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カルチャー
菅原さくら

使いやすさを重視した“見せない”収納!? HALCALI・YUCALIの自宅キッチン大公開【#cali飯オモテナシvol.4】

ガールズヒップホップユニット・HALCALIとして、2000年代に一世を風靡したYUCALIさん。現在は栄養士の資格を取り、自身の名前を冠したケータリングブランド『#cali飯』を展開しています。そんな『#cali飯』の季節のレシピとテーブルコーディネート術をご紹介。

これまで、季節に合わせたレシピとテーブルコーディネートを紹介してきた『#cali飯オモテナシ』。でも、音楽活動で活躍してきたYUCALIさんがなぜ栄養士の資格を取ったのか、気になっている人も少なくないのではないでしょうか。今回は、素敵なオモテナシを生み出すYUCALIさんと、その愛用キッチンに注目してみました。

YUCALI(ゆかり)/栄養士、ケータリングプランナー
 

1987年7月18日東京都生まれ。目黒区出身のHALCAとYUCALIの2人組ガールズヒップホップユニットHALCALIのメンバー。小学生のころから都内のダンススクールに通い、「FEMALE RAPPERオーディション」で見事グランプリに輝き、2003年にO.T.Fの全面プロデュースのもと『タンデム』でデビュー。
 
2013年より、かねてから興味のあった食の分野を学び栄養士の資格を取得。現在ケータリングブランド『#cali飯』の活動を展開中。
@yucali_halcali

ずっと好きだった料理を学ぶため、26歳で専門学校に進学


――ガールズヒップホップユニット『HALCALI』として活動しているかたわら、なぜお料理の道に進むことを決めたのでしょうか?

お料理は、もともとずっと好きだったんです。栄養素についてもちゃんと学んでみたいと思ったんだけど、栄養士の資格は学校に行かなきゃ取得できなくて。でも、好きなことを突き詰めて勉強するのって楽しそうだし、いまから学校に行くのも悪くないなと思っていて……専門学校に入ったのが26歳のときでした。

学校は、すごく面白かったです。でも栄養士の勉強って、つねに計算や実験ばかりで、理数系なんですよね。数学とかキライなのに宿題もいっぱい出るし、かなり大変でした。でも、大人だから真面目にやるんですよ(笑)。最後の一人になるまで居残りして課題をやったり、結構頑張って、ちゃんといい成績もとりました(笑)。

同級生は年下がほとんどだったけど、ときどき混ざっている社会人組とは特に仲良くなって、いまも交流が続いています。入学式のとき「HALCALIのYUCALIに似てるね」って言われて、思わず「あ、よく言われます……」って謎の返しをしちゃったりしたけど(笑)、その子ともあとからすごく仲良くなりました。

――あとから正直に言えてよかったですね(笑)。本格的にお料理を学んだ腕と、この素敵なキッチン! お料理の楽しみが増したんじゃないでしょうか。

このキッチンは、結婚で引っ越してきたのを機に、いろいろと手を入れたんです。一番のこだわりは、何よりも使いやすさ。まず、作業台やシンクは一番大きいサイズを選んだので、お友達が来てお料理教室をするときなんかにも、余裕を持って使えます。コンロと壁の間も広く取っているため、油がはねても壁まで届かず、汚れにくいのもお気に入り。

▲全面ステンレスの作業台&シンクは、お手入れが大切。ちょっとした汚れを『激落ちくん』でこすったり、ダスターでこまめに拭いたり、気づいたときにメンテナンスをしています。「ダスターは、コストコでまとめ買い! くさくなるのがイヤなので、何回か使ったらエアコンの室外機などを拭いて、使い捨てしています」

もともとずぼらで片付けが苦手だから、キッチン周りにはとにかくたくさん収納スペースを作ってもらいました。おしゃれな“見せる収納”も憧れるけれど、維持にエネルギーがかかりそうだから、ぜーんぶ中身の見えない戸棚(笑)。

調味料もたくさんの種類を使うので、かわいいパッケージに入れ替えてひとつずつラベリングなんて、とてもじゃないけどできません。でもそのぶん、自分なりに使い勝手のいいキッチンになっていると思います。

――では、そんなYUCALIさんのキッチンを隅々まで拝見! 毎日お料理をする人ならではの“効率的な配置テク”は、要チェックです。

 

POINT1 使うときの導線を意識して、機能的に

まず、よく使う小皿やグラスは、ダイニングテーブルから近い棚に。「お友達が遊びに来たとき、お料理をしながらでも『小皿やグラスはそっちから適当に出して~』と言えるんです」と、YUCALIさん。

お料理を盛りつける大皿類は、作業台のすぐうしろ。振り返ってすぐにお皿を出し、アツアツを盛りつけて運べるというわけです。棚の上はカウンターとしても使える、優秀なスペース。

オーブンレンジの上には、なべつかみやミトンを。「さっと出して使ったらすぐしまえる、導線のよさがポイントです。ミトンはいっぱいあるんだけど、かわいいのを見つけるとつい買っちゃうんですよね~」。
高めに区切った棚には、100均で買ったというカゴ。これをつけることで、高さのあるカッティングボードを収納しつつ、空間を有効活用できます。

 

POINT2 片付いたキッチンをつくる“しまいワザ”

驚くほど物が少ないYUCALI’sキッチンの作り方は、いたってシンプル。なんでも収納することです。「どうしても生活感が出ちゃう炊飯器も、普段はしまっておいて、使うときだけ出します」。周りはお手製の果実酒やコーヒーが並ぶ、飲み物ゾーンです。

調味料・麺・缶詰・乾物などは、それぞれ引き出しラックやカゴに収納。ちまちま取り出すのは面倒なので、使うときにはカゴごと取り出し、作業台に置くそうです。
「ミニほうきとちりとりは、うっかりスパイスをこぼしてしまったり、器を割ってしまったときなどに使います(笑)」。

その下は、なんでもしまえるミニパントリー。水のペットボトルやお酒など、ストックがそのまま積んでおけるレイアウトです。
「段ボールは、トマト柄のかわいい布巾で目隠し。棚がないぶんうまく空間を使えていないから、いつかここをDIYしたいなと思ってるんです」。

冷蔵庫の上に少しだけ生まれた空間には、せいろやザルをまとめて収納。ぴったり収まっていて、見ているだけでちょっと気持ちがいいです。

 

POINT3 道具の置き方を工夫して、調理の手をとめない

よく使うスタメンのスパイスは、コンロ横のラックに収納。「高さがなくてペッパーミルすら入らないラックだけど、IKEAのガラスボトルがジャストサイズ! ここに入れるスパイスだけは、ボトルに入れ替えて収納しています」。水や火に近い場所なので、ゴマなどには乾燥剤も忘れずにイン。

フライパンやボトルタイプの調味料は、すべてコンロの下に。ニトリのフライパンスタンドは柄も立てかけられるため、使うときに取り出しやすいのが魅力です。おたまやフライ返しは、手前に立てて収納しています。

意外と出番の多いラップやアルミは、食洗機の下。同じジャンルのアイテムをまとめてしまっているから、居場所がわからなくなることはありません。
「お気に入りの木製タオルかけは、裏にマグネットがついています。ステンレスのどこにでもつけられるから、作業している場所に持って行けるんです」。

愛犬のぺぺがうれしそうに近寄ってきたのは、シンク下の広いスペース。お鍋やボウルの奥には、キッチン周りの洗剤もまとまっています。ふとした汚れが気になったとき、すぐに取り出してお掃除できるのも、キレイなキッチンを保つ秘訣かもしれません。

▲レンジの下には、引き出して使う作業台まで! 冷蔵庫から出した飲み物をついだり、レンジのなかにあるお料理をいったん置いたり、一時的な作業に便利。

「収納のインタビューを受けると言ったら、家族に『あなたで大丈夫なの?』って言われました」なんて笑っていたYUCALIさん。でも、使いやすさとビジュアルのバランスがこんなに絶妙な空間は、なかなかありません! きっと今日もこのキッチンで、素敵なお料理とおいしい笑顔が生まれていることでしょう。

▲素敵な #cali飯 をはじめ、おしゃれな日常がいっぱいのYUCALIさんInstagram。

撮影:石野千尋