興味がないDIY、でもやってみる

▲ミニチュアの世界に足を踏み入れる。

「絶対にドールハウスを作りたい！」と子どもが泣き出した。

人はさまざまな理由で泣くが、どうしてもドールハウスが作りたくて涙を流すということもあるのだなと思った。

何かそういう動画を見たらしい。

その熱意にほだされ、閉店時間が迫るなか急いで素材になるものを買いに走った。

▲初めて使ってみる素材、スポンジシート。

手に入れたのは厚さ2㎜ほどのスポンジシート。

ほどよい厚みがミニチュアの作品作りに向いているという。

作業を始めてみるとなるほど使いやすい。

はさみで簡単に切れるのに、紙よりも丈夫で自立する。

見よう見まねでドールハウスの家具を作る。

ソファ、コンロ、冷蔵庫。

切ったパーツは接着剤や両面テープで簡単にくっつく。

ホチキスの芯を引き出しの取っ手にするとそれっぽく見えることを知った。

ミニチュアにリアルさが宿る瞬間、しずかな興奮がやってくる。

気づけば子どもは飽きて本を読み始め、私だけがいつまでも小さい家具を作り続けていた。

▲現実世界にはあまりないカラフルな家具。

これまで私にとってDIYとは常に、やってみたいからやるものだった。

しかし最近は、別にやってみたいと思ってないけれど巻き込まれるようにして始まることがある。

そして気軽に乗り出してみると、必ずその先に発見や快感が待っている。

やってみたいと思わないときですらいいことがある活動。

DIYへの信頼はますます厚くなっている。