の上がった今どきの洗剤でもカレーのシミは手強い相手のようです。

UVライト登場!

どうでもいい寸劇が入りましたが、実際にこんな体験をした方もいるのではないでしょうか?その黄色いシミはなんだ?と聞かれれば「お昼に食べたカレーでうっかり」と素直に言えばいいのに、妙に恥ずかしいのはなんででしょうね?

まあ、それはいいとして。

洗濯洗剤でシミについた油分は落ちています。紫外線を当ててみましょう。

シミの上にライトを置いて紫外線を照射していきます。購入したライトは最大で300秒までしか連続で照射できないため何度か繰り返し、合計で40分ほど照射してみました。

その結果は・・

シミが消えています!

完全に真っ白とまではいきませんが、目立たぬ程度には消えています。


紫外線照射前と後を比較すると、このぐらい違います。割とはっきり黄色く見えたところが、ぼんやりと陰になる程度に色が消えています。

確かにネイル用UVライトで紫外線を照射することでカレーのシミが消えました!

他のシミへの効果は?

カレーのシミが紫外線で落ちるとは驚きでした。これからはカレーで汚した服は乾燥機ではなく、日の当たる場所に干して乾かすようにします。

さて、カレーのシミへの効果が分かったところで、他の食べ物のシミには効果があるかも試してみます。


用意したのは以下の食品です。まずはこちら。

カレーの中に潜み、油断した相手の純白の衣類を黄色く染め上げる金色の悪魔。

ターメリック!
 
眠気からの救世主と思わせておいて、カップからこぼれたその時、漆黒に衣類を染め上げようとする黒い魔物。

インスタントコーヒー!
 
甘辛く子供から大人まで親しみをもって近づいておきながら、飛び跳ねた瞬間に衣類を赤く染め上げようと牙を向く紅の野獣。

トマトケチャップ!
 
時間と共に相手の手元を麻痺させ、手に持つグラスからこぼれ落ちたその時、本人どころか周囲にまで被害を及ぼす紅蓮の鬼。

赤ワイン!
 
これさえ有れば世界中のどこの料理でも安心できる味にする安らぎの力を持ちながら、ひとたびこぼせば茶色く深く衣類を染め上げる漆黒の破壊神。

醤油!

 
これらの「気が付いたらとんでもないシミを作っている系危険食品」で白いシャツを汚し、UVライトでシミがどれほど薄くなるか試します。ここではUVライトだけでなく、こちらでもシミを落としてみます。

 
ワイドハイターEXパワー。泡が密着して、食べこぼしや汗ジミまでディープクレンジング。色柄にも安心のシミ落とし洗剤です。これとUVライトでのシミ落としを比較してみます。

 

漂白剤とUVライトのシミ落とし対決


ということで、各食品で汚した白いシャツを2枚用意しました。普段なら即座に洗ってシミが酷くならないようにするところを、あえて1日置いてシミを定着させます。より過酷な条件で試します。


まずはどちらも普通の洗剤と水で洗濯。洗濯機も「通常モード」での洗浄です。


最近の洗濯洗剤の性能の良さか、醤油とケチャップのシミはかなり落ちていますが、ターメリックは黄色く、コーヒーと赤ワインのシミは黒く残りました。


ここからハイターは、裏面の指示通りシミの上に直接吹きかけ、直後に普通に洗剤を使って洗濯。

UVライトは先ほどと同様に服の上に置いて照射します。照射時間は先ほどよりも長く、合計1時間としました。

では、結果です。

まずワイドハイター。

ターメリックの黄色は薄く残っていますが、コーヒーと赤ワインはかなりの所まで消えました。ケチャップや醤油の部分はほとんどわからない程度に落ちています。

それに対してUVライトは…?

ターメリックの部分はかなり薄くなっています。コーヒーと赤ワインの部分は多少薄くなった気がしますが、色が変わったようにも思えます。写真ではわかりにくいですが、ケチャップと醤油の部分もなんとなく茶色が濃くなったような気がします。

 
UVライトによる紫外線の光ではターメリック以外のシミに対してあまり効果は期待出来ないようです。しかし、ターメリックの黄色に関しては、シミ用洗剤と近いレベルまで落とせました。カレーのシミには紫外線がある程度効果アリです。

もちろん、強い紫外線は衣類を色褪せたりさせるので、ちゃんと落としたい場合は専用のシミ抜き剤を使ったり、クリーニング店に出したりする方がいいでしょう。

それと、今回はLEDタイプのライトを使ったので発熱は小さかったですが、相手は衣類なので仮に試す場合は発熱に注意し、衣類から目を離さないでください。試すならばまずは天日干しで。


あと、カレーはこぼすことなく注意して食べましょう。