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藤岡みなみ|えっ!?まさかの素材に驚き

藤岡みなみ|えっ!?まさかの素材に驚き

文筆家・ラジオパーソナリティの藤岡みなみさんが、モノづくりに対してのあれこれをつづるコラム連載!題字ももちろん本人。かわいくも愉快な世界観に、思わず引き込まれちゃいます。今回は、だらしなく仕事するため

文筆家・ラジオパーソナリティの藤岡みなみさんが、モノづくりに対してのあれこれをつづるコラム連載!題字ももちろん本人。かわいくも愉快な世界観に、思わず引き込まれちゃいます。今回は、だらしなく仕事するため

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藤岡みなみ
1文筆家。暮らしの中の異文化をテーマにした『パンダのうんこはいい匂い』
(左右社)が発売中。

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目次

えっ!? まさかの素材に驚き

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▲ これ、ペットボトルのキャップで出来てるんです!

ある日SNSを眺めていると、カラフルで洗練されたアクセサリーの画像が流れてきた。

かわいい、どこのブランドだろうと投稿を詳しく見ると、なんとペットボトルのキャップを再利用した手作りの品だとわかった。

ペットボトルのキャップ!? 

私が毎日捨てているあのフタ? 

路上にいくらでも落ちているあのゴミ同然の?

一体どんな特別なワザを使って宝物のように生まれ変わらせているのだろう。

信じられずほかの投稿も見ていくと、なんとこれらの作品は家庭でも制作可能なのだという。

キャップアート作品を発信していたのは、CAP AKIRA TOKYOさん(instagram.com/capakira_tokyo/)。

もともとものづくりが好きで、クリーン活動で拾ったペットボトルキャップをきっかけにこの活動を始められたそう。

インスタグラムアカウント @capakira_tokyo には、これまでに制作したピアスやキーホルダー、文房具などがの作り方が写真と動画で丁寧に紹介されている。

しばらくはうっとり眺めているだけだった私も、だんだんやってみたくてうずうずしてきて、ついに自宅で挑戦してみることにした。

初めてのキャップアートに挑戦!まずはキャップ集めから。

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▲ 細かく切ったペットボトルのキャップ

普段あまり気にしていなかったけれど、ロゴが書いてあるものと無地のものがある。

黒やゴールドなどは、大人っぽい作品が作れそうだ。

家族がいつものように捨てようとしているので「ちょっと待った!」をかける。

珍しい薄ピンクを捨てるなんて。

あまりに必死なので怖がられた。

これまで不要だと感じていたものが、急に貴重な資源に感じられるようになったのだ。

10個ほど集まったので制作に取り掛かる。

使うのは、はさみとアイロンとクッキングシートのみ。

そのほか必要に応じて穴あけ用のピンバイスやアクセサリーパーツ、レジンなども用意する。

基本的には特別な道具を使用しないので、誰でも思い立ったその日に挑戦できるのが大きな魅力だ。

最初の工程が最難関かもしれない。

ペットボトルのキャップをハサミで細かく切る作業。

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▲ 切り込みをいれてから切るとやりやすい

硬いので手がちょっと疲れる。子どもと一緒に制作する場合は、ここまでは大人がやっておくといいかもしれない。

家にあった各種はさみを試した後、ニッパーの力も借りて刻んでいった。

慣れるとコツがわかってきてどんどん切れる。

文字が入っている部分ではなく、主にキャップの側面を素材として使う。

次は、細かくしたキャップをクッキングシートに挟んでアイロンでプレスする。

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▲ 最初は20秒ほど上に乗せて溶かします

置く時に色を混ぜるとマーブル模様になってすでに美しい。

どんな模様になるのか熱を加えるまでわからないことにもときめく。

そのあとは薄いシート状になったキャップを好きな形にカットするだけ
(詳しい作り方はぜひCAP AKIRA TOKYOさんのインスタグラムをご覧ください)。

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▲ シート状になったものを好きな形に切る

イヤリングやヘアゴムなどのパーツを取り付けると、オリジナルアクセサリーが完成した。

レジンで表面をつるんとさせてもいいし、そのままのマットな質感もかっこいい。

自分で作ってもまだ、ペットボトルのキャップからできているなんて信じられない。

リサイクルDIYって、完成品にリサイクル感があるものも多いけれど、これはまったくない。

しかも、カットしたときに出た端っこの部分たちを集めてアイロンを当てれば、それもまた制作材料になるのだという。

無限ループだ。

リサイクルのロゴがぐるぐる回り続けている。

キャップアートに挑戦してからというもの、あらゆるゴミがDIYの材料に見えて仕方がない。

私に新しい視点をくれるものづくりだった。

友達がペットボトル飲料を飲んでいると、早く飲み終わらないかなと思ってしまう。

フタを、フタをくれ。

簡単で身近で、誰にでも開かれているというのが嬉しい。

没頭できて成果物のクオリティが高いので、次は誰かを誘って、おしゃべりしながら作ってみたい。