
- 河村ゆかり
- 広島県出身、巳年、乙女座、O型。 1夫2娘1孫ありのフリーランス編集&ライター。
これまで携わった企画は、育児、インテリア、インド、占い、ガーデニング、敬語、コミックエッセイ、クラフト、クリーニング、辞典、図鑑、スノーボード、ダイエット、ペット、マナー、マネー、メンタルトレーニング・・・以下割愛。
嫌いなもの「波風と熱帯夜」。人生の目標は「平々凡々」。
園芸で定番の花・ペチュニアの育て方をプロに教えてもらいました。肥料や水やり、切り戻し、摘心などペチュニアをきれいに咲かすために知っておきたい育て方のコツばかり!ペチュニアは園芸初心者でも育てやすいので、ぜひお試しあれ!【花の育て方シリーズ】
初夏から秋まで長く花を楽しめるペチュニア。
育て方の基本を学んで、庭やベランダでたくさんのペチュニアを咲かせてくださいね。
ペチュニア(ナス科ツクバネアサガオ属)は南アメリカの野生種など、さまざまな種を掛け合わせた多年草ですが、日本の気候では一年草として扱われます。
花壇やプランターで栽培するだけでなく、ハンギングしてもよし、寄せ植えにも最適と、幅広く活用できますよ。
また、ペチュニアの花期は3月中旬~11月にわたり、その間旺盛に生育する丈夫さも魅力の一つ。
ペチュニアの園芸種は、種で増やす「実生系」、挿し芽で増やせる「栄養系」があり、500種を超えたといわれています。
毎年のように新品種が登場し、品種選びはペチュニア栽培の醍醐味!
ペチュニアは花の大きさにより、花径5㎝未満の小輪種と、花径5㎝以上の大輪種に大別。
小輪種は花つきの良い品種が多く、大輪種は花数よりも花の豪華さが見どころですが少々雨に弱いです。
また、ペチュニアの花は一重咲きや八重咲きもあり、色は単色や花びらに縁取りがあるタイプ、グラデーションが美しい品種など、紹介しきれないほど。
そのほか、草姿はまっすぐ育つ立ち性もあれば、ハンギングに最適なほふく性種もあります。
カリブラコア(ナス科カリブラコア属)とは、ペチュニアそっくりの小花を4~11月の長期間咲かせる植物ですが、見分けるのは非常に難解。
大きさや色などでも判別がつきにくく、なかには「ペチュニアとカリブラコアの雑種」なんてものも!
ただし、ペチュニアに比べてカリブラコアは高温が苦手なので、夏越しする際には注意が必要です。
※この記事のカレンダー・育て方は、中間地で育てた場合のものです。
【寒冷地】
種まき 4~5月、9月
挿し芽 4~6月、9月
植え付け 5~6月、9月
肥料 4月~10月
切り戻し 6月上旬~中旬、8月中旬~下旬
開花 4月~10月
【暖地】
種まき 3~5月、9~10月
挿し芽 3~6月、9月
植え付け 4~6月、9~10月
肥料 3月~11月
切り戻し 5月中旬~6月上旬、8月下旬~9月上旬
開花 3月~11月
寒冷地=北海道、東北、新潟県、富山県、石川県、高冷地。
中間地=福井県、関東甲信、東海、近畿、中国、九州北部。
暖地=四国、九州南部、沖縄県
最適な置き場所から水やりまで・・・。
ペチュニアの育て方の基本をご紹介。
ペチュニアは日光が大好きです。
日照不足だと生育も花つきも悪くなるので、地植えするときには日当たりの良い場所を選んでください。
また、ペチュニアはたくさんの茎が立ち上がって大きく育つので、株の内部が蒸れがちに。
風通しのよいところで育てて、多湿を防ぐことも大切です。
なお、ペチュニアは鉢植にして室内で育てることも可能ですが、日当たりのよい窓辺に置き、天気のよい日は風をあてて。
ペチュニアの発芽適温は22度前後。
種まきは3月中旬~5月と、9~10月が最適です。
まず、平鉢に種まき用土をいれ、ジョウロで水をかけて湿らせておきます。
そこに小さなペチュニアの種を重ならないようにばらまきますが、好光性種子のため覆土はしないで。
種まきした平鉢は、腰水させてしっかり吸水させます。
ペチュニアが発芽したら平鉢を腰水から外し、表土が乾いたら水を与える方法に切り替えると、根張りがよくなってGood。
ペチュニアの芽が込み合ってきたら、葉が重ならない程度に間引き、約1か月後に1株ずつ育苗ポットに植え替えます。
その後、育苗ポットから白い根が見えてくるまで育ったら、日当たりと風通しが確保できる場所や鉢に定植してください。
9~10月に種まきをする場合は、平鉢から育苗ポットに子苗を移し替えたら、室内で冬越しさせます。
気候が暖かくなる4月中旬以降に定植をしましょう。
ペチュニアの植え付けは、4月中旬~6月か9~10月に行います。
真夏の暑い時期に植え付けるのは避けましょう。
開花苗を植えるときは、花がらと枯れ枝などを取り去ってから植えるのもポイント。
ペチュニアは一般の園芸用土や、ペチュニア専門の土に植えると安心です。
自分で土をつくりたいときは、赤玉土7、腐葉土3の割合でブレンドして。
地植えする場合には、植えつけ前にたい肥をすき込んで、土づくりをしましょう。
肥料は花期の3月中旬~11月、常に与えます。
規定量の緩効性肥料を1カ月に1度置き肥えするか、液体肥料を10日~2週間に1回程度施し、肥料切れを防いで。
ペチュニアの鉢植えには、表土か乾いたらたっぷりと、鉢底から水があふれるくらいに与えます。
株元にジョウロの先を差し込んで、鉢土に直接水を与えるのがポイント。
花に水がかかるとしぼんだり、傷んでしまうので注意が必要です。
地植えの場合は、晴天続きで乾燥した日が続かない限り、水やりの必要はありません。
ペチュニアのシーン・トラブル別の育て方を解説。
季節の手入れ方法や病害虫対策など大事なことばかりですよ!
種や挿し芽で増やしたペチュニアは、植えつけから2週間を目安に先端をカット。
摘心によってペチュニアの枝数が増え、花つきが良くなります。
またペチュニアの花を長く楽しむためには、5月下旬~6月中旬と、8月下旬~9月上旬に切り戻すのがポイント。
株全体を地表から10cmくらいまで思い切って切り戻せば、新しい芽が次々と発生して、また花が咲きます。
まだ花がついていることもあり、切り戻しをためらう方も多いのですが、ペチュニアが大嫌いな梅雨や秋の長雨を乗り越えるためにも、思い切って切り戻しを!
ペチュニアは種で増やせるほか、温暖な気候の3月中旬~6月と9~10月、挿し芽でも増やせます。
5月下旬~6月中旬に切り戻ししたときの茎を使うのもおすすめです。
脇芽が付いた7~10㎝ほどのペチュニアの茎を用意し、切り口を斜めにカット。
ツボミや花、上の葉4~6枚残すように下の葉を落とします。
その茎を30分~1時間吸水させて、切り口に発根促進剤を塗布。
挿し木用土などに挿し、表土が乾いたら水を与えながら日陰で管理すると発根します。
梅雨はせっかく咲いた花が雨で傷んだり、株の蒸れや泥はねで病気になるなど、ペチュニア栽培で特に注意すべき時期です。
鉢植えの場合は、雨がかからない軒下や室内などに避難させるのがいちばん。
移動が難しいときや地植えのペチュニアでは、泥はねを防止するため、株元をバークチップなどでマルチングしてください。
また株の蒸れ防止には、梅雨前にばっさりと草丈10㎝くらまで切り戻しを!
ペチュニアの薄くて繊細な花は、ナメクジのごちそうです。
ペチュニアの花や葉の上、鉢の周囲などでナメクジを発見したらすぐに捕殺するか、専用薬剤で駆除して。
花やツボミ、葉の裏には、アブラムシがつくこともよくあります。
見つけたら早々に薬剤散布するか、予防策として事前に浸透性殺虫剤をまいておくとGood。
ほかにも、梅雨などの長雨で湿気によって株の中に湿気がたまると、灰色カビ病の発生も見られます。
専用薬剤の散布と同時に、梅雨前の切り戻しや、黄ばんだ葉や花がらの除去など、常に風通し良くすることを心がけて。
なお、ペチュニアの茎や葉は、触るとベタベタして「病気?」と思われる方もいますがご安心を。
これは病害虫を寄せつけなくするための、ペチュニアの生理現象で病気ではありません。
ペチュニアの育て方にまつわる「?」に対して、遠藤さんが答えてくれました!
次の植物がペチュニアとは好相性なので、ぜひ試してみて。
ペチュニアの花が少なくなり、枯れ込んできた場合、花がらつみをしていないことが原因かもしれません。
花がらを放置すると種を付けてしまい、「種がついたからもう花を咲かせなくても大丈夫」と思い込んでしまい、新しいツボミをつけなくなってしまいます。
また花がらに湿気がたまり、灰色かび病などを引き起こす危険性も・・・。
病気になると花が咲かなくなるだけでなく、どんどん弱ってしまい、追肥を与えても元気を取り戻せなくなります。
そんな事態を防ぐべく、思い切って草丈10㎝ほどまで切り戻して、ペチュニアの生気を取り戻しましょう。
切り戻した株に適量の追肥を与えると新枝がのびてきて、11月ごろまで花を咲かせるはず。
ペチュニアの育て方はいかがでしたか?
いろいろなペチュニアを育てながら、お気に入りの品種を見つけてくださいね。