藤岡みなみ
1文筆家。暮らしの中の異文化をテーマにした『パンダのうんこはいい匂い』
(左右社)が発売中。
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「ひな祭りの飾りを作ろうよ!」
6歳の子どもが帰宅するなりそう言った。
えっ、今から?
仕事も終わってないし、夕食も作らなきゃだし……。
今度にしようと言いかけて、やっぱり誘いに乗ってみることに決めた。
他者からのDIYの提案は、気が乗らなくても結果的に絶対楽しくなると実感しているからだ。
いきなり言われても作り方がわからないけれど、いい意味で適当にやる。
紙粘土、画用紙、絵の具を取り出した。
▲ 急遽作ってみたひな人形たち
ひな人形ってどんなんだっけ、と悩んだが、子どもが「三人官女と五人囃子がいる」「右大臣は顔が赤いよ」などと絵本で読んだ情報を教えてくれるのでそれに従ってみる。
自分だけで何か作ろうとすると、うまくやろうとして面白みがないものが出来上がることが多い。
しかし、子どもとの共同制作だと自動的に味わいが出るのがよい。
手や机は汚れるけれど、思い通りにいかないことを楽しむスイッチをオンにしてのぞんだ。
案外かわいらしいひな人形が出来上がった。
▲ 右大臣を作るのは最初で最後だろう
以前友人に正月飾りを作ろうと言われた時も、正月飾りって本当にいるかな? と思いつつやってみたらとてもよかった。
やりたいことをやるのがDIYだけど、やりたくなくてもやってみると愉快な境地に行けるのがDIYなのだ。
これからもぜひ、ひょいひょい誘いに乗っていきたい。