- Pacoma編集部
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今すぐ、スッキリ・キッチンになる整理術〈プロ9つの極意!〉
毎日使うアイテムの数や種類が多く、モノの出し入れも頻繁に行われるキッチン。油断するとすぐに散らかる、〝家の中でもっとも雑然としがちな場所〞ですね。キッチンをスッキリと整理し、使いやすいコックピットにする〝驚きの片づけルール〞をプロがご紹介します。年末の大掃除はチャンスですよ!
スッキリしたキッチンは家事が楽しい!
キッチンにあるアイテムは 細々している上に多種多様。毎日使う道具が出しっぱなしになったり、使い切れない食材や調味料が増えていったりと、ついつい散らかってしまいがちです。
モノに溢れたカオスな状態を上手に片づけるには?ホームオーガナイザーの吉島智美先生が、あるご家庭に伺って、キッチンの整理整頓ルールを伝授してくれました。
「今回紹介する9つの極意を実践すれば、どんなキッチンでもスッキリ。必要なモノが気持ちよく使えるように整えば、料理や掃除がラクになるし、楽しくなります」
- まずはチェック!キッチンの散らかりがち習慣
- □ 開封済みと未開封の食材を一緒に保存している。
□ キッチンにあるモノの色に統一感がない。
□ キッチンで使用しないものがある。
□ スーパーの袋のストックが 多 い 。
□ 同じ用途の調理器具がいくつもある。
□ 掃除がしにくい場所がある。
- 吉島智美(よしじま・ともみ)ホームオーガナイザー。住み手に合ったノウハウを提案し、「モノ」「思考」「感情」の整理をリポート。著書『大切なモノだけと暮らしなさい』(青春文庫)。
大切なモノに囲まれた暮らし
吉島流9のルール。
Rule:01 収納力UP!壁にキッチン棚を取り付け。
モノの量に対してキッチン収納が全然足りない。だけど、食器棚などの家具を置く場所もない。
そんな悩みを解決するには、思い切って壁づけの棚を設置するのも一つの手。
「棚を取りつける場所は、作業するシンクや調理台、コンロのいずれかからさっと手が届き、かつデッドスペースになっている壁。そこに取り付けた棚は調味料やキッチンツール、食器などよく使うものの定位置にして。さらに、棚の下にいろんなものを引っ掛けるポールを取りつければより便利になります」(吉島さん)
棚のデザインは、モノの出し入れがしやすいオープンシェルフがベター。スペースに合わせたサイズで無駄なく、お手軽に自作できるのも魅力。また賃貸物件なら、特殊なホチキス留めで棚などが壁に設置できるフックを活用してみても。
「壁に開ける穴はホチキスの針程度。取り外し跡も意外に目立たないので気軽に試せます」
壁づけオープンシェルフの材料
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・好きなサイズにカットした木材(上下×2枚、左右×2枚)
・テープ
・オスモカラー -
・スチールパイプ
・S字フック
・ピンチ
・リング
・ジョイント -
(左)
壁美人 壁側金具「12K」2枚セット ホワイト
(右)
壁美人 L型受け金具「12K」対応2枚セット
若林製作所
Rule:02 棚の調味料容器は同じものに揃える。
塩、砂糖、チキンスープ……。オープンシェルフに並べた、出番の多い調味料。でも、購入したパッケージのままでは、見た目がバラバラで雑然とした雰囲気に。
「いつも使う調味料こそ、容器の形や色を揃え、詰め替えてみてください。それだけで整然と見えてきます。使用後に片づけを忘れていていたり、多少置き方が乱れていても、散らかっているように見えないから不思議」
気密性が高く、風味を逃さない透明ボトル。
ワンタッチで開閉でき、調味料入れに最適。
Rule:03 調理器具は「吊す」収納に。
コンロ近くの壁に設置した棚の下に、吊す収納用のポールも取り付けてスペースを有効活用。
ポールにあらかじめ装着したS字フックに引っ掛けるのは、レードルやフライ返し、ピーラーなどの使用頻度の高いキッチンツール類が最適です。
「引き出し収納では、意外とかさばってスペースを取る上に、パッと取り出しにくいツール類。でも吊す収納に変えれば、その時に使いたいアイテムが一目瞭然!ワンアクションでピックアップでき、洗った後はさっと拭いて戻せば自然乾燥にも」
色のトーンをそろえるのがスッキリと見せるコツ。
Rule:04 シンクと調理台には「何も置かない」。
水切りカゴや三角コーナーなど毎日使う道具をシンクや調理台に置きっぱなしにしている人って多いですよね。これもキッチンがごちゃついて見える原因のひとつ。
そこで、思い切って挑戦したいのが、シンクや調理台をできるだけ 〝無〞 にする方法。
「洗い物は布巾ですぐに拭いて、定位置に戻せば水切りカゴは不要に。食器用洗剤はシンプルなデザイン容器に移し替え、スポンジはモノトーンにするなどシンクの必需品も色を抑えて存在感をなくします。他で代用したりちょっとした工夫で、モノをなくすことができます」
洗剤ボトルやスポンジは、色味を揃えて、スッキリと。
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激落ちクロスお徳用10枚入
吸水&速乾性にすぐれたクロスを水切りに
レック
Rule:05 アイデア収納を取り入れる。
キッチンがひととおり片づいたら、アイデア収納を取り入れてみましょう。
「場所や用途に合ったアイデア収納グッズで、使い勝手がよくなるばかりではなく、見た目もスッキリとまとまってきますよ」
合理的で快適なキッチンは、あなたのコックピット。今回伺ったお宅のキッチンで、具体的な例を紹介します。
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出番の多い小物はここに
キッチン上の棚に引っ掛けるだけで収納スペースが。シェールノワールシェルフバスケット
和平フレイズ -
隙間にまな板をスッキリ収納
引き出しや調理台の隙間に。まな板2枚とシートまな板1枚が収納可能。トトノ引き出し用まな板スタンド
リッチェル -
鍋ぶたはまとめてハンギング
鍋ぶたを取り出しやすく収納。扉の内側に引っ掛けるだけなので場所も取らない。ジョイントなべ蓋ハンガーナチュラ
山崎実業 -
作業スペースがもう少し欲しい
扉に引っ掛けて使う折りたたみテーブル。簡易ダスト付き。シェールノワールキッチンサポートテーブル
和平フレイズ -
何気ない場所に引っ掛けフック
強力磁石で固定することでクルクル回り、勝手がよく、耐荷重量は約2~3㎏。パワフルマグネットフック
サンケーキコム -
冷蔵庫横もしっかり活用
吸着盤で貼り付け。ラップやキッチンペーパーの収納に。キッチンストレージ冷蔵庫サイド収納ラック
パール金属
Rule:06 シンク下はパイプを避けて有効利用。
シンク下は排水パイプが通っていて、収納は一筋縄ではいかないもの。
そんなときに活用したいのがパイプを避けて設置できる棚。スペースに合わせて棚板の横幅を調整できる伸縮タイプは、隅々まで無駄のない収納が可能になります。
場合によっては除湿シートも活用してみましょう。
「2段の棚を設置したら、今回は鍋やフライパン、ボウルなどのよく使う大きめの道具類を収納してみました。洗ったらすぐにしまえるのが便利。アイテムごとにまとめるのが基本です」
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シンク下フリーラックワイド 伸縮タイプ
排水パイプを挟んで、自由に棚板を設置
伸晃
Rule:07 調理家電は一か所にまとめてしまう。
電子レンジにオーブントースター、炊飯器、コーヒーミル、ポット…。普段、私たちがキッチンで使っている電化製品は案外たくさんありますね。
それらを一箇所に集約すると、作業の動線が組み立てやすくなり、見た目も断然スッキリします。
「収納にはキャスター付きワゴンが重宝します。上開きの電子レンジは下段に、蒸気を出す炊飯器などは上段にするなど、配置はアイテムに合わせて。キャスター付きで、作業内容に合わせて気軽に移動でき、狭いキッチンでは何かと便利。ごちゃつきがちな電源コードを、スッキリとひとつにまとめられるのも大きなメリット」
Rule:08 コンロ下収納は引き出しやすさが大切。
今回のお宅は、コンロ横の調理台をよく使うとのこと。
ならば、コンロ下に調味料や油をまとめてみましょう。
「ボトルや瓶などの収納でおすすめなのは2段の引き出し式ストッカー。小瓶は上段へ、背が高いボトルものは下段にわけて収納を。よく使うモノを手前に置くと、奥も見渡せて便利ですよ」
また、2段引き出しに入りきらない大容量ボトルは、取っ手付きストッカーへ。
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シンク下スライドストッカー2段(深型)
2種類の深さの引き出し付き
パール金属
Rule:09 引き出し収納は、段ごとにテーマ分類。
カトラリーやキッチンツール、お茶やコーヒーといった嗜好品など、キッチンのこまごましたモノには引き出し収納が活躍します。
今回のキッチンには、調理台の下に4段の引き出し収納が。吉島さんはそれに合わせて、まずは収納したいモノをテーマ別に4つに仕分け。
箸、スプーン、ナイフ、フォークとアイテムごとにまとめたカトラリー、たくさん揃えていたキッチンツールは使用頻度によって2つに分類。そして、お茶など嗜好品はひとまとめに。
では、これらを引き出しに収納する際のルールとは?
「取り出しやすい上段から順番に、よく使うアイテムをテーマごとに収納していきます。今回ならば、1段目はカトラリー、2段目はよく使う〝1軍の調理器具〞、3段目はたまにしか使わない〝2軍の調理器具〞となります。そして一番下の引き出しは少し深さがあるから、茶葉やコーヒーなど出番が多く、かさばる嗜好品を。最下段は上から覗いたときにぱっと中が見渡せるように、上に重ねず、立たせて収納しましょう」
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1段目
毎日の箸、スプーン、フォーク -
2段目
使用頻度〝1軍の調理器具〞 -
3段目
使用頻度〝2軍の調理器具〞 -
4段目
お茶、コーヒー類
わかっちゃいるけど、散らかっちゃう。使いやすいキッチン整理術Q&A
Q. 結局、使いやすいキッチンって何が違うの?
A. 取り出しやすく、戻しやすいことです。
限りある台所空間の中でストレスなく作業をするためには、調理器具や調味料など必需品の配置が重要。中心からすぐ手が届くメインエリアにはよく使うモノを、手が届きにくいサブエリアには出番が少ないモノを。動線を考えながらモノを取り出しやすく、戻しやすい収納にすることが使いやすいキッチンのポイントです。
Q. キッチンの整理整頓、まずは何から?
A. 整理整頓は〝4段階のステップ〞で。
第1ステップは不要なモノを捨てることから。第2ステップで、食材や調理器具などテーマごとに分類を。第3ステップでは、動線をベースにモノの置き場所を決めて収納します。最後のステップは、外に出ている調味料の容器を揃えたり、グッズの色みを合わせるなど、見た目の整理を。キッチンがどんどんスッキリしていきます。
Q. 家族全員が片付けられるキッチンにしたい。
A. モノの定位置を決めること。ラベルも効果的。
何がどこにあるかを家族で共有できれば、キッチンの片づけがグッとラクになります。そのためには、まずモノの定位置を決めることが大切。ジャンルや目的別にアイテムをまとめたり、わかりづらい調味料などにラベルを貼ったり。モノの居場所がクリアになれば、みんなが迷わず片づけられ、台所は散らかりにくくなります。
Q. 整理整頓する上で失敗しがちなことは?
A. 必要以上に“細かく”収納してはダメ!
片づけ下手な人ほど、細かく分類しすぎて収納マトリョーシカに陥りがち。後で収納場所が行方不明になり、片づけが億劫になってリバウンドしてしまうことも。片づけを習慣化するには、使ったモノを無意識でも戻せるようにすることが先決です。食材、ツール、掃除グッズ、食器などテーマ分けは少し大ざっぱに。
Q. キッチンの片づけが下手な人の特徴って?
A.〝とりあえず置く〞が習慣の人です。
キッチンはモノの動きや入れ替えがとにかく激しい!食材や調味料、ツール、食器など日々の買い足しも多いですよね。でも、とりあえずと思い床置きしたり、テーブルの上に置くクセがある人は要注意。そのまま片づくことはなく、とりあえずの場所が増えていき、キッチンが雑然とした雰囲気になってきます。
Q. 先生のキッチン整理術、マイルールは?
A. 作業スペースの確保と何も入れない棚のキープ。
とにかく作業スペースは常に確保しておくことが基本。料理する時はもちろん、収納整理をする時も一旦モノを外に広げてから分別するのが必須です。棚も何も入れない場所をキープしておけば、頂き物を一時保管したり、マルチに使えて重宝。そういった余白があるだけで片づけはもちろん、掃除も調理もはかどりますよ。