- Pacoma編集部
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今すぐ備えられる住まいの防災グッズチェックリスト10
「家具は固定したから大丈夫」「今すぐやらなくても……」。明日災害が起こってしまったら、どうでしょう? 過信や油断は禁物です。防災のプロ・岡本さんのアドバイスを参考に、あなたの住まいの「災害への備え」に足りない所をグッズ中心に見直しましょう。
防災に必要な心得10選(防災グッズ付き)
自然災害には事前対策が重要。備え方やいざという時の対処法を、防災士の岡本さんに聞きました。本当に役立つ防災グッズもご紹介します。
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防災士 岡本裕紀子さん
慶應義塾大学大学院を卒業後、㈲岡本石油内に防災コンサルタント部門・防災クリエイティブマネージメントを設立。防災講演や、企業の総合防災コンサルティング等を手がける。
2012年、防災士の資格を取得。
「どんな対策をするにも、怖いのは“それだけで満足する”こと。防災対策はゴールではなく、むしろ安全へのスタートと考えましょう。たとえば簡易トイレを用意したら、家の一か所に置くだけでなく、車の中や知人の家にも置いてもらうといった『分散備蓄』をします。そうすればいざというときに使えないリスクを軽減できますよね。
あるいは消火器を購入したら、次は防災訓練で使い方を身体で覚えてみる。そうすれば緊急時にも冷静に消火できる可能性が高まります。また非常食は保存して安心するのではなく、家族みんなで食べて味に慣れておくと、災害時のストレスを軽くすることができます」
今すぐおうちのなかをチェックしてみよう!
01 家具は正しく固定していますか?
家具の転倒防止用の突っ張り棒は、取り付ける位置が重要。家具の両端で、壁側に寄せて付けていないと効果を発揮しない場合があります。
他の転倒防止アイテムと併用する、また転倒した場合にどこが危険か予測し、避難経路を考えておくなど、二重、三重に備えることも重要です。
家具の転倒を防ぎ避難経路を確保
家具と天井の間に取り付け転倒を防止。設置面は家具や天井を傷つけにくい素材。
[家具店頭防止伸縮棒(アイリスオーヤマ)]
家具の手前に敷いて揺れを抑える
家具の下に敷くだけで転倒を防止。ハサミでカットでき、家具に合わせて長さを調整可能。
[家具転倒防止プレート(アイリスオーヤマ)]
02 地震後の火事防止対策はしていますか?
災害で停止した電気の復旧後、倒れたストーブなどが原因で起きる通電火災。自宅のブレーカーに感震ブレーカーを設置すれば、大きな揺れに反応して自動的にブレーカーを落としてくれます。
揺れを感知し自動でブレーカーをオフ
さまざまなタイプの分電盤に使用可能。穴あけなどの工事は不要で、誰でも簡単に取り付けられます。
[感震ブレーカー アダプターヤモリ(リンテック21)]
03 ガラスの飛散対策はしていますか?
地震で飛散したものを踏んで負傷すると、避難ができない、破傷風に感染するといった危険があります。窓や食器棚のガラス面にフィルムを貼り、ガラスの踏み抜き防止用のスリッパも用意するなど、負傷の可能性を最小限にしましょう。
フィルムを貼るだけで負傷のリスクを軽減
破れたガラスの飛び散りを防止するシート。貼る場所によって選べる3サイズ展開。透明なので見た目もほとんど変わりません。
[飛散防止フィルム(アイリスオーヤマ)]
04 物の飛び出し・落下対策は万全ですか?
大規模な地震では棚から飛び出た食器や本が凶器になりかねません。
棚の扉や引き出しにはストッパーを、物の下にはすべり止めを敷くなどの対策をしましょう。また、重いものは下段に収納すれば落下の危険回避&家具の転倒防止に繋がります。
食器等の飛び出しを防ぐ棚の扉用ストッパー
揺れで棚の扉が開くのを防止。普段は器具の一部を横に動かすだけで扉をオープン。
[開き戸ストッパー(ニトムズ)]
EVA樹脂のシートで食器の横すべりを防止
棚板に敷き、食器の飛び出しを防止する滑り止めシート。ハサミで自由にカットでき、どんな大きさの食器棚でも使用できます。
[ノンスリップ棚シート(東和産業)]
05 防災用食品の味は複数ありますか?
水は大人で1人1日3リットル必要。また食事は味にバリエーションがあると災害時のストレス軽減になります。
水などで戻して食べる「アルファ米」の白米なら、応用力◎。夏にはスポーツドリンクで戻してミネラルを摂取したり、野菜ジュースでチキンライスのような味にしたりもできます。
お湯を入れて15分で温かいご飯が完成!
水などで戻して食べる即席ご飯。常温で5年保存可能。スプーン付きで食器の準備も必要ありません。
[アルファ米 ごはんシリーズ 白飯(尾西食品)]
- ご飯の他にコレも備蓄!
- お菓子はストレスにさらされる災害時の気分転換に◎。日頃よく食べるものや日持ちする乾物は、普段から多めに買い、使ったら足す「ところてん式」の備蓄がおすすめです。
06 防災対策に庭を活用していますか?
趣味として人気の家庭菜園ですが、実はこれも有効な防災対策になります。災害時に生野菜を摂取できますし、近所の方と作物を分け合うことも可能です。
日常生活に楽しみながらできる防災対策として取り入れてみましょう。
07 お手洗いの対策は万全ですか?
お手洗いは待ったなしの問題。
既存の便器にかぶせて使うものや、段ボールで作る簡易トイレなどさまざまな種類の中から必ずご用意を。耐震性の低い家は災害後、自宅に入れない可能性があるので、ダンボールタイプがおすすめ。
ティッシュなどの周辺アイテムもお忘れなく。
組み立て簡単で丈夫な緊急時のマストアイテム
耐荷重250kgのタフな組み立て式トイレ。使用後は凝固剤で臭いをブロックできます。
[簡易トイレBTS-250(アイリスオーヤマ)]
08 非常用持ち出し袋は家族に合った内容ですか?
赤ちゃんがいればおむつやミルク、高齢者の方がいれば処方箋や介護食、女性は生理用品など、災害時に必要なものは家庭ごとに異なります。性別や年齢に応じ、非常用持ち出し袋の中身を見直しましょう。
家族みんなの必須アイテムがセットに!
キャスター付きのリュックに、22点の必需品入り。非常食などが入るスペースも。
[避難リュックセット 家族用22点(アイリスオーヤマ)]
09 懐中電灯を有効に使う準備をしていますか?
通常、懐中電灯の光は一方向しか照らしませんが、ペットボトルの水を通せば光は四方八方に広がり、明るさが増します。懐中電灯のそばに、水が入った2リットルのペットボトルを用意して、上手に明るさを生み出しましょう。
▲懐中電灯+ペットボトルの場合(左)と懐中電灯のみで照らした場合(右)
10 火災対策はしていますか?
火は料理などで毎日のように使いますから、火災の危険は常に身近にあります。火災報知器や防炎カーテンを取り付けるなどの対策をしましょう。また消火器や消火具は正しく使えるよう、定期的に使用方法の確認を。
スプレータイプで緊急時にも扱いやすい
比較的初期段階の火災に使える、ハンディータイプの消火具。消火しにくいといわれる天ぷら油火災も素早く鎮火してくれます。
[エアゾール式簡易消火具 直撃消火AE-400(ヤマトプロテック)]
防災には「ハード」と「ソフト」両方の準備が必要!
さて、あなたはいくつ対策できていましたか?
「何かひとつ対策をすると、それがきっかけで対策が足りない部分に気が付き、更なる備えをすることができます。防災用品をそろえるといったハード面と防災への関心や知識を高めるといったソフト面、その両方で『防災力』を高めましょう」と岡本さん。
さあ今すぐ、あなたもおうちの防災対策をチェックしてみてください!