藤岡みなみ
1文筆家。暮らしの中の異文化をテーマにした『パンダのうんこはいい匂い』
(左右社)が発売中。
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5~6月といえば、多くの地域で苗売り場が賑わう季節。
▲ 何を育てようか悩む初夏が好きです
今年は野菜作りに再挑戦したい
4年前家庭菜園に目覚め、調子に乗って1年で約30種類以上の野菜やハーブを育てた。
楽しくて完全にハイになっていた。
当時の家には庭があって、地植えだったこともあり多少ズボラな管理でも大きな失敗はなかった。
水やりを怠っても雨水でなんとかなったし、植物たちが持っている生命力に身を委ねるだけでよかった。
なんだ家庭菜園って簡単じゃん、とまで思った。
しかし去年引っ越して、現在住んでいる家はマンション。
庭はなくなり、代わりにかなり細長いベランダがある。
日当たりはそこそこ。プランターでの栽培経験もあったので意気揚々と夏野菜を植えた。
▲ 横に置いてくり抜けばコカブもできる
経験値も積んできたつもりで自信があったのに、ピーマンもナスも見事に大失敗。
ビニールを被せても葉も実も虫食いだらけだった。
ピーマンは以前育てた際、特に手軽だと思っていたので特にショックが大きかった。
地面のほうがずっと虫が多そうなのに、ベランダで虫に悩まされるなんて納得がいかない。
虫にとって地上よりも食べ物が少ない場所だから、砂漠のオアシスのように大人気になってしまうのだろうか。
しかも猛暑で苗たちはいつもぐったりしていた。
近年の猛暑は農家の皆さんも大変苦しんでいるほどで、夏は栽培初心者に優しい季節ではないようだ。
家庭菜園は簡単だという実感はどこへやら、完全な挫折を味わった。
もうこの家に住んでいる間は、家庭菜園は無理かな……。
そう弱気になっていると、先日すぐ近くのマンションに住む知人がベランダでレタスを育てていることを知った
レ、レタス?!
あんなに柔らかくて虫も大好きな葉っぱをうまく育てられているとはなにごと?!
レタスは栽培期間がとても短いので、しっかりとネットなどを被せればほとんど虫に食われないらしい。
ほほう、短期勝負か。
ほかにも虫に強いホウレンソウや大葉などを選んで育てていると言っていた。
この話を聞いて、私の中の失われていた栽培欲がむくむく膨らみ始めた。
このベランダ、どうやらまだ諦めるには早いようだぞ。
原点回帰のミニトマト。強い野菜作戦だ!
作戦を変えて、今年は特に生命力の強い野菜を選ぶことにする。
経験上、ミニトマトは間違いない。
虫がつきにくいし、5月頃に植えて猛暑を乗り越え、11月頃まで収穫できた年もあった。
そうだ、またミニトマトに戻ろう。
小学校の頃に授業で育てて、水をほとんどやらなかったのになぜか実ったこともあった。
あの最強の相棒とまた手を組む。
ミニトマトは袋栽培でもうまくいく。
▲ 袋栽培は私の心強い味方
袋栽培とはズボラな私に最適のシステムで、ホームセンターで売っている袋入りの土をそのまま鉢代わりにして育てる方法だ。
縦に置いたら大きめの苗を、横に置いたらコカブなどを栽培できる。
水捌けをよくするため、袋の下の部分に穴を開ける。
いままで使っていた土の中に虫が眠っている可能性が捨てきれないので、新しい土を買ってきてそのまま苗を植えてみることにしよう。
このほうが安心できる。
ミニトマトのもうひとつの素晴らしいポイントは、種類が豊富なところ。
細長いトマトに甘いトマト、黄色いトマトになんと黒いトマトもある。
▲ ミニトマトを育てると生活がカラフルになる
気軽に手に入るものだけでゆうに20種類はあるようだ。
何種類か植えて、ベランダでミニトマトの空中菜園を作ろう。
なかなか素敵なアイデアに思えてきた。
実った色とりどりのミニトマトを食べ比べて、マイ・ナンバーワン・ミニトマトを決めたい。
▲ ミニトマト料理大好き、毎日食べたい
よし、今年はミニトマト祭りだ。
暑すぎる夏や細長すぎるベランダ、しぶとい虫など、栽培を諦める理由はいくらでもある。
でも作戦次第で充実した家庭菜園ライフを送ることができるはず。
リベンジに燃えています。